◆まだ映画が公開されたばかりですが、周りの人から反響はいかがですか?
大阪にいるおじいちゃんとおばあちゃんが観にいってくれたみたいで。ラインで「めっちゃ良かったよ!」と言ってくれて、すごくうれしかったです。
◆初長編映画、女優としての自分にとって、どんな作品になったと思いますか?
ひとことで言うと、自信になりました。今泉監督の作品で、とても尊敬できる方々と一緒に芝居ができて、その物語の一員になれているという事実がスクリーンで観られる。日々不安はありますけど、それは1つ大きな自信になったかなと思います。
◆ちなみに、日々の不安というのは?
映画や芝居のことに関して言うと、やっぱりマイナス思考になっている時は“この役は私で良かったのかな?”と考えてしまいますし、芝居やオーディションでうまくいかなかった時は“やっぱり私は向いてないのかもしれない…”と思ったり。また、全然違う話なんですが、例えば歩いていて人とぶつかった時に、不機嫌な顔をしてくる人っているじゃないですか。 そういうことがあると、めっちゃ落ち込むんです。あと、自転車のベルも苦手で「邪魔!」ってすごく怒られているような感じがして。そういうのも気になっちゃうタイプなので、逆にすごく親切な人に会うと“生きてて良かった!”というくらい、うれしくなります(笑)。
◆電車の中でお年寄りに席を譲っている若者を見ると、何かうれしくなりますよね。
私はうれしいのと同時に、“どうして自分はもっと早く気づけなかったんだろう?”と思っちゃって。自分でも面倒くさい性格だなと思います(笑)。
◆「かそけきサンカヨウ」に続いて、11月5日に「シノノメ色の週末」が公開されました。こちらの作品はいかがでしたか?
この作品は、撮影中も映画同様、3人の女の子たちの中に私が入っていって、その状態がずっと続いている感じですごく楽しかったです。変に気を使って“何か喋らなきゃ!”と思うこともなく、ホントに劇中の(自身が演じた)あすかみたいに、ただその場にいて、たまに周りに振り回されたり、時には振り回したり…そういうのがとても心地良かったです。
◆監督は、新鋭の穐山茉由さんです。穐山監督はどんな方でしたか?
穐山監督は、しっかりした軸はありつつもふんわりした雰囲気の方で。すごく厳しいことを話されていても、喋り方や雰囲気からそんなふうには感じられないんです(笑)。だから、私としてはとても安心できましたし、落ち着きました。常に温かい雰囲気をお持ちで、私みたいにいちいち気にしちゃう人間にとっては、神様みたいな存在でした(笑)。
◆確かにあすかは“ただいるだけ”のようなところがありますが、独特の存在感があります。
良かったです…(笑)。あすかは周りになじもうともしないし、みんなと一緒になってキャピキャピするのではなく、1人の女性としてそこにいることがとても大事な役だなと思っていて。無理に周りに合わせたりしないところは、すごく意識しましたね。私自身もあすかみたいな感じなので、そういう意味では自然に演じることができたかなと思います。