水田航生のチャレンジ精神「一番は失敗を恐れないこと」 ロック☆オペラ「ザ・パンデモニアム・ロック・ ショー」にバンドのリーダー役で出演

特集・インタビュー
2021年09月18日

水田航生「ザ・パンデモニアム・ロック・ショー」インタビュー

◆そうしたチャレンジができるのも、役者と演出家の信頼関係があってこそですよね。

もちろんです。演出家さんと作品の解釈を巡って話し合いすることがあるのですが、その時はお互いの考えを共有しあった上で、最高の作品やキャラクターを作っていくことを大事にしています。また、本番でいきなり勝手にチャレンジしたりアドリブを入れるようなことは、役者のエゴになってしまうのでやりませんが、演出家さんが“ここは自由に挑戦していいよ”という余白を作ってくれていることがあるんですが、そうした時は思いっきり挑んでやろうって気持ちになりますね。

◆かつてのHIGHLEG JESUS河原雅彦が主宰を務めた劇団)時代の河原さんを知っていると、そうした冒険する役者は大好きなような気がします(笑)。

繊細さがありつつ、豪快さもある。だからこそ、妥協しない厳しさもお持ちでしょうし。また、噂では河原さんの稽古場はすごく怖いと聞いています。なので、こちらとしても喧嘩上等でいきます! …ウソです、怒られたらすぐに謝ります(笑)。もちろん、腑に落ちないことをそのまま受け入れるようなことはしませんが、しっかりと意見交換しあえる、いい関係を築いていければいいですね。…と言いながら、怒られて稽古場の隅でギターを抱えながら丸くなってしゅんとしている水田がいるかもしれませんが(笑)。

◆昨年は多くの舞台が中止・延期になりました。水田さんが予定していたミュージカル「四月は君の嘘」も延期になりましたが、そうした時期に舞台とどのように向き合っていらっしゃいましたか?

自宅にいながら、いろいろ考えてしまいましたね。でも、あらためて舞台が好きだなって思えたんです。頭を何時間も、何日も、ぐるぐるぐるぐると巡らせて、最終的な答えが「やっぱり大好き」だったことは、すごく良かったなと思います。自分がこれまでやってきた作品の台本を実家から送ってもらって、読み返したんですよ。そうしたら、すごく面白くて。自分が書き込んだダメ出しとか、当時芝居で悩んでいたことに対する自分の言葉もあったりして。そのころのことを思い出しても、“やっぱり自分は楽しんでいたんだなぁ”と思えました。振り返ると、つらくてご飯が喉を通らないこともありましたけど、“俺って根底では、それを楽しんでいたドMだったんだなとか(笑)、そうやっていろんなことを思い出しながら、最後には自分に対して、芝居をずっと好きで続けてくれてありがとうという感謝の気持ちでいっぱいでしたね。

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