◆華のどんなところをずっと愛しているんだと思います?
ちなみに、何で考えたことがなかったかと言うと、円城寺は華を無条件に愛しているから。理屈じゃないんです(笑)。幼いころから“君のことをずっと守る”と思ってきて、共に育ってきた。だから“どこに恋をしたか”というよりも、幼い時から一緒に成長して、“この人は僕のお嫁さんになるんだ”って思ってきたんですよね。つまり華を運命の人と思って、ずっと生きてきたから、円城寺を演じる僕も考える必要がなかったんだと思います。
◆そう思うと、円城寺はますます切ないキャラクターですね。
うん、切ないですよ。演じていても、シーズン1はかなり切なかったです(笑)。シーズン2はもう割り切れていたから平気だったんですけど、まだ複雑な気持ちはありますよね。劇場版はもちろん2人を応援していますけど、どこかで華を好きだって気持ちは持ち続けているんだろうなって感じました。
◆歌ったり踊ったり、かなり濃いキャラクターである円城寺。どうやって今のようなキャラクターを作り上げていったんですか?
僕はもともと舞台からこの業界に入ったので、映像のお仕事を始めたころは、「もっとナチュラルにお芝居して」と言われることが多かったんです。それが『ルパンの娘』シーズン1の1話では、もっと大げさにお芝居してと言われて(笑)。自分なりに円城寺というキャラクターを作っていったので、“結構、大げさにやっているつもりなんですけど…”ってなりました(笑)。でもそこで、“もっとやっていいんだ”と気づいて、円城寺になるスイッチみたいなものを見つけることができましたね。
◆現場で見つけていったんですね。
はい。監督と一緒に円城寺のキャラクターを作りながら、映像の中でこんなにも大げさにお芝居させてもらえるんだって思いました。突然、歌い出して踊り出す円城寺という役を演じることによって、新たな気づきがあり、1話でそれを見つけた瞬間に視野が広がったというか。それから監督と一緒に、もっとこういう可能性があるんじゃないかと探りながら、円城寺というキャラクターを作っていけたのかなと思います。特に円城寺の踊りのシーンは僕が振付をしたので、一緒に作れた感があって、すごく楽しかったです。
◆振付はどうやって考えるのですか?
基本的には、まず曲を頂いて、僕が1人で踊るシーンは何となく振付を考えていって、「こういうふうに考えてきたんですけど」って現場で実際にやってみるんです。その上で「それいいね。ここはこうしよう」って話し合いながら作り上げていきます。映画はたくさんの人が絡むことが多かったので、事前に「ここではこうしたいんですけど、どうでしょう」と提案する場面が何度かありました。そうやって時間をかけて作ることができるのはありがたいですし、よりスケール感のあるものができ上がったと思います。