山崎まさよしインタビュー「アルバムを通して聴くから分かるような、仕掛けに気づいてほくそ笑んでももらえたらなと」

特集・インタビュー
2021年09月22日

◆全体の完成形を見据えてというよりは、一曲一曲作っていって、今の形になったのでしょうか。

曲出しをしていって、スタッフを交えて収録する曲を決めていきました。当初は、9曲ぐらいでもいいんじゃないかと言っていたのですが、いろいろ欲が出てきて、10曲になりましたね。

◆25周年という、アニバーサリー感は意識されましたか?

どちらかと言うと2年前に出したアルバム「Quarter Note」のほうが、僕にとってのアニバーサリー感はありましたね。アニバーサリーツアーも行いましたが、途中でできなくなってしまって、今作の制作にシフトチェンジをした部分もあったので。

◆むしろ、今の状況下だからこそ、といった意味合いのほうが強い。

そこはもう、避けては通れないテーマです。ミュージシャンがというより、自分自身がどういうアプローチをするのかというのは、曲作りに着手してみないと分からないんですよね。僕は昔から「こうだよ、ああだよ」という歌は歌いたくなくて。曲作りが進んでいく中で「これが今の僕が感じたことや思ったことなんだなぁ」と知ることが多いです。今回は何となく雨にまつわる内容が多い気がしていて。“晴れる”とか“太陽”といったワードを用いて明るくいきたいところだけれど、なかなかそうもいかないことが多いですしね。

◆人と会うことが制限される今「温かい手」で“ひとりぼっちじゃない”と歌っているのが、とても染みます。

「温かい手」は、中外製薬さんとのタイアップで、アニメーションの絵コンテを参考にして書いたんです。リモートでも自分ができることは何かとあらためて考え直して作った曲でもあります。こんな状況下ですが、僕自身がやっていることは、昔からそれほど変わっていなくて。曲を作って、アルバム作って、ライブをやって、っていう一定の流れがあるんですよね。長くやっていると、よくターニングポイントは!? と聞かれたりもしますが、自分でもよく分からないんです(笑)。

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