◆コロナ禍の影響を受け、楽曲制作のスタイルに変化はありましたか?
田邊:影響が出始めた昨年の時点では、まず4人で集まること自体ができませんでした。
辻村:昨年リリースしたアルバム「Q.E.D」のうち何曲かは、データでのやりとりをして膨らませて、緊急事態宣言が解除されてからようやく集まって作れたものもあります。
田邊:「囮囚」に関してもスタジオでの作業はほとんどなくて、僕は辻村の家で仮レコーディングをやりました。僕のアイデアを辻村がDTMでいろいろやってくれて、仮歌を歌って…近所迷惑になってしまったのではないかと(汗)。
辻村:やっぱ、声デカいなと思った(笑)。俺、家であの声量出したことないもん!
田邊:俺も久々に人の家であんなに歌ったよ(笑)。今までならスタジオにずっとこもって、僕がたたき台を作って、それをみんなと合わせるって感じだったんですけど、今回はおのおのでやりつつ、柔軟に合わせていったからこそのサウンドの強さになったと思います。どっちも良さがありますよね。こういう今っぽい作り方って正直言うと抵抗があったんですけど、今回僕らにもできるんだなということが分かりました。
辻村:考えすぎるのは良くないなってことはある程度ありますね。データを渡されてフレーズを聴けたほうが、こうやりたいっていう意図が見えたりするし。
高村:対面できない分、読み取れるよね。「なるほど、そういうことをやりたいんだ!」って。
辻村:「じゃあ、2サビはこう来るかな?」っていうのを予想できたりね(笑)。昔はよく深夜練で、何度も何度も同じ曲をやったりしていたんですけど…結果、あんまりよくなかったこともあったんです。次の日に聴いたらあんま印象に残ってなかったり、1か月たてばライブでやらなくなったり。直感的に見えたビジョンを勢いで合致させたほうが良くなることもあるし、それでできた曲のほうがブルエンっぽいとお客さんが言ってくれるんですよね。結果的に、BLUE ENCOUNTの音楽性ややり方は、段々と時代にマッチしてきているんだろうなとは思いました。