昨年から今年にかけてドラマや映画出演がめじろ押しの萩原みのりさん。12月3日(金)から公開される「成れの果て」では、悪夢のような過去を背負いながら生きる主人公・小夜の苦しさを、鬼気迫る演技で表現。緊迫感あふれる本作の撮影中、彼女が心がけていたこととは。
◆最初に台本を読んだ時、どんな印象を持ちましたか?
ホントにとてつもないお話で、ものすごいストーリーだなと。電車の中で読んだんですけど、台本を閉じてしばらく固まってしまったくらい。台本を読んだだけでは小夜が取っていく選択が私には理解できなくて、想像できないくらいつらい気持ちにならないとあそこまでたどり着けないんだろうと思い、自分にこの役が演じられるのか不安でした。でも、もしかしたら演じてみないと小夜の気持ちは分からないんじゃないかなとも思って、彼女の気持ちを知りたかったし、彼女が見ている景色を見てみたくて、思い切って挑んでみようって。
◆小夜以外の登場人物もみんな曲者ぞろいです。特に気になったキャラクターはいましたか?
やっぱり、お姉ちゃんのあすみですね。もし自分がお姉ちゃんの立場だったら、どんなことを思うんだろうと考えました。小夜もお姉ちゃんもどちらも悪くないし、それはお互い分かっているんだけど、2人の間にはどうしても埋まらない溝がある。そうした中でのお互いの気持ちを、すごく考えましたね。
◆撮影に入る時は何を一番に考えていたんですか?
冷静でいること。カメラの前で感情を爆発させるシーンはいくつかあったんですが、その爆発する瞬間以外は常に冷静でいようと思っていました。
◆実際に撮影が始まってからはいかがでしたか?
撮影が始まっても共演者の方たちと距離をとっていて。もちろんごあいさつはするけど、みんなそれ以上の会話はしませんでした。大勢で集まってワイワイお喋りするようなことは全くなかったし、みなさんが私に気を遣っている感じで。きっと小夜自身も周りの人たちからそういう扱いを受けてきたと思うんですけど、皆さんのおかげでその気持ちを自然に感じることができた気がします。
◆撮影の合間は、1人で何を考えていたんですか?
今回、衣裳さんが私の友人だったということもあって、なるべく友人とフラットな状態でいるようにしてました。小夜は怒りを抱えているとは思うんですが、彼女の中ではそれすら日常になじんでいるはずなので、オフの部分でも、苦しい気持ちを持ち続けるよりはフラットな時間があったほうがいいと思ったんです。