金曜8時のドラマ『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』(テレビ東京系 毎週(金)後8・00~8・54)で、安田顕さん演じる安堂源次と現場で行動を共にする若手刑事・瓜生夏樹役を演じている中田圭祐さんにインタビュー。役とリンクする安田さんとの関係や、現場のこと、初めて演じる刑事役についてなど、いろいろと伺いました。
◆台本を読まれて、率直な感想を教えてください。
毎話、すごく勉強になることが多くて、「DNAってすごいんだなぁ」と思いました。僕が演じる瓜生君の上司・安堂刑事(安田顕)が昭和気質の人で、僕は個人的にそういう人が好きなんです。安堂刑事の傍で瓜生君は、若い刑事だけどどんどん成長していくんだろうなと思いましたし、実際にその成長の過程は面白かったです。あと、ストーリー展開がスピーディーで、テンポのいい台本だなという印象で、読んでいて面白かったです。このシーンはどうやって撮るのかな? とか思ったりしていました。
◆撮影初日はどのような気持ちで臨まれましたか?
撮影に入る前にまず本読みがあって、「うわ~ここから始まるんだ」という実感がありました。いやぁ、もう本当にドキドキでした。それしかないですね。ちゃんと出来るかなという不安ばっかりでしたし、ガッチガチだったと思います。なんなら足震えてたと思います…うそですけど(笑)。先輩もたくさんいるので、それぐらい緊張していました。でも、徐々に皆さんに仲良くしていただいて、自分のやらなきゃいけないことをちゃんとやっていこうと思っていました。あと、いい経験させてもらいたいという気持ちもありました。
◆新型コロナウイルスの影響で撮影中断となり、撮影期間がテレ東史上最長になりましたが、役へのモチベーションや作品への気持ちはどのように保ちましたか?
こんなこと初めてだったのでやはり衝撃的ではありました。でも、大体1年後ぐらいには再開できるというのは聞いていたので、(モチベーションを)保ち続けるという感じでもなかったんですけど、現場に戻れた時はすんなり瓜生君になれました。あと、去年の自分より成長したのを他のスタッフ・キャストさんにももちろんですけど、一番安田さんに見てもらいたいと思っていて。 この1年経験したことを演技にプラスできると考えて、僕は結構ポジティブに中断期間を捉えていました。1年前に出来なかったことを、もう一回もっとこうしようああしようってよく考えて、整理できてからもう一回現場に入れるって基本的にはないじゃないですか。再開に向けて気持ちを持っていけたという感じでした。
◆1年ぶりに皆さんと再会できたときはどんな気持ちでしたか?
すごくうれしかったです。印象に残っているのは、渡辺いっけいさんが身体を鍛えられて、痩せられていたこと(笑)。「変わりましたね~!」ってお話をしました。あと、「元気だったか?」って安田さんに言ってもらえたのもうれしかったです。役にも現場にもすんなり戻れました。
◆安田さんとの共演はいかがでしたか?
安田さんははじめましてだったんですけど、本当に一緒のシーンがたくさんあって。本当の上司と思えるような存在になっていました。瓜生君を自分の立場に置き換えて、「僕はまだ役者の世界を全然知らないから安田さんを見て習おう」と思ったんです。それで、「気になったところとか、何か思ったら言ってください!」って安田さんにお願いしていました。そんなときに撮影中断になってしまったんです…。そのお話を忘れないように台本にバーッてメモを書いていて、それを先ほどお話しした1年の間に見直して、再確認する作業をしていました。1年後現場に戻ったときも、安田さんにその都度教えていただきました。今後も台本に書き込んだことは大事にしたいなと思っています。本当に良い上司だと感じていましたし、瓜生君と安堂さんの関係みたいで役柄ともリンクしているなと思っていました。僕は安田さんのことをすごく大好きでした(笑)。
◆主演の田中圭さんとの共演はいかがでしたか?
圭さんとは二度目の共演で、事務所の先輩なんですけど、すっごくフラットに現場にいらっしゃる印象です。安田さんと圭さんと3人でのシーンも多かったのですが、圭さんは面白い世間話を毎回してくれました。こんなお話めったに聞けないなと思うほどお話がすごく上手で、その話に安田さんはどういうリアクションをするんだろう? というところも僕は興味津々でした(笑)。でも、パチン!と仕事モードに切り替わると本当にすごくて、その瞬間を間近で見られたのは勉強になりました。現場の居方っていうのは安田さんにも圭さんにもたくさん教えていただきました。
◆ご自身より実年齢が上の役が初めてということですが、特別な役作りはありましたか?
外見では、大人っぽく見えるように髪を上げたりしました。あと、前に『花のち晴れ』という作品をやっていたのがきっかけで体を鍛えていて。やっぱり刑事って戦わなきゃいけないので、意識して(体づくりを)保っていようと決めました。実は、撮影中断してから、身体を少し大きくしました。それは、瓜生君もひそかに筋トレをして体作りをしていたという裏設定ということで。スーツってある程度筋肉があった方が似合うと思うんです。スーツで出演するのは初めてで、今までは学生服が多かったので、大人っぽくなった中田をぜひ見ていただきたいなと思います。結構、犯人を追いかけたり、捕まえたりするシーンもあるので、そこの説得力みたいなものを持たせたいなって。それで、うれしかったのが、安田さんと再会したときに「あれ? 中田くん大きくなった!? いいね!」みたいに言ってくださったこと(笑)。「ありがとうございます!」って言いましたけど、心の中では「よっしゃー!」ってうれしかったです。
◆初めての刑事役に対しての思いは何かありましたか?
事件の詳細、場所とか死亡理由とかそういう説明的なせりふだったり、刑事ならではのしぐさだったり、行動の取り方みたいなものを初めて演じたので大変でした。死体を目の前にしてどういう作業をするのかとか、すごく難しかったです。現場に警察監修の方がいらっしゃっていて、その方に聞いたりしていました。所作とか警察手帳の出し方とかを、安田さんにも教えてもらったりしながら演じていました。特に、ちゃんと説明しなきゃいけないけど尺が長いと駄目で、言い切ろうと早口になっても伝わらないし…というせりふの塩梅はすごく大変でした(笑)。大変だったけど楽しかったです。
◆最後に、ドラマの見どころをお願いします。
見どころは、圭さんと安田さんのコンビです。持っている良いものと悪いものが極端に違う2人なんです。その2人が交わった時にDNAのらせんのように絡み合っていく。そういう人間関係ってすごく良いなと思いますし、僕も親友に対してその感覚に近いものがあります。やっぱりないものを持っている人は魅力的に思いますし、友でありライバルの関係というのは良いものですよね。勉強が出来て頭が良いからといって出来ないこともあるし、勉強はできないけど体を動かすことで生きてきたという人もいる。それがうまく交わっていったり、いかない時もある。何を考えているか分からないけど、結局お互いを思ってどんどん2人の関係も濃くなっていく。そこは見ていても楽しいんじゃないかなと思います。そして、刑事ものなので犯人を捕まえていくという大筋があって、周りの僕らの成長とか人間関係をフォーカスしてもすごく面白いドラマになっています。本当に気持ちいいくらいの事件の解決の仕方もあるので、それも見どころです。
PROFILE
中田圭祐
●なかた・けいすけ…1995年11月27日生まれ。神奈川県出身。O型。「MEN’S NON-NO」専属モデルとして活躍しながら俳優としても活躍。最近の出演作にドラマ『サレタガワのブルー』、映画「ブルーヘブンを君に」など。
番組情報
金曜8時のドラマ
『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』
テレビ東京系
毎週(金)後8・00~8・54
原作:夏緑・作、菊田洋之・画
脚本:黒岩勉、酒井雅秋、福田哲平
監督:岩本仁志 ほか
出演:田中圭、安田顕、倉科カナ、中田圭祐、渡辺いっけい、松坂慶子
<第3話(10月29日放送)あらすじ>
安堂源次(安田)は公園で「人が死んでいた」という目撃情報から、警察官・松木宏(須賀健太)と現場へ向かうがそこに死体はなく、酔っぱらいの見間違いと判断。翌日、血の海と化したアパートの一室が発見される。しかし死体も、運び出した痕跡もない…。死体が消える難事件に困った源次は神保仁(田中)に助けを求める。被害者は赤島典子(徳永えり)。髪の毛と血液のDNAが一致した。しかし神保は出血量が多過ぎる点に目を付け…。
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/rasen/
●photo/金井尭子 text/浅野明菜
Ⓒ夏緑・菊田洋之・小学館/テレビ東京/AX-ON