飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー「どんな人か分からないからこそのワクワク感を大事に」『この初恋はフィクションです』

特集・インタビュー
2021年12月06日

『この初恋はフィクションです』飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー

TBSスター育成プロジェクト「私が女優になる日_」の演技バトルを制した飯沼愛さんが連続ドラマ初出演にして初主演を務める青春群像ラブストーリー、よるおびドラマ『この初恋はフィクションです』(TBS 毎週(月)~(木)深0・40)。顔も姿も見たことがない“不思議な転校生”祖父江広樹の存在に振り回されてきた泉(飯沼)が、第30話(11月30日放送)でついに鈴鹿央士さん演じる祖父江と初対面。文化祭の準備も始まり、2人の距離が縮まっていく。飯沼さんと鈴鹿さんに終盤の見どころや、撮影の裏話を語ってもらいました。

◆いよいよドラマも終盤を迎えます。お二人の元にどんな反響が届いていますか?

飯沼:今回、YouTube配信もされているんですが、第1話の再生回数が約140万回(12月上旬現在)と聞いて、とてもびっくりしています。坂東(龍汰)さんたちと「1万回くらい再生されたらいいな」と話をしていたので、それだけたくさんの方に見ていただけているんだなと思いました。

◆地元・香川での反響は耳にされていますか?

飯沼:私が通っている地元の高校にポスターが貼られていたり、私の兄が通っている学校では1人ひとりにドラマのクリアファイルが配られたみたいです。兄から「毎日使っているよ」と連絡が来ました(笑)。香川県が私を応援してくださっているみたいで、すごくうれしいです。

◆鈴鹿さんはどうでしょう?

鈴鹿:ドラマを撮影している時に、“祖父江広樹は鈴鹿央士”という説が出ていたみたいで(苦笑)。僕、ここ(手の甲を指しながら)にほくろがあるんですけど、このほくろで「鈴鹿央士だ!」と推測した方がいて、すごく細かいところまで見ていただいているんだなとありがたい気持ちになりました。誰かにほくろの位置を覚えられたのは初めてかもしれないです(笑)。

飯沼:ファンの方々は見てるんですね。

鈴鹿:ありがたいですね。

◆泉を演じられて、飯沼さんの中で何か変化はありましたか?

飯沼:普段の私は優柔不断な性格なんですが、泉ちゃんを演じて、“迷ったら冒険してみよう”って思うようになったんです。そして、泉ちゃんは頭でしっかりと物事を考えるタイプで。演じていて尊敬できるところだったので、今後私も泉ちゃんのように物事を考えようと思いました。

◆プレッシャーもありますか?

飯沼:自分のお芝居に不安はずっとありますね。でも、それを上回るぐらいうれしいっていう気持ちが大きいです。

◆鈴鹿さんはデビュー当時、どんな思いで作品に臨まれていましたか?

鈴鹿:飯沼さんも感じていたと思うんですけど、本当にすてきな人たちが現場に集まっていて、大切に見守ってくれる監督さん、プロデューサーさんをはじめとするスタッフさんがいて、そこで一緒に頑張ってくれるマネージャーさんもいて、いい作品にしようという思いで集まったキャストの方々で、その人たちと一緒に作品を作れたという自信があるので胸を張ってたくさんの方に見ていただきたいです。作品に対する愛情というか、それが強ければ強いほど、一つになっていればなっているほど、そこへの思いが映像を通して、見ている人に伝わるっていうのを最初の現場で言われたことだったので、『この初恋はフィクションです』の現場でも、みんなが一つになって、この作品をいいものにしようっていう作品への愛情を強く感じました。

◆チームが一丸となって作品を作っている感覚は飯沼さんもありましたか?

飯沼:この作品に関われていることがありがたいことですし、何よりすごくうれしくて。今までは見る側だったので、それを今度は自分が演じる側になるってこういうことなんだって感動したというか。SNSを見ても、「青春っていいな」ってコメントをしてくださる方がいたり、その話ごとに伝わってほしい部分が伝わっていたりして、頑張ってよかったなって思います。

『この初恋はフィクションです』飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー

◆鈴鹿さんが祖父江役を務めることは知っていましたか?

飯沼:本当はサプライズで発表だったみたいなんですが、先の予定を見た時に、“衣装合わせ・鈴鹿央士”って書いてあったんです(笑)。

◆皆さん、どんな反応でしたか?

飯沼:みんな「えー!」「鈴鹿さんなの!?」って驚いてました。私を含め女の子4人は「私が女優になる日_」の演技バトルで共演させていただいていたんですが、その時の鈴鹿さんの役名も“祖父江君”だったんです。なので、「つながっていたのかな」とも話しました。

◆鈴鹿さんは、祖父江役を務めることになってどう思われましたか?

鈴鹿:だいぶ後半に出てくるので、マネージャーさんと「あれ?央士君、大物になった?」みたいな話をしました。そんなことはないんですけど(苦笑)。

飯沼:いやいや、大物ですよ!

鈴鹿:ありがとうございます(照)。飯沼さんがそう言ってくれるので、ちょっとうれしいです。でも、顔まで映る期間が短いので、その短い間で泉さんとLINEではやりとりをしてはいるけど、実際に会った時にどういうふうに距離を縮めていこうかと、楽しみにしていました。

◆後からチームに合流する形だったと思いますが、それは祖父江がクラスに合流する時の感情と同じでしたか?

鈴鹿:皆さんすごく心が広くて「やっと、ソブー(祖父江)来た」と受け入れ態勢でいてくれました。顔を撮れない期間もあったので、顔も撮れるシーンになると「ソブー、顔入ります」と(笑)。本当に温かくて、すごく楽しい現場でしたね。

◆鈴鹿さんが祖父江役を務めることが分かってからの撮影は、知らなかった期間と何か変変化はありましたか?

飯沼:知ってからは、“鈴鹿央士さん”っていうのを考えないようにしていました。(泉は)まだ祖父江君と直接会ったことがなくLINEをしているので、どんな人か分からないからこそのワクワク感を大事にしたくて。(祖父江と)出会うシーンの撮影の時も、朝のメイク室が一緒なのでお会いするんです。でも、そこは鈴鹿さんをあまり見ないようにと意識していました。

◆鈴鹿さんにもそんな飯沼さんの意識は伝わってきましたか?

鈴鹿:ちょっと「僕、何か嫌なことしたかな?」と思いました(笑)。

飯沼:え、本当ですか!?

鈴鹿:出会いのシーンはすごく大切でしたし、出会うまでお互いを探している期間も長くあったので、その間は僕も飯沼さんをあまり見ないようにしてました。1人で(泉を)探している感じを出したかったので。なので、一瞬「あれ?」ってなりましたけど、「そういえば、今日こういうシーンを撮るから、そういうことか!」とピン!ときました。

『この初恋はフィクションです』飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー

◆「私が女優になる日_」の時に感じた印象と、現在の印象では変わりましたか?

飯沼:ドラマで一緒になってから、しれっと冗談を言ったり、急に変な絵を描かれたりして、意外と面白い方だなって思いましたね。(演技バトルの時は)そんな方だとは思っていなかったです。

鈴鹿:そんなことしてたかな~。飯沼さんは、タイトなスケジュールでも疲れた様子がなかったですし、現場を毎日楽しんでいる感じがしましたね。本当に現場が大好きで、そこにいる人たちが大好きで、すてきな大人たちに囲まれているこの環境が幸せなんだなって思っていた、初出演作に臨んでいた時の自分を見ているかのようでした。

◆現場ではどんなお話をされましたか?

鈴鹿:僕、地元が岡山なんですけど、(飯沼さんが)香川県出身で、「地元が近いね~」って話たり。

飯沼:方言を教えてもらったりしましたよね。何でしたっけ?

鈴鹿:方言だとかわいくなる言葉があるじゃないですか。それで、「“やったるぞ!”は岡山だったら“いわすぞ!”みたいな感じかな、香川は?」みたいな。そこで、距離感が縮まったなと思いますし、飯沼さんもだんだん僕の扱いに慣れてきましたよね。

飯沼:いやいや~。

鈴鹿:飯沼さんが人との距離の取り方がうまくて、助かりました。

◆ドラマ内ではLINEのやりとりがよく出てきます。お二人にとってSNSはどんなツールでしょうか?

鈴鹿:僕、Instagramで好きな服だったり、家具を見たりするんです。どんな服がお店に入ったとか、こういう系統なんだなって、自分が好きなものを簡単に情報を集められるので便利で、SNSのいいところだなと思います。ですが、つながっている感じはするけど、すごく世界が狭いなっていうのは思いました。SNSで好きなものを共有している中でつながっているだけであって、その外にはたくさんの人がいるし、ものがあるし、場所もある。SNSって世界中っていうイメージだけど、僕の中では一つの集団のようなものに見えていて、もうちょっと広い世界も見ていかないといけないなと、本や映画で取り入れています。

飯沼:鈴鹿さんと似ているんですが、フォローしているものだったり検索履歴によって、どんどん自分好みの色になっていくと思うんです。そこはすごく便利だなと思うんですけど、いざ、発信するとなったら怖いことだなと思って。文字だけで自分の伝えたいこと全部を伝えるのは難しいと思うので、もし今後そういう機会があったら、ちゃんとできるか不安だなって思います。

鈴鹿:でも、飯沼さんはしっかりされているから大丈夫ですよ!

『この初恋はフィクションです』飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー

◆注目のシーンを教えてください。

飯沼:後半の見どころは鈴鹿央士さんですよね。祖父江君約が鈴鹿さんだと分かってからは、本当に一瞬も目を離してもらいたくないです。

鈴鹿:プレッシャーがすごいですね(苦笑)。みんなが頑張って積み重ねてきたものを鈴鹿央士が壊しちゃうかもしれない…。

飯沼:いやいや~。

鈴鹿:飯沼さんのこういうところがいいところですよね。教室で(泉と)2人っきりのシーンがあるんですが、そのシーンは大切に撮りました。何回もリハーサルをやって、どうやったら自然に動けるか確認して挑みました。すごくいい雰囲気だったし、そこは飯沼さんが覚醒してましたね。

飯沼:鈴鹿さんのお芝居がすてきなので、助けられました。ありがとうございます!

◆視聴者へメッセージをお願いします。

飯沼:泉ちゃんと祖父江君が今後どうなっていくのかっていうのが見どころだなと思いますし、鈴鹿さんをたくさん堪能していただきたいです。

鈴鹿:飯沼さんたち4人の方々の成長を見てほしいです。「私が女優になる日_」で共演した時より大人になったなと感じたので。YouTubeで全話が配信されているので、ドラマを1話から見られている方々も、9週を見た後に最初へ戻って見た時に、その成長が見えると思うので、そこを楽しんでほしいです。祖父江君と泉さんがやっと会えるので、その2人の初恋をちょっとニヤニヤしながら見てもらえたらうれしいなと思います。僕もお芝居しながら、キュンキュンしてました。

◆飯沼さんもキュンキュンしましたか?

飯沼:ノジ君(坂東)とのお芝居より緊張してしまって…(苦笑)。距離感っていうのもあるんですけど、役として感情移入していたので、私もキュンキュン、ドキドキしていました。鈴鹿さんのキラキラした真ん丸い目がすてきなので、視聴者の方に伝わってほしいです。

PROFILE

『この初恋はフィクションです』飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー

飯沼愛
●いいぬま・あい…2003年8月5日生まれ。香川県出身。「TBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』」の演技バトルを制し、よるおびドラマ『この初恋はフィクションです』で連続ドラマ初出演にして初主演を務める。

『この初恋はフィクションです』飯沼愛×鈴鹿央士インタビュー

鈴鹿央士
●すずか・おうじ…2000年1月11日生まれ。岡山県出身。メンズノンノモデル。最近の出演作には、ドラマ『ホリミヤ』『ドラゴン桜 第2シリーズ』、映画「星空のむこうの国」「かそけきサンカヨウ」など。

番組情報

よるおびドラマ『この初恋はフィクションです』
TBS系
毎週月曜~木曜 深0・40~0・55(※一部地域を除く)

 

©TBS

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