◆テレビシリーズと本作では、アスナとキリトの出会いにも違いがありますが、松岡さんと戸松さんはどんな気持ちで、その変化を声にのせましたか?
戸松:今までを全部リセットして、もう一度ゼロからアスナを組み立てた感じですね。キリトとの関係は、他人です(笑)。ツンツンしているのは、ミトとの関わりでいろいろなことがあったのと、《アインクラッド》で生き残ってみせるという強い思いが防衛本能になったと思います。
松岡:テストでかけ合ってみたら、10ミリくらいのアクリル板が間にあるのかなって思うくらい心の距離を感じて、すごく衝撃を受けました。関係をリセットするって、寂しいことなんですね…。
◆物語では、ゲームから脱出できなくなった不安や動揺も描かれています。皆さんが考える、本作のハラハラドキドキのポイントは?
水瀬:ゲーム中の死が現実の死に直結することが明らかにされるシーンは、死刑宣告みたいで心臓がわしづかみにされるドキドキ感のような、苦しさがあると思います。ミトを演じているからこそ、「ゲームであって遊びではない」というワードもすごく刺さりました。
戸松:死と隣り合わせというドキドキ感はもちろん、きっと皆さんは「ミトが最後にどうなるんだろう?」と思いながら見ると思うんです。アスナとキリトは絶対に死なないと信じているので(笑)。そういう安心感はあるけれど、ミトの未来は誰も知らない。だからこそ、そこがドキドキポイントになるんじゃないかなと思います。それから、ボス戦って犠牲がなかった回がないんです。それが劇場版でどうなるかも、背筋がシャキッとなるポイントだと思います。
松岡:僕は、はじまりの街を出てアスナが狼に襲われるところが、すごく恐ろしく感じました。本当に命が懸かっている世界だということが、アスナの表情からも伝わってくるシーンです。口だけお化けの花みたいなモンスターが襲ってくるシーンも鳥肌が立ちました。
戸松:トラップも怖かったよね!
水瀬:生きるか死ぬかが目の前にあるのが、はっきり分かってしまうシーンですよね。皆さんの叫び声が真に迫りすぎて、すごく心が痛かったです。
松岡:「早くそこから離れて!」「見つかっちゃうよ!」と、思わず声をかけたくなるくらいのハラハラ感がずっと続くんですよね。