◆本作では、土門竜介を始めとする新クルーもヤマトに乗り込んできます。
土門を見た時は、『2199』でヤマトに乗り込んだばかりの古代を思い出しましたし、若いころの自分にも重ね合わせて、熱い思いが込み上げてきました。同じ使命を帯びて、同じ熱量を持った若い魂を感じて、とても胸が熱くなったんです。また、(土門役の畠中)祐の芝居が熱いんですよ。彼は不器用でまっすぐな男ですし、僕は彼のお芝居がすごく好きなので、彼の芝居を聞くことができて、うれしくなりました。
◆安田賢司監督とは、これまでもいろいろな作品でご一緒されていますね。
はい。安田さんも『ヤマト』のリアルタイム世代ではないそうなので、新しい時代を作っていくクルーだと感じました。それでいて、『ヤマト』が持っている熱量を、すごく見事に具現化して表現してくださっているんです。僕自身は「安田監督って、こんなに熱かったんだ!」と思いましたし、安田監督と新たに旅立てることがうれしかった。僕が古代なら、安田監督は島(大介)のような存在だなとも感じるんです。旅の道標を作ってくださっているようで、すごく頼もしかったですね。
◆作中では前作から3年経っているということで、演技ではどんなことを意識しましたか?
意外と時間は経っていないんですよね。ただ、古代を取り巻く環境はガラッと変わってしまった。『2202』で古代や雪がたどりついた答えは、地球人類が出した答えであり、正しいものだったと思っています。地球の中にはそれをよしと思っていない人ももちろんいるけれど、それを受け止めて古代も精神的にグッと大人になったと感じました。今までだったら、雪と話している時は彼女しか見ていなかったと思うけれど、周りのクルーや若手のこともちゃんと気にかけて、俯瞰で見られるようになっている。実は僕自身もそうで、古代を演じるにつれて周りが見えるようになってきたんです。だから、その経験も踏まえて、今回は古代に経験値を乗せたいなと思って演じました。
◆ヤマトの艦長になって、腹が据わった感じがありました。
『2202』から3年なので、まだ葛藤や迷い、不安はあると思います。でも、それを表に出さなくなった。部下たちにそれを決して見せない覚悟ができたんじゃないかな。そして、それは古代が沖田艦長を見て思っていたことだったのではないかと感じるんです。これは僕の想像ですが、古代はずっと沖田さんに相談し、沖田さんの前で泣いていたと思うんですよ。そんな時期を経て「沖田艦長のようになりたい」「艦長はこうあるべきだ」という覚悟をした。実は、僕自身はあまり彼の「覚悟」について意識していなかったんです。でき上がった映像を見て、迷いがなくなったと感じたので、とても不思議でしたが、きっと古代のセリフを見て、無意識のうちに「覚悟」が声に乗ったんだろうなと思います。