岡村明美と石田彰の“最強師弟”が大活躍!「けちょんけちょんにやられた魔族がどんな巻き返しを図ってくるのか楽しみ」『平穏世代の韋駄天達』

特集・インタビュー
2021年09月09日

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー

現在「ヤングアニマル」にて連載中の同名人気コミックをアニメ化した『平穏世代の韋駄天達』。人間たちをやや置いてけぼりにしつつ、韋駄天と呼ばれる神々と魔族たちの戦いを描いたこの作品も、いよいよクライマックス。そこで今回は韋駄天チーム“最強の師弟”であるリン役の岡村明美さんとプロンテア役の石田彰さんにご登場いただき、これまでの展開を振り返りつつ、ラストに向けての見どころをたっぷりと語ってもらいました。

 

◆第一話からインパクトのある展開や描写に驚きっぱなしです。お2人が最初にこの作品に触れた時はどのような印象を受けましたか?

石田:かなり倫理的に責められそうな番組だなと思いました。でも、それが深夜枠で放送するアニメのアドバンテージなのかなとも思いましたね。もちろん、そればかりを目指してしまうのも、またちょっと違うんですが(笑)。

岡村:最初にタイトルを見た時、私はマラソンの話だと思ったんです。

石田:あ〜、確かにね。

岡村:それにタイトルロゴに足の絵もありましたし。それで、“絶対に走るやつだ!” “陸上関係の話だ”と思って蓋をあけてみたら、エロいしグロいしで、びっくりしちゃって。攻めてるなぁって思いました(笑)。

石田:でもこうした、多少毒を孕んでる作品のほうがエンタメとして面白いとは思うよね。

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

◆物語の設定は、神である韋駄天たちが魔族と戦うというものです。

石田:半分冗談のようなお話ですよね。余談ですが、第一話で韋駄天たちが氷河の中に閉じ込められた魔族の生き残りの姿と出くわした場面では、『デビルマン』を思い出しました。

岡村:(深く頷いて)思いました! 思いました!

石田:話は全然違うんだけどね(笑)。質問に戻すと、こうした神々と魔族の抗争というのは、王道の設定だと思うんです。でも、この作品において人間界はほぼ置いてけぼり状態で。その点では、神様、人間、魔族の三つ巴の描き方って、いろいろあるんだなと感じましたね。

岡村:私は、今の『デビルマン』の話題にちょっと引っ張られちゃうんですけど、脳を改造するシーンがショッカーみたいで(笑)。“え、改造するの?” “改造人間になっちゃうの?”と思って台本を読んでいました。オマージュではないんでしょうけど、そうした懐かしさが少しありつつ、展開の斬新さに面白さを感じています。

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

◆お2人の役は韋駄天の師弟関係にあたります。お互いから見たそれぞれの役の魅力は?

石田:プロンテアから見た師匠のリンは、恐怖でしかないですよ。その感情がほぼ9割。ただ、プロンテアに恐怖を与えるほどリンが厳しいのは、ちゃんと理由があるからで。リンは先代の韋駄天たちからの“いつか訪れる魔族の復活に備えておけ”という言葉を守っている。…まぁ、そんな経緯を知らないプロンテアにしてみれば、大迷惑な話なんですけど(苦笑)、ただ視聴者は、そうした事情を知った上で、リンが仲間たちに過剰に過酷な訓練を強いているのが分かってますからね。ただの鬼コーチではなく、そうならざるをえなかったというのがあるから、みんなリンのことを応援したくなる。

岡村:ちょっと泣けるなぁ。ありがとうございます!

石田:ただ、何度も言いますが、プロンテアにとってのリンは、本当に怖いだけの存在です。

岡村:(笑)。そもそもプロンテアは、リンちゃんによって見つけ出されたわけですが、その時のリンちゃんは本当にうれしかっただろうなと思います。かつておじいさまたちが自分を犠牲にしながら魔族を封印し、そのことで彼女はたった1人になってしまった。そこから50年間ずっと落ち込んで、やっと立ち直ったと思ったら、今度は自分を鍛えるために300年間修行し、そしてようやくプロンテアという新しい韋駄天に出会えたんです。きっとその間は黙々と修行し、本当に久しぶりに他人と会話をしたんだろうし、そうしたいろんなことを考えると、プロンテアのことを“初めての子はかわいい”くらいの想いがあったと思います。

石田:プロンテアにとっても、最初はほかに知り合いもいなかっただろうし、修行が始まるまではリンのことをすごく頼りにしている保護者だと思っていた時期はあるでしょうね。ものすごく短い間だったでしょうけど(笑)。

◆韋駄天側のキャストにはお2人以外にもハヤト役の朴璐美さん、イースリイ役の緒方恵美さん、ポーラ役の堀江由衣さんなど豪華な声優陣です。共演者の名前を見た時はどのような印象でしたか?

石田:最初は韋駄天たちのキャストしか知らされていなかったので、“この中に入れていただけるのは本当にありがたいな”という感じでした。でもその一方で、“このキャスティングはちょっと狂ってる…”とも思いましたね(笑)。今どきこのメンバーはない(揃えられない)だろうと。いったい、キャスティング料はいくらなんだって(笑)。そうした驚きというか衝撃が、最初にありました。でもその後、魔族側や人間側の役として若い役者さんたちが参加されているのを知って、もしかして韋駄天たちは魔族よりも強いことを印象づける必要があるから、このメンバーなのかなと思いましたね。だから、年嵩な方たちがキャスティングされたのかなって。

岡村:年嵩…素敵な表現です!(笑) 私は韋駄天チームのキャスト名を見た時、自分のことは横に置いておいて、“わっ、4番バッターばっかり!”と思いました。しかも、それぞれのキャラの声がすぐに思い浮かぶキャスティングで、みんなはまっているなと。だからこそ、“なぜリンちゃんは私なんだろう?”と不思議に思ったんです。“800年生きてる役だから合ってると思われてるのかなぁ…”とか、“もしや幼児体型系…?”って、1人で考えてました(笑)。

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

◆キャスト同士の掛け合いも見どころですが、今回の収録はどのようにされていったのですか?

石田:今は全員揃って収録ということができませんので、話数ごとに掛け合いの多い役者だけが一緒にブースに入る感じでした。僕はイースリイと一緒が多かったですね。緒方さんが演じるイースリイは本当に安心して聞いていられるので、すごくやりやすかったです。ほかの皆さんも気心知れた方が多いので、あまり構えずに演じることができました。

岡村:リンとプロンテアは第七話で一緒になりましたよね。2人が久々に再会する場面で『プロンテア、久しぶりだのう』というせりふがあったんですが、私にとっても石田さんとの共演が久々でしたので、あまりのうれしさに「石田さん、お久しぶりです!!!」みたいなテンションで演じてしまって(笑)。声に喜びと明るさが乗リ過ぎてしまったので、“いかん、いかん”と思って、本番では威厳を加えました(笑)。

◆リンは主人公・ハヤトとの絡みが多いですよね。特に修行のシーンはいつも壮絶です。

岡村:(ハヤト役の)朴ちゃんはねぇ…ホントにびっくりしますよ。せりふに“くそ”が増し増しです(笑)。アドリブで、どんどん「クソババア」のせりふをぶっ込んできますから(笑)。それで私、調べてみたんです。リンちゃんはハヤトから何を言われた時にキレるのかを。そしたら「幼児体型」と言われるのがイヤみたいでした(笑)。「クソババア」は案外許しているんです。でも、私は私で、“そんなの台本に書かれてないのに!”と思ったりして(笑)。朴ちゃんは楽しんでるみたいですけどね。「堂々と“クソババア”っていう汚い言葉が言える!」って喜んでましたから(笑)。私としては、朴ちゃんが楽しそうならそれでじゅうぶんです。

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

◆では、魔族側のキャスティングで気になる方は?

石田:印象的だったのは、宮本(充)さんが演じていらっしゃるタケシタですね。われがわれがというキャラクターばかりが出てくる作品の中で、タケシタの引いた芝居がすごく目立っていて。さすが宮本さん、って思いました。

岡村:私が気になっていたのは、バコードさんですね。台本で役名を見た時はずっとバーコードだと思っていて(笑)。しかも、完成した映像を拝見したら、龍田(直樹)さんが本当に素晴らしくって! 聞いた瞬間、“すてきーっ!”と思いましたし、登場される時はいつも気にしてます。

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

◆ちなみに、お2人は韋駄天・魔族・人間の世界ならどの住人になりたいですか?

石田:そうですね…仮に韋駄天という存在を知らず、魔族と人間の二択であれば、人間だと思います。でも韋駄天を含めてということであれば、やはり韋駄天ですよね(笑)。超人的な力を持っていることを考えると、一般的な人間より面白そうですし。一方の魔族は、(生まれた魔族と人間を融合させる)ウメヨの力を借りなければ知能の低い怪物でしかないので、それになるのは嫌ですよね。

岡村:私は若くてかわいい韋駄天として引き出されたいです。リンちゃんもすごくかわいいんですけど、800年以上生きてるということで、言葉の語尾に「〜じゃ」とか、「〜だのう」が付いちゃうので(笑)。それに、いつもハヤトからクソババアって言われますし。だから、若くてかわいい韋駄天を希望します(笑)。ただ、韋駄天たちはものを食べる喜びがないのがちょっとかわいそうだなって思いますけど。それに死なないことが良いことなのかっていうのも、それもそれでどうなんだろうって考えちゃいますね。

◆お2人にとって前半で印象的だったシーンを教えてください。

石田:前半は、韋駄天側が魔族よりも圧倒的に有利に立っているところがポイントになっていました。中でも印象的だったのは、プロンテアとハヤトたちによる魔族を封印していた島での戦いと、イースリイが研究所でピサラと一騎打ちするエピソード。プロンテアの「相手も決まったし、戦うか!」というせりふが象徴的だったように、プロンテアとハヤト、ポーラの組については視聴者も“きっと勝つだろう”と心配はしていなかったと思うんです。ただ、“イースリイは本当に知略で勝てるのか?”という展開の読めない面白さがあり、その意味でも三者三様の戦い方を楽しんでもらえたんじゃないかと思います。

岡村:前半のリンちゃんで印象的だったのは、プロンテアを鍛えあげ、1人になってから600年かかってやっと笑うことができたシーンですね。私の中では、“リンさぁ〜ん、本当に大変だったんだね! 頑張って強くなったね! やっと笑えたね!”って、心で号泣してました。彼女は神のはずなのに、すごく人間っぽくて。今は飄々としてますけど、おじいさまがいなくなった時はすごく泣いていましたし、そこにいたるまでのことを知っていると切なくなりますね。

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

◆最後に、物語はこれからクライマックスに向かっていきますが、後半の見どころをお願いします。

石田:これからの見どころは…やはり魔族たちの巻き返しですね。けちょんけちょんにやられ、組織も散り散りになった彼らがこの先、どんな対抗策を捻り出してくるのか、楽しみにしていてください。

岡村:戦いはどうなっていくんでしょうね。でもきっと、これからは頭の良い人たちがいろいろと読み合っていくことと思います。一方のリンちゃんをはじめとする脳筋チームは、戦ってなんぼなので分かりやすいです(笑)。難しいことは頭の良い人たちに任せて、自分は目の前に敵が現れたら、片っ端から“もう皆殺しじゃあ〜!”って、ばったばったとやっつけていくのみ! そんな勢いです!(笑)

PROFILE

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー

岡村明美
●おかむら・あけみ…3月12日生まれ。東京都出身。代表作に『ONE PIECE』ナミ役、『風まかせ月影蘭』猫鉄拳のミャオ役、『ふたりはプリキュア Splash Star』フープ/霧生薫〈2代目〉役、『海月姫』まやや役、『ガイコツ書店員 本田さん』アーマー役など。

 

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー

石田彰
●いしだ・あきら…11月2日生まれ。愛知県出身。代表作に『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』渚カヲル役、『昭和元禄落語心中』八代目 有楽亭八雲/菊比古役、『銀魂』シリーズ・桂小太郎役、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』猗窩座役など。

番組情報

岡村明美&石田彰『平穏世代の韋駄天達』インタビュー
©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

「平穏世代の韋駄天達」
フジテレビ「ノイタミナ」ほかにて、毎週木曜 深0・55〜

(STAFF&CAST)
原作:天原・クール教信者「平穏世代の韋駄天達」(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督:城所聖明
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:大津直
出演:朴璐美、緒方恵美、堀江由衣、岡村明美、石田彰、伊藤静、瀬戸麻沙美、上坂すみれ ほか

(STORY)
韋駄天と呼ばれる神々が魔族を封印してから800年が経った。人間たちの間では、かつての戦いはもはや昔話とされ、少数の韋駄天たちも戦い知らずの時間を過ごしていた。しかし、帝国ゾブル軍のオオバミ博士らが魔族を復活させてしまう。事態を知った韋駄天のハヤト、イースリイ、ポーラ、リン、そしてプロンテアは、再び魔族を倒すべく動き出す。

公式サイト:https://idaten-anime.com/

公式Twitter:https://twitter.com/idaten_anime

©天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会

text/倉田モトキ

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