◆これまで、走るシーンが何度もあったと思います。その中で印象に残っているシーンはありますか?
やっぱり第1話の駅伝のシーンですね。坂道をくだって、次の仲間にたすきを渡すシーンは、15回くらい走りました。もちろん苦しかったんですけど、その苦しみも全部役作りに生かせるので。その時、走っていないと落ち着かないぐらい走る行為が染みついてしまって、その後の次の現場へ歩いて移動するのがすごく心地悪くなりました(苦笑)。大輝がその後、10年の間で警察官採用試験を受けて、警察学校通って、捜査一課まで上り詰めるまで、相当な苦労があったはずなので、大輝のその苦労をちょっとでも僕自身も味わえたことは、いい経験でした。
◆第5話でも、大輝へ隠れて電話をする梨央を見つけて追いかけるシーンがありましたね。
あのシーンは、18本くらいのレールでいろんな角度から撮影したので、5~6回は走ったのかな。そのシーンで「勝手に決めんな」っていうせりふがあったんですが、そのせりふ、20回くらい言ったんです。実は僕、次の日にレコーディングがあったんですが、そのおかげだったのか、レコーディングですごく声が出たんですよ。なので、今後もレコーディング前は発声に取り入れようかな、なんて(笑)。
◆宇多田ヒカルさんが歌う主題歌「君に夢中」の歌詞が、大輝の気持ちを代弁しているようにも思うのですが。
今回、主題歌の存在がすごく大きくて。僕らも撮影しながら、「どこで曲がかかるかな」「今のところで絶対イントロかかるよね」ってみんなで想像しながら撮っています。今回の『最愛』と宇多田さんの「君に夢中」は、絶対に1セット。曲が配信されて、僕も車の中でずっと聴いているんですけど、歌詞を見ていると大輝だけでなく、梨央や加瀬、メインで出ている人物、みんなに当てはまるフレーズだなって。あらためて主題歌が宇多田さんで良かったですし、この歌に僕自身も何度も助けられました。いろんな刺激を「君に夢中」がくれているような気がします。
◆どんな時に助けられたのでしょうか?
台本を読んでいる時だったり、移動中などですね。僕、俳優業だけではなく、音楽もやらせてもらっていて、脳みそがうまく切り替えられないことがあるんです。そういう時に「君に夢中に」を聴くだけで、一気に体中が『最愛』モードになるというか、大輝モードになる。めちゃくちゃ浸透しているんだなと実感しますね。
◆高橋文哉さんや佐久間由衣さんが、松下さんのことを笑わせてくれるムードメーカー的存在と言われていたのですが、いつもそういう立ち回りなんでしょうか?
何も考えていなかったです(笑)。笑わしてるんじゃなくて、笑われているんだと思います。僕はそのつもりがないので(笑)。
◆自然とムードメーカーになっているということですね(笑)。では、クランクイン前と比べて、一番距離が縮まった方はいらっしゃいますか?
(井浦)新さんとは初めましてだったんですが、尊敬する先輩の1人でなので、最初は緊張していたんです。どういう方なのかお話を伺いたかったので、僕のほうから率先して話しかけたんです。今ではことあるごとに連絡をくださったり、Instagramでコメントのやり取りもしていて。とても楽しく遊んでくれるので、新さんは大好きです。