WANDSインタビュー「“WANDSらしい”と思う感覚は人それぞれでいいと思います」

特集・インタビュー
2021年11月03日

WANDSインタビュー

惜しまれつつも、2000年に解体という道を選んだロックバンド・WANDS。再始動を望む多くの声を受け、2019年に活動再開と三代目のVo.上原大史加入の発表を行うと、たちまち大きな話題を呼んだ。そして、Vo.上原大史、Gt.柴崎浩、Key.木村真也(活動休止中)からなる“第5期”WANDSの活動が満を持して始動。「試練だった」と上原が語るように、決して平たんではなかった道のりを越え、11月には活動3年目に突入する。そんな彼らが、11月3日(水)にニューシングル「YURA YURA」をリリース。「真っ赤なLip」以来、2度目となる『名探偵コナン』(日本テレビ系)のOPテーマに抜てきされた本作の聴きどころや制作秘話、WANDSへの思いなどをお聞きしました。

 

◆まず、「YURA YURA」の注目ポイントを教えてください。

柴崎浩:この1曲の中に、音楽的なアイディアがふんだんに盛り込まれているところですね。とにかくこだわって作ったので細部までじっくり聴いていただけるとうれしいなと思っています。通して聴いていただくのはもちろんですが、「この部分のこの音が好き!」といった感じで、じっくり聴きながら楽しんでもらうのもいいかなって。

上原大史:確かに。僕はシングル曲なので、いつもよりも開けた感じに聞こえるようにということを意識しながら歌いました。今までに聴いたことのない“上原大史の声”になっていると思うので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

◆『名探偵コナン』のOPテーマとなるのは本作で二度目となります。以前のOPテーマ「真っ赤なLip」とはまた違った雰囲気の楽曲ですね。

上原:そうですね。「真っ赤なLip」は始動する前にレコーディングをしたので、分からないことも多く、力を出しきれなかった部分があって。でも、「YURA YURA」はWANDSとしての活動を経て見つけてきたものを活かせましたし、あの時よりもいいテイクが録れたなと感じています。

◆“いいテイク”とは、特にどのような点ですか?

上原:先程の開けた感じという点もそうなのですが、勢いがあって、いい意味でレコーディングスタジオで録った感じにはなっていないんじゃないかなと。まるでステージでハンドマイクを使って歌っているような、そんな雰囲気を感じていただけると思います。

◆「YURA YURA」の制作にあたって、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

柴崎:落ちサビで歌とキーボードだけになる部分があるのですが、上原が歌入れをしている最中に、自然と新たなメロディーが生まれたんです。なので、他のサビとはメロディーが違う部分があるのですが、それが次のシーンに展開するのにすごくいい役割を果たしてくれていて。

◆確かに、とてもドラマチックに感じます。

柴崎:あと、曲の終盤にフェイクが入っているのですが、そこは「何かフェイク的なものを入れてくれ」というのを上原にリクエストして、丸ごとお任せしました(笑)。

◆それを受けて、上原さんがこだわった点などはありますか?

上原:僕が一番悩んだのは、サビの高音で伸ばす部分ですね。どのような歌い方が合うのだろうと試行錯誤していたら、とある方から「ライブでパフォーマンスしやすい歌い方で歌ってみたら?」というアドバイスをいただいて。自分なりに歌ってみたところ、結果として「サビがいい」と言ってくださる方が多かったので、今後もこういった歌い方を取り入れていきたいなと思いました。

上原大史

◆「真っ赤なLip」以降、過去のWANDSの名曲をカバーしたものがカップリングに収録されていますよね。加入前に上原さんが感じていた、WANDSの楽曲の印象というのはどのようなものでしたか?

上原:やはり「世界が終るまでは…」「時の扉」「もっと強く抱きしめたなら」の辺りの印象が強くて、渋くてカッコいい、ちょっと影を感じるようなイメージでした。でも、改めてじっくり聴いてみると、すごく幅広くて、ジャンルに偏りがないことに気づいたんです。なので、いわゆる“WANDSらしさ”って、きっと人によって違うんだろうなと。

◆“らしさ”って、簡単なようで実はすごく深いテーマですよね。

上原:はい。それって、その方がWANDSを聴いていた時期だったり、よく聴いていた曲だったりできっとイメージが変わってきますよね。誰かが「この曲、WANDSらしくないね」と言っている曲が、僕にとっては「WANDSらしいな」と思う曲だったりもしますし。例えば、「真っ赤なLip」も「らしくない」と言われたことがあるのですが、昔のアルバムを聴いていると、ああいうテイストの曲って何曲もあるんです。おしゃれで、難しいコードを使っているような…。

柴崎:そうそう。まさに「真っ赤なLip」は『名探偵コナン』サイドが「WANDSらしい」って言って選んでくれた曲なんだよね。

上原:なので、“WANDSらしい”と思う感覚って、人それぞれバラバラでいいんじゃないかなって。僕は曲を聴きすぎて、もはや“WANDSらしさ”というものが何なのか分からなくなってしまいました(笑)。

◆約2年前、加入当時の心境というのはいかがでしたか?

上原:最初はまるで試練のように感じていました。「楽しい」と感じる余裕はゼロだったと言っても過言では無いというか。僕自身も好きなバンドのボーカルが変わったら抵抗感を感じてしまうと思うので、「嫌だな」と感じるファンの方々のお気持ちというのは分かっていたつもりだったのですが、やはりそのような声を多くいただいて。

◆そのような中どう乗り越えてこられたのでしょうか。

上原:最初はずっと「どうしていくのが正解なのだろう」と、とにかくもがきながらやっていたんです。でも、今はあれから約2年が経って、当時「こうなりたいな」と思い描いていた自分に少しだけ近づけた気がしていて。もともとWANDSのファンだった方から「第5期は第5期でいいね」と言っていただけたり、『名探偵コナン』のOPをきっかけに初めてWANDSを知ってファンになってくださった方もいたり。今は、自分らしさを忘れず“第5期”WANDSを柴崎さんとやっていこうと、しっかり地に足を着けて臨めています。

柴崎浩

◆柴崎さんから見て、そんな上原さん、そして“第5期”WANDSの魅力はどのような部分にあると感じられていますか?

柴崎:僕、彼が歌っている声がすごく好きなんです。新しい曲をやるごとに表現力も増してきていて、いつも「いいな~」と思っていて。

上原:ありがとうございます!(笑)

柴崎:上原の歌はやはり第5期の大きなセールスポイントですが、ぜひ曲やサウンドも含めて楽しんでいただけたらうれしいですね。

◆WANDSにおける楽曲制作にあたって、柴崎さんが心掛けている点はありますか?

柴崎:その都度、自分がワクワクする音楽を作るということですかね。聴いてくださる方にとっても、きっとその方が面白味を感じられるんじゃないかなと。第5期が始動した頃、「WANDSのサウンドってどういうものだろう」と改めて考えてみたのですが、あまり意識しすぎても面白くないし、頭の片隅にWANDSのアーカイブを置いておくくらいがいいのかなと思ったんです。

◆日々刺激を受けられながら、それを楽曲に取り込まれていると。

柴崎:そうですね。あとは「上原の荒々しいボーカル聴いてみたいな」とか、そういう直感で曲を書いたりもします。

◆今後生み出される楽曲もより楽しみになりました。上原さんが、今後WANDSにおいてやってみたいことを教えてください。

上原:ライブが全然できていないので、まずはファンの皆さんに会いに行くということも含めて、各地を回れたらいいなと思っています。あとは、大きな野望を立てるというよりも、曲をきちんと出して、ライブをして、とやれることを一つずつやっていけたらいいなと考えています。

◆12月には初のファンクラブイベントなども控えていますが、上原さんのライブにおける強みはどのような部分でしょうか?

上原:実は僕、緊張しいで本番に弱くて、あまり人前に出るのが得意ではないんです…。でも、柴崎さんに「ライブの時に出てくる上原のフィーリングがいい」と言っていただけたので、もっとそういうものが出せるように頑張っていきたいです。

◆最後に、TV LIFE web読者へひと言お願いします。

上原:予定通りに行動が出来ないなど、悔しい期間が続きましたが、今後は今まで通りとはいかずとも、またライブが出来て、ファンの皆さんと一緒に盛り上がって…ということが出来ればいいなと思っているので、今後の活動を楽しみにしていてください!

柴崎:僕も、皆さんとライブなどでお会いできる日をとても楽しみにしています。それまでCDなどを聴いて、イメージを膨らませながら待っていていただけたらうれしいです。

PROFILE

WANDS
●わんず…Vo.上原大史、Gt.柴崎浩、Key.木村真也(活動休止中)からなる男性3人組ロックバンド。2000年の解体後、2019年11月に上原大史を3代目ボーカルに迎え、第5期として活動を再開することを発表。上原加入後、2020年1月に初シングル「真っ赤なLip」を、10月にはアルバム「BURN THE SECRET」をリリース。12月には初のファンクラブイベントを控えるなど、精力的に活動を行っている。

リリース情報

New Single「YURA YURA」
2021年11月3日(水)発売

WANDSインタビュー

通常盤:1100円(税込)

WANDSインタビュー

名探偵コナン盤:1100円(税込)

 

text/片岡聡恵

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