◆藤原さんはその後、多くのドラマで活躍されています。映画とドラマで現場に違いを感じることはありますか?
ありますね。それこそ、ドラマは出番まで控室などで待機していることのほうが多いので、“やっぱりそういう現場もあるんだ”と思いましたし(笑)。それに、映画は撮影してからお客さんに観ていただくまでにタイムラグがありますが、連続ドラマだと撮影しながら視聴者の声が聞ける。それが楽しかったり。昨年放送された『おじさんはカワイイものがお好き。』が初めてのドラマ出演だったのですが、この作品に出させていただいたことで、僕の中で新たな勢いがついたような感覚があって。というのも、ドラマって映画と違い、テレビをつけっぱなしにしていたら、たまたまドラマが始まって、そこで初めて見る役者に興味を抱くこともある。そうした偶然の出会いがあるドラマの面白さを知り、“こういうお芝居の届け方もあるんだ!”と実感できたんです。その意味では、初めてのドラマの現場は僕にとって、2つ目のターニングポイントだったと言えますね。
◆そもそもの話になりますが、昔から映画やドラマはお好きだったんですか?
幼いころから映画は大好きでした。ただ、自分で演じてみたいという思いを持っていたわけではなく、純粋に好きで観ていたんです。昔は映画館に通って上映中の作品をたくさん観ていましたが、最近は自宅でも観るようになって。特に昔の作品に興味が湧いて、70年代から90年代までの映画を観ては、そこに出ていた役者さんや監督の関連作品を掘りさげてましたね。
◆沼にはまっていく感じですね(笑)。
はい(笑)。作品ごとにどんなことに挑戦しているのかを見るのが楽しくて。逆に、同じ役者や同じ監督の作品を観続けていると、その人の核が見えてくるんですよ。例えば、別の作品で似たようなシーンがあった時、“この監督はずっとこの撮り方にこだわってるんだ”っていう、その人の個性や芯の部分が分かってくる。それがすごく面白いんです。今回も、万田さんの映画に出ると決まってから、万田さんの過去の作品を見返しました。そうしたら、やはり万田さんにしか出せない空気感やカラーがあることに気づいて。でも、それはあえてここでは言わず、僕だけの秘密にしておくので、ぜひ皆さんも探してみてください(笑)。