吉高由里子主演のTBS金曜ドラマ『最愛』(毎週(金)後10・00)。真田梨央(吉高由里子)の初恋の相手である大輝(松下洸平)とコンビを組み、ある殺人事件を追う桑田仁美役の佐久間由衣さんに撮影現場のお話や見どころなどを語っていただきました。
◆今回の作品のオファーを受けた時の気持ちや、作品の前の意気込みをお聞かせください。
純粋にすごくうれしかったです。私自身、塚原あゆ子さんが監督の作品を見させていただいていたのもあるので、とても信じられないというか、驚きで。今回はサスペンスストーリーで、私自身、サスペンスやミステリー作品を読んだり見たりするのにとても時間かかってしまうんですけど、今回は演じる側ということで、一生懸命、置いていかれないようについていきたいなと思います。
◆新井順子プロデューサーや塚原監督から、役柄について、こういう役割を担ってほしいなど何か言われたことはありますか?
作品に入る前、髪形などの相談をさせていただいていた時に、塚原さんから「ドラマで女性刑事といったらこういうイメージ…みたいなものがある程度あると思うんだけど、そういうものに縛られずに自由にやってほしい」と言っていただいたので、中性的な存在になったらいいなと思っています。女性刑事だからといって、向上心をむき出しにして男前なわけでもなく、なよなよしたわけでもなく…その間の人たちっていっぱいいるはずだよねっていうお話をさせていただいて。私も、まだまだやりながらですけど、見つけていきたいなと思っているところですね。
◆夏クールに出演された『彼女はキレイだった』からガラッと役どころが変わっていて、それもすごく楽しみに見ています。いい刑事像を見つけるために参考している方や作品はあるのでしょうか。
もし自分が刑事として存在していたら、どういうことに興味があって疑問をもつのかなっていうのを、自分に落とし込んで考えていくようにしているので、あまりないですね。あとは松下さんだったり、津田健次郎さんだったりとの関係性の中で生まれてくるものもきっとあると思うので、そこを大切にしたいなと思ってやっています。
◆佐久間さんは、津田さんと松下さんと特に共演が多いと思いますが、印象やイメージなどはどうでしょうか。
本当にお二人ともすてきな俳優さんです。今回刑事の役柄をいただいて、難しい言葉がいっぱい出てくるだろうなと思っておびえていたんですけど、その役割が全部津田さんに渡っていて(笑)。見事にとてもしびれる声で演じられていて、すごくすてきだなぁって一緒にお芝居をさせていただきながらも思っています。普段がとてもチャーミングな方で、思ってもなかったようなことをすごくチャーミングにお芝居されたりもしています。松下さんは、撮影中も作品や役柄についてたくさん相談にのっていただいています。今回一番ご一緒することが多いので、このせりふってこういう意味ですかね、とか、どうやったら思いが伝わりやすいですかね、とか…もちろん監督も踏まえてですけど、すごく相談にのってもらっていて。とても頼もしくて、すごく尊敬させてもらっている先輩だなと思っています。
◆先日の津田さんの取材で、佐久間さんと松下さんがすごく優しいとおっしゃっていたのですが、お二人に会う前の印象と会ってからの印象に変化はありましたか?
うれしいですね。松下さんは、テレビなどで拝見していて、きっと優しくて穏やかで、一緒にいる人たちを緊張させないような空気感なんだろうなと思っていて、実際お会いしてから面白い一面もすごくあって。現場を笑わせてくれるようなお話をされたりとか、そこはお会いしてみて気付いたことですね。津田さんは、さっき言ったことと被っちゃうんですけど、本当にチャーミングで、とても物腰がやわらかい方です。癒やされるような、そういう空気感をまとってる方だなと思いましたね。
◆『かのきれ』では同世代の出演者の方が多くて、作品もラブコメだったので、仲の良さが見受けられたのですが、今回の作品はサスペンス要素もあります。現場の雰囲気はいかがでしょうか?
とても和やかです。でも、皆さんがそれぞれのアイデアをディスカッションされていることがすごく多くて。本当に、置いてかれないようにすごく必死というか…耳を常にダンボにして、皆さんが言っていることを聞き逃さないようにしていたりとか、監督が違う方にされている言葉でも、自分も聞き逃さないようにとか。それは私だけじゃなくて、役者さんみんながそういうような空気感で。『彼女はキレイだった』では、同世代だからこそ刺激しあって、みんなで楽しく切磋琢磨して頑張っていこうという雰囲気だったんですけど、今回は俳優の先輩たちに必死についていって、いろいろ学びたいなという気持ちで、現場にいる感じです。
◆作品がシリアスなこともあって、津田さんとのやりとりはちょっとほっとできるというか、癒やし的なやりとりでもあると思います。今後どういうふうにしていきたいですか?
唯一この作品の中でほっこりできるような役割は、山尾刑事(津田)と桑田だという話を聞きました。後半作品がどんどんシリアスになっていっても、桑田は自由度を失わず、桑田なりに事件に関わっていくようにしたいなと思っています。何かない限りは。オリジナル作品なので、死んだらどうしようとか思いますけど(笑)。
◆『かのきれ』から続けてのドラマ出演ですが、『かのきれ』で同世代の方々から得た刺激や、その場で学んだことで、今回の現場で何か生かせているなと思うことはありますか?
『かのきれ』では学んだことが本当にたくさんありました。私以外の皆さんのプロ意識の高さというか、見ている人たちに届けたいという思いを目のあたりにして、私も頑張りたいなと思わせてくれたきっかけになった作品です。その思いを忘れずに、途切れさせずに、この現場に挑めたことは本当にそれだけで学びがあったと思います。『かのきれ』の中島健人さん、小芝風花さん、赤楚衛二さんも、『最愛』を見てくれていて感想をその都度送ってくれるので、よりもっと頑張ろうと思えます。
◆『最愛』の現場はその場でいろいろ作っているのがオリジナル脚本ならではだなと感じます。サスペンスで先が見えない中での魅力や難しさがあったら教えていただきたいです。
毎回台本を頂く時はとても怖いというか(笑)。ドキドキしながら台本を読ませていただいています。ゴールが見えないからこそ、あんまり頭で決めつけすぎずに、その瞬間を一生懸命生きていけるっていうのが、すごく楽しいなって思います。難しさとしては…正解がないからこそいろいろできるっていう部分で、ある程度の軸を持っていないとキャラクターがぶれてしまうのかな、と考えたりもするのですが、難しさというよりは楽しさを今は感じていますね。
◆佐久間さんが一視聴者として一番気になるところはどこですか?
私は、井浦新さん演じる加瀬さんが、すごく魅力的なキャラクターだなと思っていつも見ています。カッコよくてかわいくてっていうキャラクターを井浦さんが演じていらして。私も一視聴者として見入ってしまっています。
◆主演の吉高さんの印象はいかがですか?
吉高さんは、本当に現場で太陽みたいで。いつも明るくて、大きな声で笑っていて、現場をすごく照らしてくれる存在なのですが、真田梨央っていう役になった時に、鳥肌が立つというか、そのミステリアスさにいつもお芝居中なのに見入ってしまうような瞬間が何度かあって。切り替えが本当にすごいなぁって。ほんとこういう言葉しか出てこないんですけど、すごいなぁっていうふうにいつも見ていますね。
◆ドラマ公式のインスタグラムに松下さんが撮られた佐久間さんのオフショットも上がっていたと思います。撮影のことやお二人で話したことなどあればお聞きしたいです。
あれは大きなシーンを撮り終わった後、帰り支度をする前に、スタッフさんが「二人で撮り合いっこしてみたら」とおっしゃって。お互いを撮っていたので、後々私が撮った松下さんも多分出るのかな…? ともちょっと思ってるんですけど、フォトジェニックな方なので、すごく上手に撮れましたし、撮るのが楽しかったです。撮影の合間に、好きな食べ物の話とか美術館やアートのお話をさせてもらっていますね。あと内容のこととかは常に…どういう方がいいコンビ感が出るかなどのお話をさせてもらっています。
◆ハンドクリームを松下さんの手につけるシーンですが、手につけるのって結構勇気がいるかなと思います。それはいきなりやってみたっていう感じだったんですか?
そうですね。そしたら、松下さんが優しく、すごくナチュラルに反応してくださって。「何これ?」って言われて、ハンドクリームですって言って。「ベタベタすんなあ」って言ってくださいました(笑)。
◆演技で見られた自然なリアクションはそのままだったということですね。
そうですね。役として反応してくださいました。ありがたかったです。
◆最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします。
私自身もこれからどうなっていくかというのが本当に全く分からないまま、楽しみながら撮影させてもらっています。見ている皆様もすごくいろいろ考察を楽しんでくださっているという声を聞いています。これからもっともっといろんな事件が起きていくので、楽しんでいただきたいです。個人的に桑田としては、どんどん事件に絡んでいく…トライアングルの三角関係に足を踏み入れたりもするので、そういったところも見ていただけたらうれしいです。
PROFILE
佐久間由衣
●さくま・ゆい…女優。1995年生まれ。TBS系金曜ドラマ『最愛』に桑田仁美役で出演中。主演映画『君は永遠にそいつらより若い』(吉野竜平監督)上映中。ファースト写真集「佐久間由衣写真集 SONNET 奥山由之撮影」(11月4日発売)。
番組情報
金曜ドラマ『最愛』
TBS系
毎週金曜 後10・00~10・54
<第4話(11月5日放送)あらすじ>
事業説明会での騒動に加え、真田ウェルネスの疑惑を追及する記事のゲラが出回り、後藤(及川光博)の梨央(吉高由里子)への風当たりはますます強くなった。さらに、後藤は会社の裏事情をかぎ回るしおり(田中みな実)に不信感を抱き始め、彼女について調べるよう情報屋(高橋文哉)に指示を出す。
その頃、警察は殺人事件の被害者である昭(酒向芳)に500万円を渡した男の足取りを追っていた。大輝(松下洸平)は桑田(佐久間由衣)と共に真田ウェルネスを訪ね、梨央と加瀬(井浦新)に男の心当たりがないか、さらに事件当夜の加瀬の行動について聞く。
翌朝、1本のネットニュースが梨央をさらなる窮地へと追い込む。「疑惑だらけの治験薬」という新薬の中傷記事で、不安を感じた被験者が治験の中断を申し出る事態に。社内にも動揺が広がり、真田グループの株価にまで影響が出始めていた…。
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