◆先程慶太さんが言われたように、1曲1曲が際立ったアルバムとなっていますが、収録曲の中でお2人が“推し曲”を選ぶとするなら?
千葉:(ポツリと)推し曲かぁ~(困り顔で)どれもいいんだよなぁ~。
橘:分かる。僕も選べない(笑)。
千葉:その日の気分でも違うし。
橘:そうなんだよね。
千葉:(しばらく悩んだあと)決めました。1曲目の「Strip」が一番いいという前提で、今日は「With You」。
橘:「Strip」(の制作)からこのアルバムが始まったからね。
千葉:このアルバムの推し曲と言えば、間違いなく「Strip」だし、それに対してみんなも納得してくれると思うんですけど、個人的に一番刺さったのが「With You」でした。
橘:エモいよね。
千葉:今の時代を象徴した世界観だなって。人それぞれ大事なものを失ってしまった時の喪失感って半端ないと思うんです。僕らで言うと、毎夏恒例だったライブをはじめ、当たり前にできていたことができなくなってしまった。でも、過去だけを振り返っても仕方ないと思うから、ちゃんと今の状況を受け入れて、その中で何ができるんだろうと模索しつつ、新たな道を見つけていくことができたらいいなって。あらためてこの曲を通して、w-inds.としてファンの人たちと一緒に前向きに、一緒に楽しいことをやっていけたらいいなと思いましたね。
◆楽曲的には王道なJ-POPといいますか。
橘:そうですね。少し前の僕だったらこういう曲は絶対作らなかったと思うんですけど、たまにはこういう曲もいいかなと思って作ったら、みんなから好評で。ほかで言うと「The Christmas Song」もそう。ど真ん中の曲はあえて避けてきたんですけど、それも今だからできるといった感じですね。
千葉:「The Christmas Song」は、DA PUMPさんとLeadのメンバーがフィーチャリングしてくれているんですけど、それもまたエモいといいますか。
橘:僕らはDA PUMPさんのライブにオープニングアクトとして出させてもらったことが始まりで、僕らの1stライブにはオープニングアクトとしてLeadが出てくれたので、今回の20周年のタイミングでオファーさせてもらったんです。
◆それもまた感慨深いものがありますね。では、慶太さんの推し曲とは?
橘:僕は「EXIT」。実はこの曲の歌詞は、ラストのフレーズから書いたんですよ。そこにすべてが込められているんですけど、“どんな汚い手を使って勝ち取った出口でも、自分の未来への入口だから、そこにたどり着くことが大切なんだ” “誰に何と言われようとも、最後に笑うのは君なんだよ”っていうことを伝えたくて、そこからストーリーを付け足していったんです。いうなれば、最初にオチが決まっているみたいな(笑)。
◆オチありきで(笑)。そういう書き方をしたことは今までもあったんですか?
橘:いや、今回が初めてでしたね。