SHE’S・井上竜馬インタビュー「このアルバムから“お守り”みたいな存在になる曲を見つけてもらえたらいいな」

特集・インタビュー
2021年10月09日

SHE’S・井上竜馬インタビュー

2021年、バンド結成10周年、メジャーデビュー5周年のアニバーサリーイヤーに突入したピアノロックバンド・SHE’S。そんな彼らが、10月6日(水)に5th Album「Amulet」をリリースした。”お守り”の意味を持つこのアルバムに込めた思いを始め、10月10日(日)のZepp Yokohama公演を皮切りにスタートする全国ツアー、来年2月に行われる日本武道館公演などについて、Vo&Key.を務める井上竜馬さんにお聞きました。

 

◆まず、5th Album「Amulet」に込めた思いを教えてください。

楽しい時でも悲しい時でも一緒にいて、最強な気分になれる。僕にとっての音楽って、そういう存在なんです。「この気分の時はこの曲」という楽曲がそれぞれあるんですが、それらが日々”お守り”のようになっていて、心の支えになっているというか。なので、このアルバムを聴いてくださる方々にも、1曲でも”お守り”みたいな存在になる曲を見つけてもらえたらいいなと思いながら作りました。

◆ドラマの主題歌やバラエティ番組のテーマソングなど、きっと誰もが一度はどこかで耳にしたことがある楽曲たちが名を連ねています。収録楽曲について、簡単にご紹介いただけますか?

1曲目に収録されている「追い風」は、”転ばないことよりも立ち上がること”にフォーカスを当てて描いた、とても力強い曲です。ダークでホラーなサウンドが特徴的なのが2曲目の「Delete/Enter」。3曲目の「Imperfect」は初めてゴスペル調に作った楽曲なのですが、コーラス隊の方々に参加していただいたりして、とても明るい雰囲気になりました。そして、最後の「Amulet」が、このアルバムにおいて僕らが伝えたいことを詰め込んだ、核になっている楽曲ですね。このアルバムはもちろん1枚を通して聴いていただいても楽しめるのですが、本当にさまざまな表情の楽曲が詰まっているので、その時の自分の気分に合わせてピックアップして聞いていただいても面白いと思います。

SHE’S・井上竜馬インタビュー

◆井上さんがこのアルバムで試みた新しい挑戦というのはありましたか?

「Imperfect」でコーラス隊の皆さんと一緒に歌わせていただいたことですね。ずっとやってみたいなと思いつつやれずにいたので、自分の夢が一つかなってとてもうれしかったです。また、今回は書き下ろし楽曲も多く、作品のことをしっかり考えながらも自分たちらしく消化していくという作業を約1年間やってきたのですが、そういった制作の仕方も自分の中では新たな試みでした。

◆楽曲の制作秘話などがあれば教えてください。

うーん。何かあったかな…。あ!「Delete/Enter」はパソコンのキーボードから着想を得て作り始めた曲です。…ということくらいしかなかったです、すみません(笑)。

◆ありがとうございます!(笑) ちなみに、井上さんにとっての“お守り”は音楽以外にどのようなものがありますか?

いっぱいあるんですけど、やっぱり言葉ですね。僕、大学を1年で中退したりして親にすごく心配をかけてしまっているんですが、大阪でライブをやる時はいつも「ライブ行こかな~」と言って見に来てくれて。ライブの後に東京に帰る時も「頑張りや~」って見送ってくれるんですが、その「頑張りや~」のひと言だけですごく励まされるんですよね。あと、事務所の社長からもらった年賀状に「お前の書いた曲を待ってる人がたくさんいる」ということが書かれていて、それを見てあらためて「頑張ろう」って思えて。音楽はもちろん、そうやって人からいただいた言葉も僕にとっては”お守り”になっています。

SHE’S・井上竜馬インタビュー

◆SHE’Sではソングライティングを全て井上さんが手がけられているとのことですが、どのような時に曲が思い浮かぶのでしょうか? メンバーの皆さんとディスカッションしたりはされますか?

僕が「曲を書きたい」と思う時って、大体すごい作品を見たり、音楽を聴いたり、自分の中で「うわっ」って引っかかるようなものと出会った時なんです。それを書き上げた後は各パートのアレンジをメンバーそれぞれに投げてお願いするんですが、そうすると「こういうのはどうかな?」と返してきてくれるので、それに対して「OK」とか「もうちょっとこうして欲しい」などと伝えて。そのラリーを繰り返していくうちに、楽曲が生まれていっています。

◆そんな井上さんの音楽の始まりは?

小学校1年生から中学3年生までピアノを習っていたのですが、同時に中学1年生からギターを始めて。高校生になってからは軽音楽部に入ったので、ギターやベースをずっと弾いていましたね。

◆そこからどうして今のピアノを弾くスタイルになったのでしょうか。

海外に、ピアノを使ったエモーショナルロックを包括する“ピアノ・エモ”っていうジャンルがあるんですが、高校生の時にその界隈のバンドの曲を聴いてすごく衝撃を受けたんですよね。それで「日本にこういうバンドってあんまりおらんな」と思って、高校3年生の秋くらいから今のメンバーに声をかけ始めた感じです。

SHE’S・井上竜馬インタビュー

◆そのままここまで10年間やってこられたのですね…! 今までSHE’Sをやってきて良かったなと思う瞬間を一つ教えてください。

え、そんなのいっぱいありますよ! 「SHE’Sをやってきて良かった」というのは周年に関係なくいつも感じています。でも、今年に入っていくつか10周年を冠したワンマンライブをやってきたのですが、僕らの地元である大阪の吹田市だったり、思い出のある日比谷野音や大阪城野音っていう場所に、こうして時間を経て、ファンの皆さんの力を借りて帰ることができたのはやはりすごくうれしかったなと。ファンの皆さんが目の前でライブを楽しんでくれている光景を見ると、あらためて「10年間やってきて良かったな」と思えましたね。

SHE’S・井上竜馬インタビュー

◆やはり、有観客ライブではまた配信ライブなどとは違った感情が湧きますか?

それはもう。まず、直接顔を見られるということだけで気分が上がるし、今は状況的に声を出してもらえない分、拍手を頑張ってくれたりしている姿を見ると愛おしさを感じます。配信もすごく便利ではあるのですが、音の圧や広がりを感じてもらえるという面でもやっぱり生のライブに勝るものはないと思っていて。アナログの大切さというか、自分の視線の先に自分と同じ音楽を好きでいてくれる仲間がいるということは、僕にとってはすごく大きなことですね。

◆ライブではどのような感情やメッセージを受け取ってほしいと考えながらパフォーマンスを?

毎回特にこれといったことは考えていないですね。そもそも、凝り固まったメッセージを一つのライブで届ける気はなくて。例えば、とある曲を聞いて笑顔になる人もいれば、なんだか泣けてしまうという人もいると思いますし。音楽ってそういう余白が楽しくないですか? ライブを見て、自由にその時その時でその人の感性で何かを受け取ってもらって、トータルとして「行って良かったな」と思っていただけたらいいなと。

◆確かにそうですね。では、ご自身の思うSHE’Sというバンドの魅力を教えてください。

どこだろう…。でも、クラシックピアノで育った自分とハウスロックで育ったギターの服部(栞汰)というように、それぞれ音楽のルーツが違う4人が集まっているので、”不協和音にはなっていないちょっとした違和感”というのが僕らの個性になっているのかなと思っています。それぞれが違うジャンルの音楽に触れてきたからか、「僕らって似てるな」と思うことがあまりないので、そういうところが魅力なのかもしれません。

◆いよいよ10月10日(日)からは全国ツアーもスタート。さらに来年2月には初の日本武道館公演も決定していますが、意気込みをお願いします。

すごくカッコいいアルバムに仕上がったので、とにかく1曲1曲を鳴らすのが楽しみですね。武道館は特別な場所ではあるけど、それよりも「今までで一番大きな場所で、何の曲をみんなと楽しもうかな?」というワクワク感のほうが大きいです。いい意味で肩に力を入れず、その日までシンプルに自分の歌唱力や演奏力、パフォーマンスをもっともっと向上させていきたいなと思っています。

◆最後に、TV LIFE webをご覧の読者にひと言お願いします!

最近、初めて僕らに出会ったという方には、ぜひこのアルバムを聴いていただきたいです。この秋のツアーと武道館では今までの集大成を見せられたらなと思いつつ、20周年、30周年も目指して頑張っていきたいなと。これまで応援してくださった方々も、ぜひこれからのSHE’Sを見守っていてください!

PROFILE

SHE’S
●しーず…Vo.&Key.井上竜馬、Dr.木村雅人、Gt.服部栞汰、Ba.広瀬臣吾からなる、メンバー全員が大阪出身のピアノロックバンド。2012年の「閃光ライオット」ファイナリストを契機にその高い音楽性が注目を集め、2016年6月にメジャーデビュー。2021年に、バンド結成10周年・メジャーデビュー5周年のアニバーサリーイヤーを迎えた。

井上竜馬
●いのうえ・りょうま…1992年8月3日生まれ。大阪府出身。

リリース情報

5th Album「Amulet」
現在発売中

初回限定盤(CD+DVD+フォトブックレット/スリーブケース仕様):4,950円(税込)

通常盤(CD):3,080円(税込)

 

photo/市川秀明 text/片岡聡恵

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