◆渡辺さんは普段、本を読まれるんですか?
渡辺:僕もあまり読むほうではないですね。でも、松本人志さんの本は全部読んでます。やっぱり、僕にとってのダウンタウンさんはヒーローですから。なので、最近になって憧れの人と共演できるようになったというのはすごく感慨深いです。しかも、この年齢なのでなおさらです。初めてお会いした時は緊張もありましたけど、“本当にいるんだ!”っていう気持ちになりましたね。あまりにも雲の上の人過ぎて、実在しないんじゃないかと思ってましたから。
長谷川:ははははは! でも、分かるなぁ。
渡辺:ビートたけしさんもそうでした。“あ、本当にいるんだ!”って、感動しました。雅紀さんはそういう人いる?
長谷川:ボクはこの本にも書いているけど、とんねるずの石橋貴明さん。青春真っただ中の時に大好きだった方ですから。昨年、初めて共演させてもらった時に番組終わりに楽屋にあいさつに行って、思いの丈を全部語ったの。学生時代にラジオを聞いていたこととか、よく見ていたテレビ番組とか。そうしたら、貴明さんのほうもボクの芸歴や年齢を知ってくださっていて。「ここからの一発逆転満塁ホームランもあるからね!」と言っていただいて。
渡辺:それはうれしい言葉だね。
長谷川:それに、(明石家)さんまさんとお会いできたのもうれしかったなぁ。その時も、「子供のころにいつも『オレたちひょうきん族』を見てました」とお伝えして。初めて見たのが小学生の時だから、40年たってまさかお会いできるとは思ってもみなかったので感動しました。
◆話を『くすぶり中年の逆襲』に戻すと、お2人は“遅咲き芸人”として注目されていますが、この本のまえがきに長谷川さんが書かれていた、「やめる勇気がなかっただけ」という言葉がものすごく刺さりました。
長谷川:そうですか。ありがとうございます! 本当に正直な気持ちなんですよね。20代で芸人を目指して、30歳近くで上京して、でも全く売れなくて。とはいえ、芸人をやめたところでボクはなんの資格も持ってないし、手に職もありませんから。仮に就職しても、ボクなんかは出世も望めないし。それならアルバイトをしながら芸人を続けたほうが、0.000001%くらいは可能性があるかもしれないなって。まぁ、もしかしたら、それも芸人をやめられなかった言い訳なのかもしれませんけどね。
渡辺:これで家族がいたら、また違ったんだろうけどね。
長谷川:そうだね。守らなくちゃいけないものがあるとね。
渡辺:その点はよかったね、我々は独身で。モテなくて本当によかった(笑)。