◆現実と映画の世界が混同するような感覚はありませんでした?
モトーラ:私は、ちょっとありました。(出番を)待っている時に椅子に座っていると、“私、撮影助手だから座ってたらダメなんじゃないか”って思ったり(笑)。でもずっと現場にいたくて、自分の出番がないシーンでもスタジオの端っこで撮影を見ているのが楽しくて。こういう瞬間が好きだなって思いました。
◆「カット!」「OK!」の声を聞いて、「どっち!?」ってなったりはしませんでした?
松本:映画の中では、その声は私が掛けるので(笑)。私じゃない時は本番だって分かるんですよ。世理奈ちゃんはどうだった?
モトーラ:大勢で撮影するシーンでは、私は何回か分からなくなりました。「え、あれ…どっち?」って(笑)。
松本:そうなんだ(笑)。
◆今回、お互い共演してみていかがでしたか?
松本:あるドラマで制服を着て歩いている世理奈ちゃんを見て、息を飲むような存在感と、誰もマネできないような唯一無二感があるなと思っていたんです。そしたら今回、世理奈ちゃんが出演することを知って、“何ていう素晴らしいキャスティングなの!“と思いました。実際にお会いしてみても、本当に素敵な方で。ただそこにいるだけで素敵だし、ピュアで美しくて…。
モトーラ:(照笑)。
◆となると、撮影中も楽しかった?
松本:劇中では唯一心を通わせていく2人なので、一緒に撮影していてとても楽しかったです。2人でドーナツの穴をのぞくシーンもあって、世理奈ちゃんだったから、キュートなシーンになったんじゃないかな。
モトーラ:実は、まりかさんと2人のシーンはもっとたくさん撮ったんですよね。私はお会いする前、すごく緊張していたんですが、2人のシーンを撮っていくうちに、だんだん距離が縮まっていった気がしました。まりかさんが私に話しかけてきてくれたことも、すごくうれしかったです。
松本:そうそう。そこで縮まっていったんだよね。
モトーラ:そこからのドーナツのシーンだったんです。その過程で2人が繋がったからこそ、スタジオを見下ろしながらドーナツの穴を覗くシーンには、ウソがなかった気がします。
松本:混沌とした撮影現場での世理奈ちゃんの存在は、花子にとってのよしえのようで…彼女がいてくれるだけで、心が洗われました。