◆『トロピカル~ジュ!プリキュア』の放送がスタートして、半年以上が経ちました。
ファイルーズ:長いようで、あっという間の半年でした。最初のころは、まなつの元気さや勢いを表現しようとして肩に力が入りすぎてしまい、声が裏返っていたんです。ただ、演じていくうちにまなつが常に元気いっぱいで明るいのは、リラックスしているからだということに気が付いて。それからは、いい意味で脱力しながら演じるようになり、声も裏返らなくなりました。
日高:アフレコも放送も毎回楽しいからこそ、物語が進んでいくに連れて寂しいという気持ちが強くなっています。それくらい、この作品やキャストが大好きなんです。最初からチームワークがいいと思っていましたが、半年以上一緒に活動してきて、より絆が深まったと感じています。決め技や長いせりふも、あうんの呼吸でそろえられるようになりました。あとは、ファイちゃん(ファイルーズ)との関係がよりフランクになったと思います。心の距離がどんどん近づいていって、まなつとローラのような関係になれた気がします。
ファイルーズ:うれしいです! 私、共演する前から日高さんはプロ意識が高く、自立したすてきな女性だなと思っていたんです。今もその印象に変わりないですが、意外とお茶目な一面もある方だということも分かりました(笑)。あと、『プリキュア』のことを話す時に目がキラキラ輝くんです。それがとってもかわいいんです!
日高:ありがとう! ファイちゃんはもう最初からまなつそのもの。まなつって、自分らしくいることで自然と周りを明るくして、いい方向に導いてくれる。ファイちゃんもまさにそうなんです。ファイちゃんといると、こういう考え方もいいな、カッコいいなと思えてくる。半年間隣に立たせてもらって、まなつはファイちゃんしか演じられないと、より感じています。
ファイルーズ:ありがとうございます! まなつは、同調圧力に屈しないんです。それは自分の好きなものに対して素直だからできることだと思います。私も素直に語ることは、ポジティブなエネルギーを発信することだと思って生きてきました。
日高:周りをちゃんと見て素直な気持ちを発信しているから、「わがまま」にはなっていないんです。それを背中で見せてくれるファイちゃんとまなつのことを、本当に尊敬しています。
◆映画の台本を読んだ時の感想を教えてください。
ファイルーズ:『トロプリ』は“常夏”というイメージがあったので、タイトルに「雪のプリンセス」と入っていたことにまず驚いて。同時に、まなつたちがどうやって雪の国で活躍するのかなというワクワク感も生まれました。実際に台本を読んでみたら、強大な敵に立ち向かっていく今までのプリキュア映画とはちょっとテイストが違うと感じました。けんかして仲良くなる友情物語だと私は捉えています。その過程がすてきで、心が温まりました。
日高:自分と似た境遇のシャロンと出会うことで、ローラが今までにない一面を見せます。シャロンやローラたちの、切ないけど心が温まる物語にグッときました。
ファイルーズ:ローラがセンチメンタルになってしまう場面でも、まなつはいつも通りの接し方をするんです。それは考えなしの行動ではなく、いつも通りでいるのがローラのためになると思ったから。物事を俯瞰して見られるまなつの良さが、映画でも前面に出ていると感じました。
日高:ローラが悩んでいる時、『トロプリ』のメンバーが温かい言葉をかけてくれるんです。一緒に歩んできた仲間の言葉を受けて壁を乗り越えようとするローラの姿を、私も早く劇場で見たいです。あと、プリキュアの先輩方との共演も見どころの一つです。今回は『ハートキャッチプリキュア!』の先輩方とご一緒したのですが、台本を読んでいるだけでワクワクしました。
◆そんな『ハートキャッチプリキュア!』の印象を教えてください。
ファイルーズ:もともと『ハトプリ』が好きで、エンディングの曲をよく踊ったり歌ったりしていたので、共演できて本当にうれしかったです。残念ながらアフレコはご一緒できませんでしたが、『ハトプリ』キャストの皆さんの声を聞きながら収録することはできたんです。皆さんのお声を聞いた時、「あの『ハトプリ』の皆さんがしゃべっている!」とテンションが上がりました(笑)。
日高:分かるよ(笑)。憧れの『ハトプリ』と『トロプリ』のキャラクターが絡むことで起きる化学反応も本作の見どころなので、ぜひ期待していただきたいです!
◆アフレコではどのようなディレクションがありましたか。
日高:最初に自分が思ったままを演じたところ、スタッフさんから「それでいきましょう」と言っていただけました。ここまでローラと一緒に歩んできたから、シナリオを読んだ時の私の感情とローラの感情がシンクロしたのかもしれません。
ファイルーズ:まなつは、いい意味でいつも通りなので、テレビアニメと同じくリラックスした状態で演じました。
◆テレビアニメとは異なる、映画ならではと思う魅力を教えてください。
日高:やっぱり迫力ある大画面と音響の中で作品を見られるのが、映画ならではだと思います。あと、私は映画を見終わった後に感想を言い合うのが好きなんです。一緒に観た人と「あのシーンが良かった」「このシーンが好き」と、ぜひ語り合っていただきたいです。私にもその感想を聞かせてください(笑)。
ファイルーズ:みんなが一つの空間で同じ作品を見るのが、映画ならではだと思います。私は中学生のころに『Yes!プリキュア5』の映画を見に行って、劇中にも登場した「ミラクルライト」を入場者プレゼントとしてもらったんです。それでプリキュアへ光と共にエールを送っていました。応援が届く気がしていたんです。きっと、劇場内にいる多くの方が同じ気持ちだったのではないかと。実際にプリキュアを演じるようになってから、あの応援がちゃんとプリキュアの力になっているということが分かりました。今の情勢ではなかなか声を出しての応援は難しいですが、心の中でプリキュアを応援していただきたいです。
◆今回は入場者プレゼントとして、劇中に登場する「スノーハートクルリング」が中学生以下の方々に配られます。
日高:作品の中に登場するアイテムを実際に身に付けられるって、それだけでテンション上がりますよね。デザインもすごくかわいいんです。子供たちも気に入ってくれるのではないかと。
ファイルーズ:かわいいですよね! これまで“常夏”をイメージしたデザインのアイテムが多かったので、冬モチーフのアクセサリーが登場してうれしいです。私も付けたいなぁ(笑)。
◆お2人が『プリキュア』を通じて学んだことを教えてください。
ファイルーズ:さっきお話したことと矛盾してしまいますが、大人になると素直に好きって言いたくても言えない場合があります。そんな時、まなつだったらどうするかなと考えるようになりました。まなつと同じ行動をすれば、彼女と同じポジティブなエネルギーを周りのみんなにも与えることができるはず。そうすれば、私自身も元気になれると思うんです。まなつからはいつも大切なことを学ばせてもらっています。
日高:ローラは女王になる夢を大切にしつつも、まなつたちと生活していく中で仲間の大切さも学びました。今では「みんなのために」という思いで行動しています。私自身、これまでたくさんの方々に支えられて生きてきました。作品やアフレコを通じて、1人では生きていけないこと、さまざまな人に救われていることを実感し、皆さんへの感謝の気持ちが日に日に強くなっています。『プリキュア』からは一体感が生む力や、支えてくださっている皆さんへの感謝を忘れてはいけないことをあらためて教えてもらいました。今回の映画を通じて、皆さんにもさまざまな思いを受け取ってもらえたらと思っています。
◆最後に読者へメッセージをお願いします。
ファイルーズ:私はローラが『トロプリ』のもう1人の主人公だと思っています。そんなローラがテレビアニメとはまた違った葛藤で悩みます。そんな時、まなつがどう彼女と接するのかに注目してください。周りを自然と明るくするまなつの良さが詰まった映画でもあるので、ローラとシャロンの友情物語と併せて、ぜひお楽しみください。
日高:ローラって、常にまっすぐで一生懸命なんです。だからこそ、困難を乗り越えた時に大きく成長することができるのではないかと。本作で彼女はまた一つ大きな壁にぶち当たります。その壁をどうやって乗り越えるのか。テレビアニメとはまた違ったカッコいい彼女の姿を、劇場で見守ってください。
PROFILE
ファイルーズあい
●ふぁいるーず・あい…7月6日生まれ。東京都出身。O型。主な出演作は『推しが武道館いってくれたら死ぬ』えりぴよ役、『半妖の夜叉姫』竹千代役、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』空条徐倫役など。
日高里菜
●ひだか・りな…6月15日生まれ。千葉県出身。A型。主な出演作は『とある科学の一方通行』ラストオーダー(打ち止め)役、『ソードアート・オンライン』シリカ役、『妖狐×僕SS』白鬼院凜々蝶役など。
作品情報
「映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」
2021年10月23日(土)全国ロードショー
(入場者プレゼント)
スノーハートクルリング(全国30万個・劇場限定)
※中学生以下の方に限ります。
※劇場により数に限りがあります。
(STAFF&CAST)
原作:東堂いづみ
監督:志水淳児
脚本:成田良美
音楽:寺田志保
キャラクターデザイン・総作画監督:上野ケン
声の出演:ファイルーズあい、日高里菜、花守ゆみり、石川由依、瀬戸麻沙美、田中あいみ、水樹奈々、水沢史絵、桑島法子、久川綾、川田妙子、くまいもとこ、菊池こころ ほか
ゲスト声優:松本まりか
(STORY)
ある日、夏海まなつのもとに雪の王国・シャンティアから招待状が届く。新しく女王になるシャロンの戴冠式が開かれると知り、雪の国へ出発したまなつたち。しかし、突然謎の怪物が現れ、王国に閉じ込められてしまう。「ハートキャッチプリキュア!」にピンチを救われながら、プリキュアに変身したまなつたちは、王国から脱出する方法を探す。
公式サイト:https://2021.precure-movie.com
公式Twitter:@precure_movie
©2021 映画トロピカル~ジュ!プリキュア製作委員会
text/M.TOKU