◆進藤がUターン転職することで地元のよさを再発見していく物語で地元愛を感じるお話だなと思いました。お2人の地元の良いところを教えてください。
犬飼:徳島県は、“何もなさ”が良い。物がありすぎると疲れてしまう人もいると思うんですけど、満ち足りすぎてるというか、いろいろ物がありすぎて本当に必要なものが何か分からなくなることってあると思うんです。だけど、地元に帰って何もないところにあらためていると、すごく人間らしさを取り戻せる気がするんです。地元に帰るたびに心の充電になるので、徳島県の“何もなさ”が良いところです。
松村:本当に大阪は良いところしかないんですけど(笑)。特に、私が好きなのは人柄。大阪にいると、すごい声をかけてくださるんです。それは私が芸能人だから声をかけるんじゃなくて、何かちょっと困ってたら誰かがすぐに「どうしたん?」って言ってくれて。この間、私が大阪で体験したのは、「今音楽やってて楽しいから一緒にやりませんか?」ってなぜか声を掛けられました。不思議じゃないですか? もう街全体が親戚なんかな? って思うこの距離感の近さが私はすごく好きです(笑)。
◆この作品に出演したことで農業の見方が変わったり、意識の変化があったりしましたか?
犬飼:スーパーとかで野菜を買う時に、どこ産なのかを見るようになりました。あと、 “〇〇さんが作っています”みたいに生産者さんの写真が載っているのもあるじゃないですか。これまであまり見てなかったんですけど、最近は見るようになりました。適当に野菜を買うだけじゃなくて、「こういう方が作られているんだなぁ」とか「〇〇産なんだなぁ」とかを確認しながら、選択肢をすごく広げて買うようになったと思いますね。
松村:実際に収穫もやらせていただいた時に知ったんですが、野菜に少し傷がついていたり、少し虫に食われていたりするだけで、出荷できないんです。味は変わらないのに、見た目のちょっとしたところが駄目で売り物にできないことがすごく多くて、そんな中でスーパーに並んでいる野菜はすごいなってリスペクトを持ちましたし、B級品と呼ばれる形が変わった野菜や傷がついている野菜にも興味が出ました。今までも抵抗感はなかったんですけど、より積極的に買っていこうかなという気持ちになりました。