高橋文哉インタビュー「優の過去や罪に対する責任感を見せていきたい」『最愛』

特集・インタビュー
2021年11月12日

『最愛』高橋文哉インタビュー

◆クランクイン前は、役についてどのように考えていましたか?

誠と優を大きく分けて考えるわけじゃなくて、優がどういう思いで情報屋になって、情報屋をやる上で何が根本にあって…っていうことを考えました。誠と優の線引きを大きくしないようにしようと思ってたので。でも、現場で優のまま演じたら“姉ちゃんを見られてうれしい”みたいな感情が出そうなので、実際その加減は監督とお話しながら演じました。事前に準備したことといえば、僕自身パソコンをまったくいじれないので(笑)、キーボードを打つ時のテンション感だけはちょっと勉強しました。

◆実際に演じていく中で、役について新たに気づいたことはありますか?

優として現場にいるようになって、今は優が自分の過去に対してどう思っているのかを真正面から考えて毎日演じています。1シーンだけ回想シーンがあるんですけど、優の中学、高校生時代とか、描かれてない部分の過去がどのくらいつらかったのかは台本を読まないと分からなかったですし。その前後にどういうことがあって…っていうのを監督ともお話しながら、大事に演じています。そこは視聴者の方も知らなかった部分になるので、優の過去や罪に対する責任感を見せていきたいなと思っています。

◆15年前のパートでは唯一、高橋さんだけがご自身で役を演じていませんでした。皆さんの演じている姿を見ていかがでしたか?

もちろん1話の台本も読んでいたんですけど、ほとんど視聴者の方と同じまっさらな気持ちでオンエアを見ました。皆さんの現代と過去のお芝居にも違いがあって、本当に15年たったように錯覚させられて作品の中に吸い込まれていくような感覚がありました。シーンが現代に移ったときのインパクトがありましたね。吉高さんが出てこられた時の“梨央が成長した”説得力というか、間の15年間を描いていなくともすごく分かったというか。僕自身は15年前を演じていないので、1話の優君だったり、姉ちゃん、大ちゃんを見て、たくさんヒントを頂いて15年前の感情を作り上げました。1話を見た時は“情報屋”として1、2日撮影したくらいだったので、これから自分が演じていく上での優らしさというか。姉ちゃんに対する思いを1、2話で見られたので、その部分は大人になっても変わらずに演じようと。あと、過去のインパクトが残っている記憶がフラッシュバックするシーンがあるので、そこのシーンは特に何回も見ましたね。

『最愛』高橋文哉インタビュー

◆4話では、渡辺康介(朝井大智)も渡辺昭(酒向芳)も殺したと優は言っていましたが、そんな優をどう思いますか?

優の罪悪感は、毎日演じながらもずっと忘れちゃいけないことだと思っています。ここまで“2人を殺めてしまっている”というせりふがたくさんありましたが、その時にただ「あの人を殺してしまった」と言うのではなく、ちゃんと自分の中の罪悪感と、葛藤を持ちながら言葉にするように意識していました。いろんな感情が混在している子なので、その思いを大切にしたいです。

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