◆お2人の役は韋駄天の師弟関係にあたります。お互いから見たそれぞれの役の魅力は?
石田:プロンテアから見た師匠のリンは、恐怖でしかないですよ。その感情がほぼ9割。ただ、プロンテアに恐怖を与えるほどリンが厳しいのは、ちゃんと理由があるからで。リンは先代の韋駄天たちからの“いつか訪れる魔族の復活に備えておけ”という言葉を守っている。…まぁ、そんな経緯を知らないプロンテアにしてみれば、大迷惑な話なんですけど(苦笑)、ただ視聴者は、そうした事情を知った上で、リンが仲間たちに過剰に過酷な訓練を強いているのが分かってますからね。ただの鬼コーチではなく、そうならざるをえなかったというのがあるから、みんなリンのことを応援したくなる。
岡村:ちょっと泣けるなぁ。ありがとうございます!
石田:ただ、何度も言いますが、プロンテアにとってのリンは、本当に怖いだけの存在です。
岡村:(笑)。そもそもプロンテアは、リンちゃんによって見つけ出されたわけですが、その時のリンちゃんは本当にうれしかっただろうなと思います。かつておじいさまたちが自分を犠牲にしながら魔族を封印し、そのことで彼女はたった1人になってしまった。そこから50年間ずっと落ち込んで、やっと立ち直ったと思ったら、今度は自分を鍛えるために300年間修行し、そしてようやくプロンテアという新しい韋駄天に出会えたんです。きっとその間は黙々と修行し、本当に久しぶりに他人と会話をしたんだろうし、そうしたいろんなことを考えると、プロンテアのことを“初めての子はかわいい”くらいの想いがあったと思います。
石田:プロンテアにとっても、最初はほかに知り合いもいなかっただろうし、修行が始まるまではリンのことをすごく頼りにしている保護者だと思っていた時期はあるでしょうね。ものすごく短い間だったでしょうけど(笑)。
◆韋駄天側のキャストにはお2人以外にもハヤト役の朴璐美さん、イースリイ役の緒方恵美さん、ポーラ役の堀江由衣さんなど豪華な声優陣です。共演者の名前を見た時はどのような印象でしたか?
石田:最初は韋駄天たちのキャストしか知らされていなかったので、“この中に入れていただけるのは本当にありがたいな”という感じでした。でもその一方で、“このキャスティングはちょっと狂ってる…”とも思いましたね(笑)。今どきこのメンバーはない(揃えられない)だろうと。いったい、キャスティング料はいくらなんだって(笑)。そうした驚きというか衝撃が、最初にありました。でもその後、魔族側や人間側の役として若い役者さんたちが参加されているのを知って、もしかして韋駄天たちは魔族よりも強いことを印象づける必要があるから、このメンバーなのかなと思いましたね。だから、年嵩な方たちがキャスティングされたのかなって。
岡村:年嵩…素敵な表現です!(笑) 私は韋駄天チームのキャスト名を見た時、自分のことは横に置いておいて、“わっ、4番バッターばっかり!”と思いました。しかも、それぞれのキャラの声がすぐに思い浮かぶキャスティングで、みんなはまっているなと。だからこそ、“なぜリンちゃんは私なんだろう?”と不思議に思ったんです。“800年生きてる役だから合ってると思われてるのかなぁ…”とか、“もしや幼児体型系…?”って、1人で考えてました(笑)。