w-inds.インタビュー「世の中逃げ出していい時もある。どうしようもなくなったら、逃げて、最後に笑えばいいんです」

特集・インタビュー
2021年11月26日

w-inds.インタビュー

前作「100」以来となるオリジナルアルバムをリリースしたw-inds.。本作の聴きどころや2人にとっての“推し曲”などについてたっぷりとお伺いしました。さらに、前回のインタビューで反響の大きかった「好きなところベスト3」に引き続いて、今回はお互いの「最近見つけた好きなところ・魅力的なところ」を教えてもらいました!

 

◆約3年ぶりにリリースされたアルバム「20XX “We are”」は全曲を慶太さんがプロデュースされていますが、本作に込めた思いを教えてください。

橘慶太:今まではダンスミュージックでストーリーを描くような歌詞の書き方だったのが、このアルバムでは2021年の今だからこそのw-inds.、2021年のこの世の中だからこそ歌える歌を歌いたいという思いが強くて、メッセージ性の強い歌詞が多くなったと思います。楽曲的には新しいw-inds.と今までのw-inds.と見せたいなと思ったので、今までのように全体で統一感を持たせるというよりは、1曲1曲の個を際立たせられたらと幅広い楽曲を収録しました。

◆近年のw-inds.と言うと、海外の最先端カルチャーを取り入れた攻めたサウンドが主流でしたが、今作は最先端なものから王道なものまでバランスよく収録されている気がします。

:世界で流行っているトラックだったり、日本ならではのキャッチーなメロディーであったり、自分の好きなものとみんなが好きそうなものをちょっとずつ違う曲に取り入れるというのは結構意識しましたね。

千葉涼平:3年ぶりのアルバムというのもあるんですけど、個人的にすごく長い期間をかけて作った感じがありました。まあ、俺のせいなんですけど…。

:え? 涼平君のせいって?

千葉:間に舞台があったので、前半戦と後半戦に分けてレコーディングをやったんです。でも、舞台をやったことで、新たにギアを入れ直すことができたというか、音源をもらってから自分になじむまでの時間があったので、今まで以上にスムーズに進行しましたね。

◆涼平さんはボーカリストとして今作でさらにスキルアップされていますが、プロデューサーの慶太さんから涼平さんに何か伝えたことはあったのでしょうか?

:曲ごとにいろいろ細かく注文しましたね。

千葉:いや~、今回も勉強になりました。

:例えば「Little」は、包み込む感じを出したかったので、あえて歌をビートにハメないようにしたり。「With You」は語尾の切り方、「EXIT」は声質や息の量を意識してもらいました。これだけ倍音を入れてほしいとか。

千葉:思い出せないぐらい、いっぱい言われましたね…(笑)。

:唯一「Show Me Your Love」は、もとから良かったので、ほぼ直すこともなく、あっという間に終わりました。

千葉:この曲は後半に歌入れをしたので、自分の中でこういうものが慶太に求められているんだろうなっていうことも分かっていたし、自分自身で表現もできるようになってきたんだと思います。

w-inds.インタビュー

◆先程慶太さんが言われたように、1曲1曲が際立ったアルバムとなっていますが、収録曲の中でお2人が“推し曲”を選ぶとするなら?

千葉:(ポツリと)推し曲かぁ~(困り顔で)どれもいいんだよなぁ~。

:分かる。僕も選べない(笑)。

千葉:その日の気分でも違うし。

:そうなんだよね。

千葉:(しばらく悩んだあと)決めました。1曲目の「Strip」が一番いいという前提で、今日は「With You」。

:「Strip」(の制作)からこのアルバムが始まったからね。

千葉:このアルバムの推し曲と言えば、間違いなく「Strip」だし、それに対してみんなも納得してくれると思うんですけど、個人的に一番刺さったのが「With You」でした。

:エモいよね。

千葉:今の時代を象徴した世界観だなって。人それぞれ大事なものを失ってしまった時の喪失感って半端ないと思うんです。僕らで言うと、毎夏恒例だったライブをはじめ、当たり前にできていたことができなくなってしまった。でも、過去だけを振り返っても仕方ないと思うから、ちゃんと今の状況を受け入れて、その中で何ができるんだろうと模索しつつ、新たな道を見つけていくことができたらいいなって。あらためてこの曲を通して、w-inds.としてファンの人たちと一緒に前向きに、一緒に楽しいことをやっていけたらいいなと思いましたね。

◆楽曲的には王道なJ-POPといいますか。

:そうですね。少し前の僕だったらこういう曲は絶対作らなかったと思うんですけど、たまにはこういう曲もいいかなと思って作ったら、みんなから好評で。ほかで言うと「The Christmas Song」もそう。ど真ん中の曲はあえて避けてきたんですけど、それも今だからできるといった感じですね。

千葉:「The Christmas Song」は、DA PUMPさんとLeadのメンバーがフィーチャリングしてくれているんですけど、それもまたエモいといいますか。

:僕らはDA PUMPさんのライブにオープニングアクトとして出させてもらったことが始まりで、僕らの1stライブにはオープニングアクトとしてLeadが出てくれたので、今回の20周年のタイミングでオファーさせてもらったんです。

◆それもまた感慨深いものがありますね。では、慶太さんの推し曲とは?

橘:僕は「EXIT」。実はこの曲の歌詞は、ラストのフレーズから書いたんですよ。そこにすべてが込められているんですけど、“どんな汚い手を使って勝ち取った出口でも、自分の未来への入口だから、そこにたどり着くことが大切なんだ” “誰に何と言われようとも、最後に笑うのは君なんだよ”っていうことを伝えたくて、そこからストーリーを付け足していったんです。いうなれば、最初にオチが決まっているみたいな(笑)。

◆オチありきで(笑)。そういう書き方をしたことは今までもあったんですか?

:いや、今回が初めてでしたね。

w-inds.インタビュー

◆ここまで露骨に自分自身をさらけ出している歌詞は、これまであまりなかったように思います。それも現在の状況下だったり、何よりw-inds.が20周年を迎えた今だからこそ表現できたことだったのかなと思ったのですが。

:確かに最近、飾らなくなった感はあるよね。

千葉:そうだね。今言われて、おぅ~って思った(笑)。

:あと、この曲で一番僕が伝えたかったことがあるんですけど…。

◆ぜひ教えてください。

:世の中逃げ出していい時があるということです。

◆まさか慶太君からこの言葉が出てくるとは。だって誰よりもストイックで、逃げ出すことが許せない人じゃないですか?

:そうなんですよ。でも、人それぞれ違うんだなってことをこの20年で知ったんです。

千葉:成長したね~(笑)。

:逃げ出さないと心が壊れてしまう人もいると思うんです。何よりよくないのは、自分で自分自身を追い込んでしまうことなので。どうしようもなくなったら、そこから逃げて、最後に笑えばいいんです。

千葉:確かに最後に笑えたら、それで全てが解消される部分はあるよね。

◆そうですね。さらに「Get Down」と「DoU」の20XX versionも収録されていますが、新たにレコーディングし直した感想はいかがでしたか?

:俺、ついに本格的にラッパーデビューしました!

◆ボーカルとラップの声が全く違っていて、同一人物だと思えないくらい驚きました。

千葉:別人ですよね。

:「俺、ちょっとやりすぎちゃったかな」って涼平君に聞いたら、「いいんじゃない」って言ってくれたから安心した!

◆ある種、ここまで違うと潔いというか。慶太君と言うと、品行方正な好青年というイメージが強いのですが、当の本人は…。

:ひねくれてるってずっと言ってるのに、なかなか信じてもらえなくて(笑)。

◆まさしくその部分が、いい意味で今回のラップで表されているなと思いました。

:ラップになると急に攻撃性が増すという。

千葉:かなり鋭利だよね。

:まさに僕の内にある人格がラップに表されているので(笑)、ぜひそこも楽しみながら聞いていただけるとうれしいです。

◆では、タイトル“We are”にかけて、“We are○○”と今の自分たちを表すとしたら?

:“We are w-inds.”。このアルバムのタイトルの由来にもかかってくるんですけど。今の本当の自分たちを出すという部分と、w-inds.というのはこれまでついてきてくれたファンの方たちやスタッフの方たち含めてみんなで成り立っているという部分、さらにそんなみんなのおかげでこの1枚ができたという強い気持ちがあるので、“We are w-inds.”ですね。

千葉:個人的に“We are”と言うタイトルを付ける時に、このアルバムを通して自分たちはちゃんとここに立ってるよっていうことを示したかったんです。スタイルも前と変わってるし、音楽も新しいものを提示していくし、形として変化はあるけど、2人の人間性や根本的な部分では昔と何も変わっていないので。それをみんなに伝えることができたらいいなと思ったんです。

w-inds.インタビュー

◆ちなみに前回のインタビューでは「好きなところベスト3」をお伺いしましたが、今回はお互いの「最近見つけた好きなところ・魅力的なところ」を一つ教えてください。

:涼平君はすごく面白いんですよ。このあいだ、関西の番組に涼平君が1人で出演することになって、コメントでゆりやんレトリィバァさんに「この後はブラッド・ピットさんの登場です!」って無茶振りをされた時に、「はーい! JAPAN!」って言って踊り出して(笑)。ゆりやんさんのボケにちゃんと乗っかった上で、本来予定されていた踊りにつなげていくという。しかも、続けて涼平君が「この後“スローイージ“ご覧ください!」って涼平君が言ったら、「“スロイジ”です」ってゆりやんさんにタイトルの間違いをツッコまれてて。

千葉:(苦笑)。

:30秒ぐらいの動画だったんですけど、もう、完璧すぎましたね(笑)。

千葉:むしろあれ以外どうしたらいいか分からなかったから。

:いやいや、僕だったら無茶振りをされた時点で「ちょっと待ってくださいよ」って言って、うまく対応できずに絶対変な雰囲気になってたと思う。昔から涼平君が発するひとことって面白いなと思っていたんですけど、あらためてこんなにも面白い人だったんだとますます好きになりましたね。

千葉:ありがとうございます(笑)。僕が最近見つけた慶太の好きなところは、昔からすごいストイックでちょっと人とはかけ離れた思考の持ち主だったんですけど、最近今回のアルバムを聞いてもらうと分かるように、超人的すぎないというところ。例えるなら天竜人が下界に降りてきて、みんなに寄り添ってくれているみたいな(笑)。

:ちょっと待って、いろいろツッコミたいところがあるんだけど!(笑) 俺のこと、軽くディスってる!?

千葉:いやいや、褒めてるよ(笑)。

:俺、どこの人? そんなにも人と価値観ズレてるってこと今日初めて知ったわ(笑)。

千葉:もちろんいい意味でだけどね。真面目な話、とにかく周りの人をネガティブにさせないし「前向きに生きていこう」っていう気持ちがメッセージとして込められているから、このアルバムを聴いて、めちゃくちゃ背中を押される人が多いと思うんですよね。しかも、サウンドと言葉がリンクしていて、音からも思いが伝わってくるという。綿密に考えて作られているからこそだと思うんですけど、そこが慶太のすごいところだなってあらためて思いましたね。

:最初は何を言われるかと思ってヒヤヒヤしたけど、俺のことちゃんと理解してくれてるんだなって安心しました(笑)。

千葉:当たり前でしょ~。

◆素敵な関係性ですね。では少し早いですが今年を振り返って、どんな1年でしたか? 

:今年は20周年ということで、過去を振り返りつつ、さらなる未来を見据えて僕たちが前を向いている姿を見せる1年にしようというのを決めていたんですけど、オンラインライブでファンのみんなと一緒に20年を振り返ることもできて、今の僕たちを表現したアルバムを出すことができて、やり残したことはないなという感じですね。

千葉:今年は個人的にもめちゃくちゃチャレンジの多い1年でした。w-inds.としてもそうだし、ソロの舞台でもそうだし。どの場面でも新しいことをやらせてもらって、発見もたくさんあったので、それが実となって来年に反映されたらいいなと思います。

:さすがリーダー、最後はしっかりまとめてくれました。

千葉:っていうか、2人組になってもリーダーってあるの?

:どうしようか? これを機にリーダー制やめる?

千葉:まあ、俺がリーダーって言っても、あだ名みたいな感じだからね。

:でも、世間的には俺がただの舎弟みたいに映るじゃん(笑)。

千葉:いやいや、慶太は天竜人だから(笑)。

:実は天竜人を従えるフィクサー的な(笑)。

千葉:俺はただの平和主義者だから。

:そういう意味では、リーダーに向いてるよね。こんなクセの強い俺といられること自体すごいと思うし。逆に俺がリーダーをやってたら、完全なるブラック企業だから(笑)。

千葉:じゃあ、リーダー制は残しておく感じ?

:そうしよう。このまま涼平君はリーダーで、俺は天から降りてきて成り下がった子分ということで(笑)。

千葉:こんなw-inds.ですが(笑)、これからもいろんなことに前向きにチャレンジしていきますので、よろしくお願いします!

PROFILE

w-inds.インタビュー

w-inds.
●ういんず……2000年に千葉涼平、橘 慶太、緒方龍一の3人で結成された男性ダンスボーカルユニット。2001年3月14日に「Forever Memories」でデビュー。日本国内に留まらず、中国や台湾・香港などの東南アジア全域にも活躍の場を広げ、デビュー15周年を経て橘慶太によるセルフプロデュースを本格化。2020年5月末に緒方が脱退し、同年12月に新生w-inds.としてDigital Single「Beautiful Now」リリースし、活動を再スタートさせた。

橘慶太
●たちばな・けいた…1985年12月16日生まれ。福岡県出身。

千葉涼平
●ちば・りょうへい…1984年11月18日生まれ。北海道出身。B型。

リリース情報

14th Album「20XX “We are”」
発売中

 

photo/ota_sam text/星野彩乃

w-inds.のサイン色紙を1名にプレゼント!

w-inds.インタビュー

<応募方法>
TV LIFE公式Twitterをフォロー&プレゼント告知ツイートをRTしていただいた方の中から抽選で1名にw-inds.のサイン色紙をプレゼント!
当選者には、TV LIFE公式TwitterアカウントよりDMでお知らせいたします。

TV LIFE公式Twitter(@tv_life):https://twitter.com/tv_life

<応募締切>
2021年12月3日(金)23:59

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025冬ドラマ最新情報まとめ2024→2025 年末年始・お正月特番一覧