研ぎ澄まされた歌声で聴く者を魅了するLittle Glee Monsterが、12月8日(水)に18枚目のシングル「透明な世界」をリリースした。現在放送中のテレビアニメ『「半妖の夜叉姫」弐の章』(読売テレビ・日本テレビ系)のエンデイングテーマにもなっている今作の聴きどころやMV撮影の様子を、メンバーのかれんさんとアサヒさんに伺いました。
◆新曲「透明な世界」を初めて聴いた時の率直な感想を聞かせてください。
かれん:今までのリトグリの楽曲にない曲調といいますか、メロディーも曲調もすごく儚くてきれいだなと思いました。
アサヒ:新しい世界観だったよね。これでまた、新たなリトグリを皆さんにお届けできるなと思いました。
◆作詞作曲編曲を手掛けた渡辺拓也さんは、Twitterで「今の世界に届けたい思いを込めた」と明かしていらっしゃいました。
かれん:そうですね。私も歌詞を見て、今のこの社会状況にぴったりだなと感じました。“生きていくうえで迷いや悩みもあるけど、時間は誰にも平等で、最終的には進むべきほうへ導かれていくよ”という意味が込められているんです。
アサヒ:今届けたい思いが込められている中で、アニメ『半妖の夜叉姫』の世界観を感じる歌詞にもなっています。あと、これまでのリトグリの楽曲は自分たち自身のことを歌うような歌詞が多かったんですが、この曲は聴いていただく人によって捉え方が変わってくるのかもしれないなって。聴く方々それぞれの心に寄り添えたらいいなと思います。
◆SNSでは“アニメ画の世界観に合っている”とした感想も多く見受けられました。
かれん:ありがたいですね。多くの方に素敵な曲と言っていただけているようで、私たちもうれしいです。アニメから新たにLittle Glee Monsterの楽曲を知ってくださる方もいらっしゃると思うので、それもまたすごくうれしいことです。
◆レコーディング時に心掛けたことなどはありますか?
アサヒ:メインボーカルがコロコロと変わる手法をとっているのでなるべく全体を通してなめらかになるよう、あまり各々の個性が出ないような歌い方を心掛けました。
かれん:私たちの曲は応援ソングが多かったこともあって、どれもしっかりと歌い上げているイメージがあると思うんですが、今作はなるべく引き算をする形をとったというか。リラックスして力を抜いて歌うことを意識しました。
◆MVでも、歌詞が飛び交うような演出が印象的でした。特に気に入っているフレーズなどはありますか?
かれん:私は自分が歌っている最後の“照らし出す道標”というフレーズが好きです。MVで光があるほうに私たちが歩いていくような演出があるんですけど、その光景とも合わせて希望が見えるような言葉だと思っていて。歌っている自分自身も励まされるので、聴いてくださる方々も同じように感じてもらえたらいいなと思っています。
アサヒ:今回、MVではVRアーティストのせきぐちあいみさんとコラボさせていただいて。私たちにとって初めての体験でしたが、本当に異世界に入りこんだような雰囲気のあるMVが完成したなと思います。VR体験も楽しかったよね!
かれん:うん。本当、今の時代だから作れたMVだったなって思う。歌詞が飛び交う演出がありますが、あの文字も全てせきぐちさんの手書きで。円になった私たちの中心にせきぐちさんがいらっしゃって、その場で鳥の絵を描いてくださったり。今までにない経験をさせていただきました。デジタルな作業なので微調整が大変で撮影はすごく時間がかかったんですけど…。
アサヒ:そうそう。かれんが文字をなぞるようなシーンがあって、そこはすごく細かく何度も撮り直してた。
かれん:文字の位置を確認しながらそこに手を添えたりする演出があったからね。撮影のときは全てブルーバックでよく分からなかったので、その都度モニターで確認しながら撮りました。たくさんのスタッフさんたちが協力してくださったので、出来上がった時は達成感がありましたね。
◆新曲のタイトルにちなみ“○○な世界”を妄想するとして、お2人はどんな世界があったらうれしいですか?
かれん:私は“瞬間移動ができる世界”かな。どこに行くにもラクでいいですよね。現代も交通の便は発達してますけど、もっと便利になったらいいのになって。
◆飛行機が苦手とかではなくてですか?
かれん:それは全然ないです! コロナ禍で旅行に行けてないので、瞬間移動でいろんな場所に行きたいです。
アサヒ:私は空の旅を楽しんでみたいので、“空飛ぶじゅうたんのある世界”がいいですね。雲の近くまで行ってみたいし、じゅうたんの上なら移動の間もいろんなことができそう(笑)。
◆なるほど(笑)。それなら移動時間も楽しめそうですね。「透明な世界」のカップリング「Hurry up!!」は一転してファンキーな曲です。
かれん:これはライブでみんなで一緒に盛り上がれる曲ができたらいいねと話して作りました。長いコロナ禍を経て、“もうすぐ純粋に音楽を楽しめる日がくるよ”という気持ちを込めた歌詞になっています。タオルを回しながら盛り上がれる、すごく楽しい曲ですね。
アサヒ:久しぶりに元気な曲だよね。ラップパートという新たな挑戦もあるので、ライブで歌うのが楽しみです!
◆ライブといえば、現在もツアー中ですよね。ツアー先の楽屋ではどんなふうに過ごされているのでしょうか?
かれん:本番前はメンバーそれぞれのタイミングで各々が声出しをしたり、メイクをしたりといった感じです。楽しみはご当地の物が提供されるケータリングですかね。新潟で違う味のお団子が5本用意されていた時は、誰がどれを食べるかでじゃんけんをしました。
アサヒ:楽屋に入って、まず「じゃんけんだね!」って言ったよね(笑)。何が人気だったかな?
かれん:ずんだとゴマが人気だったような…。あんこが苦手なメンバーが多いから、私はあんこを選んだけど…。
アサヒ:私は醤油味が好きでそれを選んだ! だから私たちは初めから競争に参加してなかったわけだ(笑)。
かれん:ね(笑)。やっぱりおいしいものが食べられるとみんなテンションが上がるし、それがライブへのパワーにもなっている気がします。
◆年明けの1月5日(水)、6日(木)には中野サンプラザホールで「Little Glee Monster “BRIGHT NEW WORLD PARTY 2022”」が開催されます。こちらの見どころを教えてください。
かれん:現在進行中のツアーのアフターパーティーみたいなイメージで、少しだけ年末までの公演とは内容を変えられたらいいねと話しています。
アサヒ:2日目の公演は配信することも決まって、全国の方に見ていただけるからね。
かれん:そうだね。よりたくさんの人たちにライブを体感してもらえるから、内容もそれに沿ったものにできればなと。会場で参加してくださる方たちは声は出せないですが、ノリのいい曲の時は手に持ったタオルを全力で回して盛り上がってもらいたいです!
◆コロナ禍で規制がありますからね。そうやってライブで観客の皆さんが声が出せない状況をお2人はどんなふうに見ているのでしょう。
かれん:やっぱり多少の寂しさは感じますよね。特にMCの時に返答がないので、私たちも皆さんの反応が分からず戸惑ってしまったりすることもあったので、早く何も気にすることなく声が出せる状況になったらいいなとは思います。ただ、たとえマスクをしていても、その下の皆さんの笑顔は充分に伝わってきています。
◆お互いに思いを察していこうという気持ちが働きそうですね。
かれん:確かに、これまで以上に気持ちを汲み取ろうとする感じは私たちにもお客さんにもあると思います。
アサヒ:そうやって、みなさんとライブで気持ちを共有できること自体がすごくありがたいよね。年明け一発目のライブになるので、楽しい時間を共有して皆さんと2022年のいいスタートをきれたらいいなと思います。
PROFILE
アサヒ
●あさひ…1999年5月13日生まれ。北海道出身。
かれん
●かれん…1998年6月8日生まれ。静岡県出身。
リリース情報
ニューシングル「透明な世界」
発売中
この記事の写真
text/土屋華夏