◆学生の時、『NHKのど自慢』に出演されたことがあると聞きました。
高校1年生の時に、地元の岡山県で開催されたんです。そこに水樹奈々さんがゲストでいらっしゃると聞き、“こんな機会は人生でめったにない!”と思いまして。もちろん“のど自慢”ですので歌うのですが、当時私は軽音楽部でボーカルをやっていて人前で歌うことも楽しいなと思っていたので、テレビ放送ということなど深いことは考えず、水樹さんを生で見たい一心で応募しました。そしたら、ありがたいことに出演させてもらえることになったんです(笑)。
◆生で見た水樹さんは、いかがでしたか?
ライブ映像や水樹さんが出演された『NHK紅白歌合戦』は見ていたのですが、生で拝見するのは初めてでしたので、“うわー、同じ空間に水樹さんがいらっしゃる!”と思って(笑)。すごく凜とした雰囲気をまとわれていて、とても感動しました。気がついたら涙がツーッと流れていて、周りの人のほうがビックリしていたと思います。
◆その後、無事に声優としてデビューしたわけですが、アーティストデビューしたい気持ちはあったんですか?
そういったことも将来的にチャンスが頂けたらうれしいなとは思っていました。ただ、これまでは、夢だった声優というお仕事をさせていただく中で、オーディションで役を勝ち取って作品に出演することに全力で向き合う、挑戦と反省の繰り返しの毎日でしたね。それでも、お仕事の中でキャラクターソングを歌わせていただく機会があって、そのたびにキャラクターとして歌うことがすごく楽しかったんです。そこで“やっぱり自分は歌うことが好きなんだ”とあらためて感じたりもしていましたし、周りの方たちが「歌ってる姿が似合うね」や「あの曲良かったよ」と伝えてくださるのがすごくうれしかったです。“いつか歌を通して自分を表現できたら、また新しい世界が開けるのかな”という考えも、お仕事していく中で少しずつ大きくなってきて。そんな中でアーティストデビューのお話を頂いたので、とにかくうれしかったのを覚えています。戸惑いは一切なく、すぐに「やらせてください!!」とお返事しました。
◆デビュー曲の「ハピネス」を最初に聴いた時の印象は?
「ハピネス」を聴いた時は、すごく新鮮な感覚でしたね。自分自身の名前で、自分の声で歌うからなのか、岡咲美保という人間にすごく馴染むというか、ものすごくしっくりきたんです。キャラクターとして楽曲に向き合う時は、曲を聞きながら世界観を把握して、分析して、そこに歩み寄る感覚だったんですが、「ハピネス」は私の温度や雰囲気に、曲のほうから歩み寄ってくれている感じがして。初めて聞くメロディーなのに懐かしい感覚があって、スッと自分になじんでくれました。