◆ここまで露骨に自分自身をさらけ出している歌詞は、これまであまりなかったように思います。それも現在の状況下だったり、何よりw-inds.が20周年を迎えた今だからこそ表現できたことだったのかなと思ったのですが。
橘:確かに最近、飾らなくなった感はあるよね。
千葉:そうだね。今言われて、おぅ~って思った(笑)。
橘:あと、この曲で一番僕が伝えたかったことがあるんですけど…。
◆ぜひ教えてください。
橘:世の中逃げ出していい時があるということです。
◆まさか慶太君からこの言葉が出てくるとは。だって誰よりもストイックで、逃げ出すことが許せない人じゃないですか?
橘:そうなんですよ。でも、人それぞれ違うんだなってことをこの20年で知ったんです。
千葉:成長したね~(笑)。
橘:逃げ出さないと心が壊れてしまう人もいると思うんです。何よりよくないのは、自分で自分自身を追い込んでしまうことなので。どうしようもなくなったら、そこから逃げて、最後に笑えばいいんです。
千葉:確かに最後に笑えたら、それで全てが解消される部分はあるよね。
◆そうですね。さらに「Get Down」と「DoU」の20XX versionも収録されていますが、新たにレコーディングし直した感想はいかがでしたか?
橘:俺、ついに本格的にラッパーデビューしました!
◆ボーカルとラップの声が全く違っていて、同一人物だと思えないくらい驚きました。
千葉:別人ですよね。
橘:「俺、ちょっとやりすぎちゃったかな」って涼平君に聞いたら、「いいんじゃない」って言ってくれたから安心した!
◆ある種、ここまで違うと潔いというか。慶太君と言うと、品行方正な好青年というイメージが強いのですが、当の本人は…。
橘:ひねくれてるってずっと言ってるのに、なかなか信じてもらえなくて(笑)。
◆まさしくその部分が、いい意味で今回のラップで表されているなと思いました。
橘:ラップになると急に攻撃性が増すという。
千葉:かなり鋭利だよね。
橘:まさに僕の内にある人格がラップに表されているので(笑)、ぜひそこも楽しみながら聞いていただけるとうれしいです。
◆では、タイトル“We are”にかけて、“We are○○”と今の自分たちを表すとしたら?
橘:“We are w-inds.”。このアルバムのタイトルの由来にもかかってくるんですけど。今の本当の自分たちを出すという部分と、w-inds.というのはこれまでついてきてくれたファンの方たちやスタッフの方たち含めてみんなで成り立っているという部分、さらにそんなみんなのおかげでこの1枚ができたという強い気持ちがあるので、“We are w-inds.”ですね。
千葉:個人的に“We are”と言うタイトルを付ける時に、このアルバムを通して自分たちはちゃんとここに立ってるよっていうことを示したかったんです。スタイルも前と変わってるし、音楽も新しいものを提示していくし、形として変化はあるけど、2人の人間性や根本的な部分では昔と何も変わっていないので。それをみんなに伝えることができたらいいなと思ったんです。