◆共演してみての、お互いの印象を教えてください。
金子:醍醐くんはかわいらしい見た目に反して、意外とイタズラ好きで。あとサウナとお酒が好き(笑)。そこはギャップがあるなと思いました。現場でも、何か悪いことをしたあとはニヤニヤしていて…。
醍醐:いやいや、そんなに悪いことはしてないですよ!?(笑)
金子:(笑)。とにかく純粋で素直で、ストレートにものを言うので、かわいい人だなと思いました。僕が撮影中に「このシーン、難しいんだよね」と相談したら、「大丈夫っすよ!」って励ましてくれたり(笑)。その明るさに助けられましたね。こんな弟がいたら絶対かわいがると思います。
醍醐:そんなに褒められると、照れますね(笑)。僕も、大地くんはお兄ちゃん兼友だちっていう感じで、居心地が良かったです。撮影中、僕が一番好きだったのは、撮影終わりに大地くんがエクステを取る瞬間。エクステを取って髪をかきあげながら鏡を見ている大地くんの顔が好きでした。
金子:どういうこと!?(笑)
醍醐:「俺、金子大地に戻ったなー」って顔をしてたんですよ。それを見て僕も「ああ、大地くんが戻ってきた!」と思って。
金子:なるほど、ちょっとホッとした表情をしてたってことね(笑)。
醍醐:あと、大地くんの笑顔もすてきで。口角がすごい上がるんですよ。こんなにきれいにほほ笑む人がいるんだ! って。
金子:ありがとう(笑)。作品の中で僕たちの関係性が役に活きた部分もあると思います。最初の設定だと、ミツルのほうが純粋で真っすぐな感じだったんですが、それよりも醍醐くん演じるカケルのほうが真っすぐなタイプで。そんなカケルによって、ミツルは包容力を持ったキャラクターになりました。
◆今回メガホンを取ったのは、映画「不能犯」や「貞子 VS 伽椰子」など数々の話題作を手がけてきた白石晃士監督です。この作品における“白石監督らしさ”はどんなところにあると思いますか?
金子:近未来の設定なのに、ところどころチープなんですが、多分、あえてチープにされているのかなと。その独特の感覚というか、白石監督ならではツボがある気がしました。だからこそ、見ていて飽きないんだと思います。
醍醐:白石監督は、違う角度からものを見ている人なんだと思います。例えば、空に虹が出ていたら、多くの人は虹を見るけれど、監督は水たまりに反射した虹を見ている、ような。どこか不思議でミステリアスな部分がありますね。その感覚を共有するために監督と、それから大地くんとたくさん相談しました。相談するだけで「なるほど、そうなんだ!」と理解できる部分があれば、実際に演じてみてやっと分かることもあって。
金子:撮影中、僕たちはどんな映像になるのか想像がついていなかったけれど、監督の中では明確に完成形が見えていたと思うので、そこのすり合わせが難しかったですね。撮影中は分からなさすぎて不安だったんですが、「でも監督を信じるしかない!」という気持ちでやっていました。
醍醐:完成版を見た時は、安心しましたよね(笑)。
金子:そうだね。でも監督にお会いした時、「編集作業はまだまだ攻める」とおっしゃっていたので、「とことん攻めてください」と言っておきました(笑)。