◆新井さんのチームは、毎回チーム感が強いイメージありますが、それは意識されているんですか?
今回は、サスペンスだとは思えない現場です(笑)。すごくシリアスなシーンを撮っているのに、NGを出すと「やってまったー」みたいな感じで。私と塚原さんがノリツッコミし合ったり、チーム全員が明るいのはもちろん、吉高さんが現場を明るくしてくれるので、それがいい空気感になっていると思います。
◆新井さんの作品は、人生の連鎖を描かくものが多いと思います。本作でも、ミステリーの中にも“最愛”なものをどう守っていくかというヒューマンドラマの部分を強く感じるのですが、特に意識されていることなどありますでしょうか?
登場人物の感情に筋を通すということでしょうか。第1話で言っていることと、第5話で言っていることが違うと別人格になってしまうし、演じる役者さんも視聴者の方も違和感を感じてしまう。シーンの都合で、都合の良い台詞を言わないように、その話だけしか成立しないことはやらないように心がけています。今回の『最愛』は、15年前とつながっているので、15年前の流れが現在にもつながるようにしました。
◆『最愛』というタイトルは、どのタイミングで決まったのでしょう?
企画書の段階では、違うタイトルだったんです。脚本家さんといろいろ話していくうちに、このタイトルじゃないなと思い始めて。登場人物がいろいろな行動をとったり、怪しい秘密を抱えていて、“何でそんなことするんだろう”と思った時に、みんなが愛すべきもののために動いているなと感じて、“最愛”がピッタリだなって。そうしたら、ハッシュタグが引っかからないかもしれない…っていう問題もありましたけど(苦笑)。だけど、そこからは“最愛”以外に思いつかなかったですね。登場人物全員にかかるタイトルだったし。第1話冒頭のナレーションって、“最愛”について語っていたり。
◆ラストも最初から決まっていた?
企画書の段階では、犯人はこの人、としか書いていなくて。どう展開するかっていうところまでは書いていなかったので、第9話ぐらいからどう終わるか、見せるか、難しかったですね。
◆最後に、最終回に向けたメッセージをお願いします。
2年ぐらいこの作品をやっているので、やっと最終回まで来たなという感じ。これまでの伏線を全部回収するのが大変でしたが(笑)、逆に、放送した後どういう反応がくるかなと思っていて。それぞれの最愛は何だったのか。挑戦的な最終回になると思います。視聴者の皆さんがどう感じ取られるか、物語のその先を想像してほしいです。
PROFILE
新井順子
●あらい・じゅんこ…2001年にTBSスパークルに入社。2008年からプロデューサーとして活動。これまで手掛けた作品は『Nのために』『アンナチュラル』『わたし、定時で帰ります。』『MIU404』『着飾る恋には理由があって』など。
番組情報
金曜ドラマ『最愛』
TBS系
2021年12月17日(金)後10・00~10・54
©TBS