◆ネタ同様、お二人自身の性格も普段からポジティブですか?
松陰寺:僕はどちらかと言うと、根はネガティブです。それを何とか変換して、ポジティブな方向に持っていっている…というのが一番合っているのかな。
シュウペイ:僕は逆で、もともとポジティブですね。何事にもマイナスなことを考えて入りたくないので。そのせいでめちゃくちゃスベることも多いですけど(笑)、それでヘコんでいてもしょうがないですから。
松陰寺:でも、ネタに関して言えば、別に自分たちがポジティブかどうかを意識して今のスタイルになったわけではなくて。あくまでボケへの返し、ツッコミの一環として始めたのがうまく転がっていっただけなんですよ。
シュウペイ:このスタイルにたどり着くまでに、いろいろなネタにチャレンジしてきたので。皆さんが前向きな気持ちになってくれるなら、それでいいのかなと思います。
◆コンビとしてはポジティブネタがターニングポイントとなりましたが、個々ではどうでしょうか。人生が変わったようなポジティブな体験はありますか?
松陰寺:僕はもともと、バンドをやりたくて東京に出てきたんです。で、バンドメンバーの募集サイトのようなものに登録していろいろな人に会ったんですけど、みんな上手すぎて。「マジでついていけねぇな」と早めに見切りをつけました。その結果、今があります(笑)。
シュウペイ:僕は幼いころからずっとサッカーをやっていて。プロを目指すくらいだったんです。でも、“残練”(居残り練習)があまり好きじゃなくて。高校時代、監督から3年間ずっと「おまえはなぜもっと努力しないんだ! それじゃあ宝の持ち腐れだ!」と怒られ続けていたんです。でも、“宝の持ち腐れ”って悪い意味だと勘違いしていて(笑)。
松陰寺:ええっ!?
シュウペイ:後になって本当の意味を知って、ずっと期待してくれていたんだな…って。自分には何もないと感じていたので、そんな自分でも誰かに期待してもらえることがあるんだと思ったらうれしくて。いまだに監督のその言葉が心に残っています。
松陰寺:当時、ちゃんと言葉の意味を知っていれば人生変わっていたかもね(笑)。
シュウペイ:プロのサッカー選手になれていたかもしれない(笑)。
松陰寺:でも、そうなっていたらぺこぱは誕生していなかった。だからやっぱり、知らなくて良かったんだよ。
シュウペイ:ですね(笑)。それをきっかけに、「誰かに必要とされる人間になりたい!」というポジティブな感情を持てるようになりました。