宮下かな子インタビュー「いろいろなことを吸収しながら現場を楽しみたい」『最愛』

特集・インタビュー
2021年10月22日

宮下かな子インタビュー

10月15日(金)にスタートしたTBS金曜ドラマ『最愛』で、主人公の女性実業家、真田梨央(吉高由里子)の秘書・児島彩夏を演じている新進女優の宮下かな子さんに独占インタビュー。連続ドラマ初出演となる彼女に、現場のこと、俳優業のこと、そしてプライベートのことなど、いろいろと伺いました。

◆このインタビューのために脚本を1話だけ読ませていただきました。『夜行観覧車』や『リバース』のスタッフチームということで期待値が高かったのですが、放送がさらに楽しみになりました。

読まれたんですね! 面白いとしか思えないですよね! 私は4話まで読んだところです。

◆早く続きを知りたいです。宮下さんが演じる児島彩夏の役どころを教えてください。

吉高由里子さんが演じる真田梨央の秘書役です。1話と2話は、秘書として業務に就いているところしか描かれていなくて、台本を読んだだけでは人物像をつかみきれませんでした。衣装合わせの時に頂いた児島さんのプロフィールに、生い立ちや学歴、趣味や特技などが詳細に書かれていて、イメージが膨らんでいきました。

◆差し支えのない範囲で、裏設定を教えていただけますか?

高校は女子校で、都内の有名私立大学出身です。私立に通えるぐらい裕福な家庭に育っています。秘書検定一級を持っていて、社長が着る服を選ぶために色彩検定も取りました。TOIECは920点。私とはかけ離れたエリートです(笑)。そこまでしっかり設定していただいたことで、しっかり演じなければと気が引き締まりました。

◆どんな準備をしましたか?

まず、秘書の仕事について調べました。児島さんが取得した秘書検定の問題を解いてみたり、秘書さんが出てくるドラマを見ました。私は女子大出身なのですが、秘書をしている卒業生がいたので、連絡をとって話を聞かせてもらいました。その人の人柄から“秘書をやる人ってこんな感じなのかな”と自分なりに分析をしたりと、思いつく限りのことをやってみました。演出の塚原(あゆ子)さんからは、「いかにもな秘書キャラではなく、ちゃんと今の時代に生活している人として演じてほしい」と言われました。

宮下かな子インタビュー

◆所作的な特徴はありますか?

秘書検定のテキストを参考にしています。児島さんはずっと社長のそばにいるので、台本に「梨央が部屋に入る」と書いてあったら、“きっと私がドアを開けるんだろうな”ととらえます。そこで“どう開けたら秘書っぽいのだろうか”“車を開けるときはどうするんだろう”と、台本から動きを想像して調べるようにしています。

◆児島さんは社長に対してどういう思いを持っている人ですか?

頂いた設定資料に“インターンで社長をお見かけして、あこがれて入社した”と書いてありました。児島さんから社長への“あこがれ”や“尊敬”は、私の吉高さんへの思いと共通しているものだと思います。

◆クランクインの日の心境は?

心臓がバクバクでした! “こんなに緊張するんだ…!”というぐらい緊張しました。10代の頃に、20代の吉高さんが出演していたドラマをたくさん見ていたので、「吉高さんが目の前にいる!」という感動がありました。ちょっとミーハーだったなと、反省しています(笑)。

◆第1話の登場シーンの現場には、井浦新さん、松下洸平さん、及川光博さん、佐久間由衣さんがいらっしゃったそうですね。

はい。とてもにぎやかでした。吉高さんはパワフルで明るい方で、井浦新さんは現場全体を遠くから見て、優しく包んでいるような静かな方という印象です。及川光博さんはスタッフの方とも気さくに話をしたりしていて。同じ世代では佐久間由衣さんが刑事さん役をがむしゃらに演じているのが印象的でした。松下洸平さんはモニターのところにいらっしゃって、走るシーンが多いからか準備運動をしてらっしゃいました。現場の居方が人それぞれで、皆さんすてきでした。

◆宮下さんは、このドラマにどのような意欲で臨んでいますか?

記念すべき最初の連続ドラマで、こんなにすてきなスタッフやキャストの皆さんとできるということに、ものすごくワクワクしています。吸収できるものは全て吸収したいと思っています。

◆吉高さんを間近でずっと見つめられる、いいポジションですね。

そうなんです! 本番中は児島として、本番以外では素の自分として、吉高さんをずっと見つめていたいです。

宮下かな子インタビュー

◆宮下さんが役者を目指したきっかけや理由を教えてください。

ドラマっ子でした。『アテンションプリーズ』を見たらCAさん、『ナースのお仕事』を見たら看護師さんと、ドラマを見るたびになりたい職業がころころ変わっていきました。そんな自分がちょっとイヤで、“なんで自分はこんなにもなりたいものが変わるんだろう?”と考えてみたら、女優さんを見て自分の気持ちが変化していることに気づきました。女優さんという職業を意識し始めたのは、中学生の頃からです。

◆決められないとは思いますが、一番好きなドラマというと…?

難しいです…! 印象に残っているのは『1リットルの涙』ですが、『ナースのお仕事』は映画館にも見に行きましたし、『女王の教室』はいろいろと衝撃的でしたし…。

◆どれも女性の主人公が輝いている作品ですね。

確かにそうですね。上戸彩さんの『アテンションプリーズ』もそうですし。

◆女優という職業を意識し始めてから、現在に至るまでの経緯を教えていただけますか?

親から「現実を見なさい」と言われて、高校までは普通に過ごしました。大学進学で上京してからは、1人なのでなんでもできるので(笑)、「デビュー」というオーディション雑誌で「罪の余白」という映画のエキストラの募集を見つけて応募しました。その作品のキャスティングの方に声をかけられ、その方の事務所に1年ほどお世話になり、4年前に今の事務所に入りました。

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◆宮下さんが感じるお芝居の楽しさや魅力とは?

私は考えすぎてしまう性格なので、“これで合ってるのかな?”という迷いが常にあるんです。現場から帰ってくるたびに“もっとこうしたらよかった!”と毎回反省してしまうのですが、なかなかないんですけど、“今、すごく気持ちが通じ合ったな”とか“今、役と一体化できたな”と感じる瞬間に、やっててよかったなと思います。TwitterやInstagramなど、SNSを通じて応援してくれる方がくださるコメントを見るとうれしくて、頑張ろうと思います。

◆今までのお仕事で、ターニングポイントとなった作品や出来事はありますか?

初めて役作りのための時間を頂いた『チャンネルはそのまま!』です。北海道のテレビ局が舞台のドラマで、HTB(北海道テレビ放送)のアナウンサーの方に指導していただいて、毎日ニュースを読む練習をしました。この作品で、その職業についてちゃんと学ぶことの大切さを知りました。

◆今後、どのような作品に出演してみたいですか?

土臭いというか、ドロドロした、汗水たらすような経験を、役や作品を通してしてみたいです。負荷がかかる役やプライベートとの切り替えが大変そうな役にがっつり携わると、自分が進化するのではないかなと思います。

◆ドロドロとは例えばどんな作品ですか?

映画の「悪人」とかです。深津絵里さんは、あこがれの先輩の1人です。

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◆日常生活で癒やされるのはどんなときですか?

家にいるガジュマルのお世話をして、成長を見るのが楽しいです。別のガジュマルの子の植え替えに失敗して、ちょっと腐ってしまったので「ごめんなさい」とお別れをして。6月に迎え入れた別の子の枝が左右に2本ピュッと出てたんですけど、右側だけ30センチぐらい伸びちゃって。“右肩上がりだな”“めっちゃ縁起いいな”って喜んでます(笑)。逆向きに置いたら、左肩上がりになっちゃうんですけどね(笑)。

◆(笑)。ガジュマルが好きなんですね。

あのボテッとしたフォルムにとてもひかれます。とても大きくなったので、また植え替えをしなきゃと思っているところです。次は失敗しないようにします!

◆ほかにも植物は育てていますか?

結構います。これからも増やしていって、家をオアシスにしたいと思っています。おうちにいる時間が好きなので、1人で楽しんでいます。気に入った器を集めて、使うたびに「あぁ、かわいい~」とウキウキしたり(笑)。

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◆どんな器が好みですか?

基本的には土っぽくてごついものが好きです。今年の夏は、中村真紀さんというガラス作家の小鉢と、お茶を飲むグラスを買いました。都内のいろいろな器屋さんに出向いて、作家さんで選ぶようになりました。光って見える器を手にとって、「この作家さん、どんな方ですか?」とお店の方に聞くようにしています。そうすると、「朴訥な方です」や「結構ガシッとした男らしい方ですよ」と教えてくれます。写真でお顔を見て、「優しそうな人が作ったんだな~」と感じながら、器を使うのが好きです。

◆物を大事にされるんですね。

今年断捨離をして、家にある本や服、食器をだいぶ処分しました。その後は、自分が気に入ったものだけを買うことにしたので、一個一個への向き合い方が変わったような気がします。

◆では最後に、ドラマとご自分のアピールをお願いします。

『最愛』は私にとって初めての連続ドラマなので、いろいろなことを吸収しながら、現場を楽しみたいと思っています。ハラハラドキドキするストーリーと、重厚な人間ドラマが魅力だと思いますので、ぜひぜひご覧ください。頂いていたプロットから台本が変わっているので、どうなっていくのか、どんなラストになるのかは私もまだ分かりません。ただ、“絶対に面白くなる!”と思っています。そして、私も皆さんに楽しんでいただけるようにお芝居を頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!

宮下かな子インタビュー

PROFILE

●みやした・かなこ…1995年7月14日生まれ。福島県出身。O型。主な出演作品は『シェフは名探偵』(第7話 山下嗣麻子 役)、映画「ブレイブ-群青戦記-」(薙刀部部長 今井慶子 役)など。ウォーキング・スタッフプロデュース「手の平」(10月23日~31日 東京・新宿シアタートップス)の上演が控える。

番組情報

『最愛』
TBS系
毎週(金)後10・00~10・54

<STAFF&CAST>

脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
演出:塚原あゆ子、山本剛義、村尾嘉昭
プロデュース:新井順子

出演:吉高由里子、松下洸平、田中みな実、佐久間由衣、高橋文哉、奥野瑛太/薬師丸ひろ子(特別出演)/光石研、酒向芳、津田健次郎/及川光博、井浦新

●photo/中田智章 text/須永貴子

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