10月1日(金)に全国公開された、自動車レースのラリーをモチーフに、家族、夢、恋愛など多彩なテーマを盛り込んだ映画「僕と彼女とラリーと」で、シングルマザーの上地美帆を演じている深川麻衣さん。自身とかけ離れた難役への挑戦過程や撮影エピソード、さらには出身地・静岡への深い“地元愛”を語ってくれました。
◆映画の撮影に入る前は、どのような準備をされたんですか?
それまで私はラリーというものにあまりなじみがなかったので、まずラリーについて調べました。撮影前に名古屋で試乗もさせてもらったんです。実際に大会に出場しているプロのドライバーさんの助手席に乗って、ラリー車の速さを体感したんですが、ホントにこれまでの人生で経験したことのない速さで! 150キロぐらいのスピードですごくGもかかって、「キャー!!」って叫ぶことしかできませんでした(笑)。
◆ジェットコースターに乗っているような感じ?
似ていますが高低差がない分、感じ方は少し違いました。私、ジェットコースターが苦手なので…。速い分には大丈夫なんですけど、そこに高さが加わるともうダメで(笑)。
◆ご自身で車の運転はされるんですか?
免許は持っているんですが、自分の車を持っているわけではないですし、特に東京で運転する機会はないですね。今作の撮影で運転するシーンは牽引してもらっていたんですが、車がマニュアルだったんですよね…。私の免許はオートマチック限定なので、シフトレバーの操作をはじめ、何から何まで初めてで。いろいろと教えていただきながら撮影しました。
◆深川さんが演じられている美帆は、シングルマザーという役柄です。
もちろん私は実際に子供を産んだことはないですが、美帆の子供である敢太と接する機会が多いので、どういうふうにコミュニケーションを取ろうか、想像しながら撮影に臨みました。
◆撮影を通して、子供を持つお母さんの気持ちが分かったりしました?
敢太役のいっちゃん(佐藤一和)はホントに子供らしい男の子。常ににぎやかで、ずっと“現場の天使”として場を明るくしてくれていました。でも、眠くなると突然ストンと寝ちゃったり(笑)。現場には、お母さんも一緒に来られていたんですが、“お母さんって、すごいなぁ”と思いながら見ていましたね。
◆接する時間が多かった分、撮影が終わって別れる時はさびしかったのでは?
さびしかったですね〜。でも、もしいっちゃんがお芝居を続けていたら、またどこかで会える可能性もあるので、その日を楽しみにしています!
◆その時は、彼もすごく成長しているかも…。
そうなったら、第二の母親として感動しちゃうかもしれないですね(笑)。
◆将来、ご自身はどんな母親になりたいと思いますか?
ちゃんと子供のやりたいことを応援できる母親ではありたいと思います。それは私が、自分の母にしてもらったことでもあるんです。上京する時も母がすごく背中を押してくれて、その後もずっと応援してくれているので。理想の母親像を考えると、自然と母の姿を思い浮かべちゃいます。
◆シングルマザーの美帆を、深川さんはどんな女性だと捉えていますか?
美帆は、学校を卒業して、就職して、結婚して、子供を産んで、離婚して今はひとりで敢太を育てている。多分、今までの人生で苦しかったことや傷ついたこともたくさんあったと思うんですが、あまりそれを表に出さず、常に明るく振る舞っているんですよね。そして自分の事だけでなく、自然と周りのサポートもできる。そういうところは、脚本を読んですごく芯の強い女性だなと感じました。なので、基本はどんなシーンでも明るくいようと心がけていました。
◆ご自身で美帆と近い部分、あるいは違うなと思う部分はありますか?
美帆は車に乗るとすごくスピードを出しますし、ハンドルさばきもすごいんです。私はあくまで安全運転なので、そこは全く違いますね(笑)。共通点は、地元が大好きなところ。今はなかなか実家に帰ることができませんが、帰省して地元の空気を吸ったり、家族や地元の友達に会ったりすると、素の自分に戻れるというか、ホントにリラックスできるんですよね。地元の魅力をいろいろな人に知ってほしいですし、そうした“地元愛”の強さは、美帆と似ているかなと思います。
◆共演した森崎ウィンさんの印象は?
今回、役柄的にも森崎さんとはしっかりコミュニケーションを取りたいなと思っていました。とはいえ、お会いするのが初めてだったので“どういう方かな?”と想像しながら撮影に臨んだのですが、とても気さくな方で。明るくて、現場も盛り上げてくださいますし、思っていたよりもスッと仲良くなれた気がします。撮影中も、シーンごとに「ここはどうしていこうか?」と相談しながらできたので、すごく良かったなと思います。
◆撮影の合間はどのような話をしていたんですか?
森崎さんは私と同い年で、グループから個人になったところも共通していて。それは水野一秀役の田中俊介さんもそうなんですが、ホントに今回は同年代の人が多かったので、「自分たちの世代で頑張っていこう!」みたいな話をしたり(笑)。あと、森崎さんにはミャンマー語を教えてもらったりもしました。
◆しゃべれるようになりました?
とりあえず自己紹介の仕方を教えてもらったんですが…忘れてしまったので、次に会う機会があったら、あらためて教えてもらおうと思います(笑)。
◆息子役の佐藤一和くんとは?
お絵かきをしたり、『鬼滅の刃』トークで盛り上がったり(笑)。いっちゃんが『鬼滅の刃』のクイズを出してくれたんです。そんな感じで、現場はずっと和やかでしたね。
◆あらためて今回の撮影を振り返ると、どんなことが印象に残っていますか?
今回は豊田市と恵那市の方々に全面協力していただいて、約1か月間撮影しました。遠方でこれだけ長期間の撮影というのはなかなかなくて。その分、みんなとの絆も深まりましたし、自然が豊かで空気はおいしいし、地元の方たちも温かいしで、ホントにリラックスした状態で撮影できて良かったなと思います。あと、私の地元の静岡県磐田市からそう遠くない場所なので、セリフの中に出てくるちょっとした方言も似ているところがあったりして。しゃべっていて、地元にいるような感覚になってましたね(笑)。
◆深川さんは、映画撮影の時に必ずするルーティーンなどはあるんですか?
撮影前にみんなで行くお祓いとは別に、ひとりで近所の神社にお参りに行きます。あと、今回のように遠方での撮影の時は、絶対に自分のパジャマを持っていくんです(笑)。ホテルにあるパジャマだと、寝ている間に裾がめくれ上がったりして落ち着かないので、自分のパジャマを持っていくというのは、遠征の時のこだわりですね。今回の撮影は空気が乾燥している時季だったので、風邪をひかないように小さめの加湿器も持っていったりして、ホテルだけど自宅のように快適なお部屋作りを心がけました(笑)。
◆さっき“地元愛”の話がありましたが、深川さんは地元に戻りたいと思うことはありますか?
今は“東京で頑張ろう!”と思っているので、仕事から離れるという意味で地元に戻りたいとは、今のところ思っていません。でも、地元はホントに居心地が良くて、自分にとっては唯一無二の場所なんです。ちょっと疲れたなぁという時とか、家族に会いたい時には頻繁に帰りたくなる場所ではあるので、いろいろと落ち着いたら、また帰る時間が作れたらいいなと思っています。
◆そんな磐田市のいいところを挙げるなら?
お茶がすごくおいしい! お茶どころなので茶畑もたくさんありますし、自分も幼いころからずっと急須で淹れるお茶で育ってきているので、そこは外せないですね。それと海が近いので、海の幸もおいしいんです。カツオとか、シラスとか。あと、メロンもすごくおいしいんですよ!
◆ちなみに、子供のころに好きだったテレビ番組はありますか?
アニメだと、『美少女戦士セーラームーン』と『ONE PIECE』はよく見てました。『さわやか3組』とか『六番目の小夜子』とかも懐かしい! そのぐらいの時期に見ていたテレビ番組は、音楽を聴いたりすると当時の感覚がよみがえってきて、キュンとします(笑)。
◆中学生ぐらいの時は?
『天才てれびくん』とか、ドラマだと『ランチの女王』が大好きでした。あと、毎日夕方にやっていた『ちびまる子ちゃん』。舞台が静岡県の清水ということで、すごく身近な存在でしたね。
◆深川さんも子供のころは、まる子のような日々を送っていた?
どうなんでしょう?(笑) でも、友達と木に登ったり外で遊ぶのが大好きな、意外とわんぱくな子供でした。
◆最後に、あらためて映画「僕と彼女とラリーと」の見どころを教えてください。
これまでラリーなどのモータースポーツというのは、漠然と男性が楽しむものというイメージがあったんですが、今回の撮影を通して、ラリーを楽しむのに年齢・性別は全く関係ないことや、夢中になる方の気持ちが少し分かった気がします。また、この作品はヒューマンドラマの要素も大きいですし、年齢や性別に関係なくいろいろな方に楽しんでいただける映画になっていると思います。“何歳になっても人間は夢に向かって挑戦できる”ということが描かれているので、少しでも見てくださった方の背中を押せるような映画になっていたらうれしいです!
PROFILE
深川麻衣
●ふかがわ・まい…1991年3月29日生まれ。静岡県出身。2012年、乃木坂46の1期生としてデビュー。2016年に乃木坂46を卒業、現在は女優として活躍中。10月からスタートするドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』に出演するほか、映画「今はちょっと、ついてないだけ」が2022年春公開予定。
作品情報
「僕と彼女とラリーと」
全国公開中
(STAFF&CAST)
監督・脚本:塚本連平
出演:森崎ウィン、深川麻衣/佐藤隆太、田中俊介、小林きな子、有福正志、小林涼子、よしこ(ガンバレルーヤ)、竹内力、西村まさ彦 ほか
主題歌:「JOYRIDE」加藤ミリヤ
配給:イオンエンターテイメント / スターキャット
(STORY)
大学進学を機に上京し、役者を目指していた北村大河(森崎ウィン)はある日突然、大河の地元で暮らす幼馴染の上地美帆(深川麻衣)から、大河の父(西村まさ彦)が急死したことを知らされる。父はラリーで数々の栄誉に輝いたメカニックで、今は「北村ワークス」を営んでいた。優秀なメカニックの父なしに経営存続は難しいと考え、兄(佐藤隆太)が「北村ワークス」を畳もうとするが、遺品整理をする中で父の過去に触れ、父の残した本当の思いに気づいた大河は、自分自身と仲間たちの再起をかけてラリーにチャレンジすることを決意する。
公式サイト:https://bokukano-rally.com
公式Twitter:@bokukano_rally
©️2021『僕と彼女とラリーと』製作委員会
photo/関根和弘 text/水上じろう hair&make/白水真佑子 styling/原未來 衣装協力/ete、ADER.bijoux
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<応募方法>
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<応募締切>
2021年10月9日(土)23:59