井浦新インタビュー「加瀬に関しては芝居してないです。ドキュメンタリーです(笑)」『最愛』

特集・インタビュー
2021年12月09日

『最愛』井浦新インタビュー

殺人事件の重要参考人となった女性実業家・真田梨央(吉高由里子)と、彼女を追う刑事で梨央の最愛の人でもある宮崎大輝(松下洸平)、そして梨央を支える弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)の3人を中心に描かれるサスペンスラブストーリー『最愛』(TBS系 毎週(金)後10・00~)。第8話のラスト、事件現場に残されたものと同じボールペンを持つ人物として名前が挙がった加瀬。これまで真田家と梨央を献身的に支えてきた加瀬が一転、怪しまれる展開に…! ますます注目が高まる第9話(12月10日放送)の放送を前に、井浦新さんのインタビューをお届け。加瀬のキャラクターについて、そして気になる今後についてたっぷりと語っていただきました。「本当は言いたくないんですが…」と言いつつ、吉高由里子さん、松下洸平さんへの熱い思いも明かしてくれました。

 

『最愛』井浦新インタビュー

◆ここまで加瀬を演じてきた中で、井浦さん自身の心境の変化はありましたか?

加瀬に関しては、1話から一貫してまして。塚原(あゆ子)監督、新井(順子)プロデューサーからも最初に言われていた“常に梨央に優しく寄り添う”っていうところを、加瀬のキャラクターを作っていく上で大切に、ブレないように徹底しています。加瀬としても、目の前で起きるさまざまなことに対しての心境の変化は少しずつあるんです。真田ウェルネスでのさまざまなこと、お転婆な梨央社長が引き起こしてしまうさまざまなスキャンダルに対して、その都度“大変だな”と思ったりもしていて。でも、1話から薄々感じてたんですけど、加瀬という人は良くも悪くもシンプルなマインドの人なんです。内側にあるものをずっと秘めてるわけではないんですけど、表に出していくタイプではないんですよね。本当に大切なもの以外への興味がなくて、ただひたすら真田ファミリーを支え続けている。その中でも、梨央の目標や夢というものを一緒になって支えることで加瀬も梨央の夢や見ようとしている景色を一緒に見たいというそういう思いだけというか。そういうすごくシンプルなマインドの人物なんだなというのは、演じていく中で確信してきた感じですね。僕としても、1話からずっと積み重ねてきた加瀬の人間性が、ずっとやってきた中で明確になってきたっていうふうに感じています。

『最愛』井浦新インタビュー

◆梨央に対する優しい表情があれば、後藤(及川光博)に対する厳しい表情があったりとギャップのある役ですが、加瀬を演じていて楽しい部分はどんなところですか?

“シンプルなマインドを持つ” “梨央に優しく寄り添い続ける”ということを大切にしすぎると、役の輪郭がイメージしたままになりかねないというか。そこを塚原さんとも「壊すんじゃなく、どんどん役の輪郭を押し広げたい」と話していまして。“こういう言葉は使わないんじゃないか”とか、“こんな動きはしないんじゃないか”っていうものにあえてトライしてみることで、イメージの中にハマりすぎないようにしています。言葉遣いにしても、丁寧な言葉遣いだけにしていると執事のようになってしまうので、人間らしくしたいって思いがあったんです。ドラマとしては描いてはないんですけど、(梨央の兄の)政信(奥野瑛太)に対しても、加瀬は大切な真田ファミリーの1人としてどこか弟のような目で見ていると思うんです。大切で守ってあげたい気持ちもある。だから実際、政信が突っかかって来ることに対して、ちょっと人生の先輩のような対応で受け流してみたりとか。梨央に対しても仕事上では敬語だけども、その中でたまにタメ口が出てきてしまったりとか。突然部下から友達になっちゃうみたいなことを、一つのシーンの中で行ったり来たりするようなトライをしてみました。塚原監督が「ここはもっと抑えよう」と手綱を持っててくださってるので、僕はのびのびと、でもやりすぎないようにギリギリのラインを探っていく。そういうチャレンジが、加瀬を演じる上で楽しかったところですね。

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