◆風間俊介さんとのシーンは、夫婦なのに緊張感がありました。共演しての感想を聞かせてください。
風間さんは現場を盛り上げてくださるムードメーカー的な方で。私は役柄的にも、序盤は重い何かを背負ってどんよりした気持ちでいることが多くて、現場を盛り上げることがうまくできなかったんですね。だから、風間さんに頼っていたというか、楽しくしてくださる風間さんに本当に助けていただきました。ただ、風間さんとの夫婦シーンはそれほど多くはなくて、風間さんが京都にいらっしゃる時は、ピリピリしたシーンの撮影を(笑)。そういう夫婦でありながら歪になっていく役は私もあまり経験したことがなかったので、新鮮な気持ちでやっていました。
◆菜穂が強烈に惹かれていく絵を描く画家・樹を演じたSUMIREさんとの共演はいかがでしたか?
SUMIREちゃんが演じる樹は独特な雰囲気をまとっているんですが、SUMIREちゃん自身は体育会系というか、少年みたいな人で。SUMIREちゃんとは年齢が近いこともあり、京都の撮影中、2人で美術館に行きました。ドラマで菜穂と樹の距離感がどんどん縮まっていくのと同じように、SUMIREちゃんとの距離感も徐々に縮まっていきましたね。
◆これまでも京都は行かれたことはありましたか?
もともと京都は好きで、地元も近いので母とよく旅行にきていたんです。撮影時期だった夏の京都もいいなと思いましたし、景色を見ているだけで一日過ごせるなって思いましたね。
◆京都に滞在し始めたばかりの菜穂は、京都で「異邦人」のような感覚になっていたと思います。高畑さんは大阪出身ですが、関西の中でも京都は独特な雰囲気や空気があるんでしょうか。
多分、気質は全然違うと思います。もちろん全てそうではないけれど、大阪の人は良いことも悪いことも隠さず言うのが礼儀みたいなところがあるので、「こう言われたけど、実はこうかも」って(裏を)読む習慣がないんです。でも台本にもあるように、京都の文化は少し遠まわしに、やわらかい言葉で刃物を包む感じがあるというか(笑)。ただ、私の友だちにも京都の人がいますが、仲良くなると本当に良くしてくださるんです。だから、最初の入口が大切。このドラマも後半になるに連れて、菜穂は周りの人の温かさに支えられていくので、京都の怖さも良いところも映っていると思います。