前田敦子インタビュー「自分に勢いをつけてくれた思い出の作品」Huluオリジナル『死神さん』

特集・インタビュー
2021年09月23日

前田敦子インタビュー

“死神”と呼ばれる再捜査専門のクセモノ刑事が、事件ごとに相棒を替えながら冤罪事件を再捜査し、徹底的かつ真摯に真実を明らかにしていくHuluオリジナル『死神さん』。田中圭さん演じる主人公・儀藤堅忍の“連絡係”となる警視庁広報課・南川メイを演じる前田敦子さんに、堤幸彦監督の独特な現場などについて聞きました。

◆メイのキャラクターは、どのようなイメージで作られましたか?

メイは、過去などの背景や心情が描かれない、とても客観的な役なんです。なので、できるだけ高いテンションで、楽しく演じたいと思いました。また、見方によってはとても暗くなってしまう話だと思うのですが、そんな中で箸休め的な存在になれたらという気持ちもありました。演じていくうちにメイに愛着を感じ始めて、続編が作られたらいいなという気持ちにもなりました。

◆映画「イニシエーション・ラブ」に続いて、堤幸彦監督の現場はいかがでしたか?

テンポや勢いをとても大切にされていて、監督は朝から晩までスピーディーに撮りながら、その場で編集されていました。それで「こんな感じでやってください。はい、どうぞ!」といったムチャぶりに近い演出も多くて(笑)。そんな監督のペースに追いつくために、アワアワしていたことを覚えています。全体的に「自由にやってください」という演出ではなく、カメラ目線で延々話すなど、監督が既に頭の中で作り上げている世界観を再現していくような感じでした。

◆ダークヒーローな主人公・死神さん=儀藤を演じる田中圭さんとの共演はいかがでしたか?

田中さんとは三度目の共演になります。最初は『世にも奇妙な物語(地縛者)』で、2度目は『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』なのですが、ここまでガッツリ共演させていただいたのは今回が初めてです。儀藤のキャラクターは田中さんと監督によって細かいところまで作り上げられていて。私が現場に入った時には、猫背な姿勢やしゃべり方、決めぜりふの「逃げ得は許しません」を言う時の人差し指のポーズなども決まっていましたから。でも、毎回そこに至るまでの真相を語るせりふ量が膨大で、田中さんはとても大変そうでした。

◆ちなみに、休憩中には、どのようなお話をされましたか?

田中さんはオンとオフがしっかりある方で。本番中はすごく不気味な死神さんなのに、カットがかかると「昨日の晩御飯、何食べた?」とか話しかけてくださって。そのギャップが面白かったです。休憩中といえば、監督にホモ・サピエンスの話を教えていただいたことを覚えています。あとは、第3話のゲストのEXITのりんたろー。さん! 真剣にお芝居と向き合われている一方で、休憩中には美容の話をされていて。「小顔になりたい」と言われていたので、おススメの整体院をお教えしました。実際に行かれたかどうかは分かりませんが…(笑)。

◆前田さんから見た死神さん=儀藤の魅力は何だと思いますか?

例えば奥さんについてなど、ちょいちょいうそをついていても性格が悪く見えないというか。おちゃめでかわいらしいところですね。きっと本当は単にマニアックな人で、いい人なのではと思います。続編でもぜひお会いしたいです(笑)。

前田敦子インタビュー

◆そんな『死神さん』の見どころを教えてください。

とにかく今までに見たことがないような田中圭さんが見られると思います。毎回、儀藤が犯人を追い詰めるところがカッコいいので、そこにも注目していただきたいです。あとは堤監督ならではの効果音が入ったギャグもたくさんあるので、あまり意気込まずに監督の独特の世界観に入り込んでいただけたらうれしいです。

◆プライベートなお話になりますが、最近は大好きな映画を映画館で見る機会はありますか?

今はコロナ禍でなかなか映画館に行くことも難しい状況で。配信で見ることが中心になってしまいました。でも、この前「イン・ザ・ハイツ」を見たのですが、とてもよかったです。2歳の子供はディズニーアニメと「パウ・パトロール」にすごくハマっているので、一緒に楽しんでいますね。とにかく映像を見るのが大好きみたいなので、これからどのような作品を好きになっていくのかが気になっています。

◆また、ご自身は今年からフリーランスとして活動されていますが、いかがですか?

30歳になる直前でフリーになりました。デビューして16年目になるんですけど、社会人としても、打ち合わせなどで対等にお話させていただけるようになりました。スケジュール調整も含めて全ては自分次第という大変さもありますが、これまで見えなかった世界も見えるようになりました。この『死神さん』はフリーになってすぐの今年1~2月の撮影だったので、自分に勢いをつけてくれた思い出の作品になったと思います。

前田敦子インタビュー

PROFILE

●まえだ・あつこ…1991年7月10日生まれ。千葉県出身。A型。最近の出演作にドラマ『麺と千尋の並行世界』、映画「くれなずめ」、舞台「フェイクスピア」など。現在、『ビッ友×戦士 キラメキパワーズ!』(テレビ東京)のナレーションも担当中。

番組情報

Huluオリジナル『死神さん』

Huluオリジナル『死神さん』
Huluで毎週金曜、1エピソードずつ配信中(全6話)各話約50分

<STAFF&CAST>
原作:大倉崇裕
脚本:渡辺雄介
演出:堤幸彦、藤原知之、稲留武
主題歌:宮本浩次「浮世小路のblues」
出演:田中圭、前田敦子
ゲスト:小手伸也、蓮佛美沙子、りんたろー。、長谷川京子、竹中直人 ほか

<STORY>
被疑者の無罪が確定した冤罪事件の再捜査を専門にする警視庁の警部補・儀藤堅忍(田中圭)。彼の仕事は、逃げた真犯人と事件の真相をあぶり出すと同時に、警察組織の失態も暴き出すことだった。儀藤は、連絡係としてさまざまな手配を請け負う警察官・南川メイ(前田敦子)の協力の下、毎回異なる“気の合わない相棒”を連れ回しながら冤罪事件の真犯人と真相を解明していく。そんな儀藤にやがて、警察を挑発し続ける謎の架空テロ犯・エンジェル伊藤の魔の手が忍び寄り…。

番組公式サイト:https://www.hulu.jp/static/shinigamisan/
番組公式Twitter:@shinigami_Hulu(https://twitter.com/shinigami_Hulu
番組公式Instagram:@shinigami_hulu(https://www.instagram.com/shinigami_hulu/

©HJホールディングス

この記事の写真

●photo/関根和弘 text/くれい響

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