◆今作はダンスミュージックが多い印象があります。
そうなんです。もともとアーティストデビューの声を掛けてくださったのは、僕のステージングを見たのがキッカケだったそうで。ですので、それを想定して踊れる曲を多く取り入れているところがあります。ジャケット写真も実際に踊っている姿を撮っていただいて。すごく躍動感がありますよね。
◆永塚さん自身は、普段からよくダンスミュージックを聴くほうですか?
好きではありますが、あまり深く掘り下げてはこなかったジャンルでした。だから、ものすごく新鮮で。でも、知れば知るほど“歌って踊るのは大変だな”と痛感しました(笑)。ただ、もちろんこうしたダンスミュージックがアーティスト・永塚拓馬の音楽の全てではないですし、時には踊らず、違った形でパフォーマンスを届ける曲があってもいいなと思っているので、これからたくさんのジャンルに挑戦していきたいですね。
◆ちなみに、ほかにどのような候補曲が?
本当にいろいろなジャンルがありました。それこそ、王道のポップスもありましたし、重厚なバラードもありました。ただ、「dance with me」と2曲目の「Spiral Truth」は最初から僕をイメージした楽曲として選んでくださっていたので、残りの3曲はバランスを考えながら選びましたね。最初に30曲くらいに絞って、さらに15曲に厳選した中から際立っている3曲をセレクトさせてもらったんです。初めてのミニアルバムにも関わらず、こうして自分で楽曲を選ばせてもらえたのは、すごくうれしかったですね。
◆バランスを考慮されたとのことで、各楽曲で世界観も大きく異なり、聴き応えがあります。
ありがとうございます。共通しているのは、どれも“夜”をイメージしていること。ただ、これは本当に偶然だったんです。何度も頭を悩ませて楽曲を選んだ結果、「ネオンズナイト」、「Broken Memories」、「Do This, Do That」と、どれもが夜を感じさせるものになっていました。それに、全てメインディッシュになる楽曲ばかりを選んでいったところもあって。その意味では、1stミニアルバムではありますが、ベスト盤と言ってもいいくらいの内容になったという自信はあります。
◆では、ご自身の中で特にチャレンジだったと感じる楽曲を挙げると?
それぞれに方向性の異なる難しさを感じましたが、今までにない挑戦という意味では、やはり英語詞の「Broken Memories」。英語の先生に習って、ものすごく練習しました(笑)。英語は発声や発音そのものが日本語と大きく違うんです。日本語は全ての言葉をはっきりと発音しますが、英語はアルファベットの組み合わせによっては発声しない音もあって。“シュワサウンド”という、いわゆる曖昧母音と呼ばれるものなのですが、英語には母音が24個もあり、時には歯の振動や喉の奥で鳴らす音もある。そうしたことをイチから学んでいったので、すごく大変でした。