◆予告でも流れていますが、韓国ドラマ『愛の不時着』の有名なシーンをお2人でやっていらっしゃいますよね。撮影中のエピソードがあれば教えてください。
渡部:僕は(『愛の不時着』を)見てなかったんです。ご覧になりました?
小沢:見ました。
渡部:僕は見ていなかったので、真剣にやりました。
◆監督からは「こうしてほしい」みたいなことは言われたりは?
渡部:ここで(小沢さんが)落ちてくるので抱き留めてせりふを言ってください、と台本にきちんと書いてあるので、何の迷いもなく、真剣にやろうと思いました。考え出したらそこで止まりますからね(笑)。だって考えたら、おかしな話でしょ?
小沢:いきなり韓国語で話し出したり(笑)。
渡部:だから細かいことは一切考えないようにしました(笑)。
小沢:現場には結構な人数のエキストラさんがいらっしゃって、その中に私が落ちて抱きかかえられるシーンだったんです。抱きかかえられた途端にエキストラさんから「うわー!」って歓声が上がったんですが、その時、渡部さんが「多分、主役と間違えられてるよ」とおっしゃって(笑)。すごく恥ずかしかった覚えがあります。
◆パラシュートで落ちてきて抱きかかえられるのは大変でしたか?
小沢:そんなに…。
渡部:タネ明かし的なことを言うと、小沢さんのそんなにって言うのは、そんなに大したことしてないってことですからね(笑)。
小沢:いえいえ(笑)。
渡部:僕は、無理はできないから! 瀬戸(康史)くんだったらちゃんと抱きかかえると思うけどね。
◆尊と悦子を演じる楽しさは、どんなところでしょうか。
渡部:三雲家は泥棒一家ですが、泥棒が悪い事だとは全然思ってないんです。一般的な家族だと思っている。ただ仕事が泥棒なだけであって。それ以外は、ほかの一般家庭と同じなんです。
小沢:やっていることはいけないことだけど、自分たちは楽しく生きてるんですよね。
渡部:尊は家族のことも、仕事も愛している。僕もお芝居が大好きだし、家族も大事にしています。それと同じことなんですよね。だから職業を抜けば、「日常」と変わらない。そういう意味では、僕は尊を演じるのは、やりやすくて楽しかったですね。
◆そう考えると、三雲家がやっていることは特殊なことではないんですね。
渡部:尊にしてみればね。泥棒が悪いと思ってたら、やるわけないでしょ(笑)。
小沢:私も悦子を演じるのは楽しかったです。渡部さんがおっしゃっている通り、それをベースにお芝居をしていたので、楽しいテンションにいつも持っていけるんですね。だから悦子を演じるのは常に楽しく思えました。
渡部:もうみんな忘れてるかも知れないんですけど、三雲家は一応、義賊なんですよ(笑)。作っている側も忘れてるんだよね。最初は義賊としてのプライドみたいなものがあった。だけど、どんどんどんどん忘れて、純泥棒みたいになってるんですよ。一応ね、悪いやつらからしか盗まないって「体」でやっています。