◆そんな、ドラマなどで大活躍中の桜井さんですが、プロフィールを拝見すると特技にサックス、ピアノとあります。何かで表現することはお好きなんですか?
好きですね。小学校3年生のころから“女優さんになりたい”と思っていたんです。でも、昔は自分が表に出て何かを表現することがすごく苦手で。女優になりたいのに人前に出るのは得意じゃないというギャップがありました(笑)。ですから、今の役者の仕事をするようになって、親が一番驚いています。
◆人前に出られるようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
それが、特別なことはなかったんです。“なりたい、なりたい”と思い続けていたら、いつの間にか、という感じで(笑)。
◆ちなみに、幼少期に見て印象に残っているドラマはありますか?
小学生の時に見た『ロングバケーション』ですね。すごくオシャレで、子どもながらに、“恋愛って、こういうものなのかぁ”と感じていたのを覚えています。それに、ドラマの中で流れていたピアノの曲が大好きで。木村拓哉さんのシーンでかかる『Close to you〜セナのピアノII』という楽曲の楽譜を買って弾いてました。それぐらいハマっていましたね。
◆そんな桜井さんが新たに自身を表現する場として、初の写真集『Lis blanc』を発売されましたが、写真集を出したいという思いは、以前からあったんですか?
いえ、考えたこともなかったです(笑)。昨年お声をかけていただいて、ちょうどそのころは自分の中で節目の時期だと感じていたこともあり、いろんなタイミングが重なって、挑戦してみようと思ったんです。
◆節目というのは…?
事務所が変わったということもありますが、それ以外にも、自分の中でいろんな物事の方向性を変えていこうと決断した時期だったんです。プライベートの時間も含め、生き方や考え方も変わりましたし、だからこそ、“今”の私を写真で残したいと思いました。
◆写真集のコンセプトはどのように決めていかれたのでしょう?
きれいな写真をたくさん集めたものというよりは、私の半生を追うような…具体的には自分が幼少期に見てきた景色や、ゆかりの地にちなんだ写真集にしたいなと。それは今回撮影してくださったフォトグラファーのアンディさんも同じ思いだったようで、最初の打ち合わせの時にも「ストーリー性のあるものにしたい」とおっしゃっていたので、方向性はすぐに決まりましたね。
◆確かに、幼少期を過ごした大分県、青春時代を送った地元・福岡など、ゆかりの地が満載ですね。そんな中でも、桜井さんが“ここだけは絶対にはずしたくない”と思われた場所は?
まだロケ地すら決まっていない段階から、大分にある祖父母の家で撮りたいという思いはありました。特別おしゃれな場所ではないただの民家なので、採用してもらえるか分からなかったんですけど(笑)。でも、祖父母の家は、今でもすごく大切な場所で。私の人生の中でとても大きな意味を持っている場所を、どうしても私の写真集の中に残しておきたかったんです。
◆そうした思い出があるからか、この家での写真はどれも表情が柔らかい印象があります。
そうですね、それはすごくあると思います。私が子どものころに使っていたものも残っていて、そういった懐かしいものに触れながら撮影していると、仕事モードが少し抜けて、心があのころに戻るような感覚がありました。実際に写真を見ても、すごくナチュラルな表情をしているなと、自分でも思いました。学生時代によく歩いていた福岡の街での写真は、すごく楽しそうな顔をしていると思います(笑)。