◆渡辺さんも同じような思いだったのでしょうか?
渡辺:僕はやめる勇気がなかったというか、芸人を目指したころから、“この人生、別にどうなってもいいや”って感じで生き始めていたんですよ(笑)。といっても、自暴自棄になっていたわけでもないし、“芸人人生に賭けてやるぞ”みたいな重さがあったわけでもないんですけどね。本当に何も考えてなかったし、どうなってもいいやって思ってて。そう思えたらなんかニヤニヤしてきちゃって、“あ〜、これでいいかな”って(笑)。
長谷川:ね。ダメなコンビでしょ?(笑)
渡辺:かといって、注目してもらえるようになった今、“やっぱり続けることは大事だよ”とか、“諦めずに頑張れよ”っていう気もさらさらないんですけど(笑)。
長谷川:この本を読んでいただければ分かるのですが、ボクらは本当に計画とか計算なしでダラダラとやってきて、今こういう状況になっているだけだもんね(笑)。ただ、そんなボクも、去年49歳になって初めてM-1の決勝に出ることができました。その時、“生きててよかった!”と思える瞬間なんて、いつくるか分からないなと思ったんです。もしかすると若いころに人生最高のタイミングがくるかもしれないし、ボクらみたいに40歳を過ぎてくるかもしれない。そう思うと、人生って面白いなって感じますね。
渡辺:こうやって自叙伝を出すことだって、想像もしてなかったしね。
◆お2人は昨年から今年にかけて一気にブレイクされましたが、環境の変化はありましたか?
渡辺:あまり変わらないですよ。もちろん、生活は楽になりましたけど。雅紀さんは10kgぐらい太ったんだっけ?
長谷川:うん。
渡辺:ただ、それまでがまともに食べられない人生だったので、ようやく人並みになっただけなんだけどね。