作家・燃え殻が2016年に発表したデビュー作を映画化した「ボクたちはみんな大人になれなかった」。森山未來演じる主人公・佐藤が2000年に出会い恋に落ちるバーテンダーのスーを演じたSUMIREさんが、知れば知るほど似ていたという役や、自身の「青春」について語ってくれました。
◆最初に原作や脚本を読んだ時の印象は?
どこか過去を懐かしむというか、思い出を引き出してくれるような印象がありました。恋愛だけでなく、仲がいい友人と長く付き合うという当たり前のことが、実はかけがえのないことだったり。そういうことをあらためて思い出させてくれましたね。
◆今回演じられたスーの役作りについては?
私もSUMIREなのでスーと呼ばれることが多くて。そういう意味ではまず名前から親近感がわいていたのですが、ミステリアスな面やシャイな部分など、彼女のことを知れば知るほど私と似ている部分があって、理解できるところも多かったですね。役に入りやすいというか、気持ちをシェアしやすかったです。
◆2000年を生きたキャラクターを演じることへのこだわりは?
意外とガチャガチャな柄の合わせだったりなど、当時のファッションについては特に意識しました。衣装合わせの時から森監督といろいろ話し合って、デニムに大きめのニットを合わせるラフな感じにしたり。
◆森義仁監督の演出については、いかがでしたか。
この作品で、初めてご一緒したのですが、個々の魅力を引き出すのがとても上手な方だと思います。特に部屋にいるスーが佐藤に、「こんな人生も嫌いじゃないんだよね」って呟くシーンがあるんですが、その時、彼女の哀愁みたいなものをたっぷり引き出してくれたように感じています。あと、「スーは佐藤の前にずっといるわけではないけど、佐藤の未来に対する助言というかアドバイスをするパートナーにしたい」といった話も一緒にしましたね。
◆佐藤を演じる森山未來さんと一緒に演じてみて、いかがでしたか?
森山さんは現場では完全に佐藤としていらっしゃって、そういう部分も含めて役者としても憧れる存在です。スーが佐藤と一緒にいたり、みんなとお酒を飲んで楽しんでいるシーンでは、彼女の人間味が出ていると思ったのであまり着飾らないように、できるだけありのままでいることを心がけました。心から楽しんで笑っている感じで。そうすることによって、夜の仕事をしている時とのメリハリをつけました。