テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優&女優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第24回は映画「フラ・フラダンス」で声優を務める富田望生さんが登場です!
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」富田望生
◆「フラ・フラダンス」で長編アニメ映画初声優に挑戦された率直な感想から教えてください。
過去にも声優のお仕事をさせていただいたことがあったんですが、完成した作品を見たときに“私の声だけ浮いているんじゃないか”と感じてしまったことがあって。私には声優さんは向いてないかもしれない、声だけで表現するのは本当に難しいことだなと落ち込んでしまったんです。それ以来、声優というお仕事に対してずっと苦手意識があったので、本作のお話を頂いたときも私で良いのかとすごく悩みました。でも、私自身この物語の舞台である福島県いわき市出身ということもあり、震災から10年の節目にフラガールの子たちを題材にしたアニメーションを制作するというお話を聞いて、純粋にたくさんの人たちにこの物語を届けたいと思ったんです。今作には、私が今一番知ってほしい地元のリアルな姿が詰まっています。また、脚本を読み進めていくうちに、自然と苦手意識もなくなっていきましたし、夏凪日羽役の福原遥ちゃんとは以前映画で共演したことをきっかけに仲良くなり、日羽と蘭子のような絆や友情が実際にはるちゃん(福原)との間にあったので、等身大の自分で楽しく表現することができました。
◆福原さんとはどのようなやりとりをされたんですか?
収録前、はるちゃんから「近々アニメーションのオーディションがある」と突然電話がかかってきたんです。そして、後日はるちゃんから無事に決まったよという報告の連絡を受けた時に「蘭子ちゃんってみうたん(富田)だったの!? うれしい!」と言ってもらえて。私もまた同じ作品で共演できるんだとすごくうれしくなりました。
◆本作には同世代のさまざまな俳優さんたちが声優として参加されていますが、他のキャストの方のアフレコから刺激を受けたところはありましたか?
皆さんの声の使い方に圧倒されました。特に山田裕貴さんはご自身の声と演じているマネジャーの情熱的な性格が重なってすごくアニメーションとなじんでいたので、「すごい!」と感動しました。
◆フラダンスについてはどんな印象をお持ちですか?
映画「フラガール」の舞台版をやらせていただいたときに、フラダンスのレッスンもさせていただいたんですが、一般的なダンスと踊り方が全く違うことを初めて知りました。当時同時期にドラマでアイドルの役をやっていたんですけど、フラダンスが染みついていたからかアイドルの簡単なステップができなくなってしまったんです。例えばフラダンスは、踏み込んだときに腰が上がるんですけど、足を曲げたときにお尻が上がるのがアイドルの動きなので本当に真逆で。真逆なことを同時進行でやらないといけなかったので、すごく大変だった記憶がありますね。あと、劇中での蘭子ちゃんもフラのトレーニングを積み重ねていくうちにぽっちゃりした体から引き締まっていくんですが、私も実際にフラを踊っていたときに食べても食べてもなぜかくびれができていて(笑)。そういう意味で蘭子ちゃんはすごくリアルだなと思いました。
◆本作は「笑顔」がキーワードの一つになっていると思いますが、富田さんが最近笑顔になったことやこれをすると笑顔になるということはありますか?
う~ん…何だろう? 悩んじゃいますね…。
◆富田さんといえば常に笑顔のイメージがありますが…
あ! 今、同級生が就活の時期で。内定が決まったという話を聞いたときは思わず笑顔になりました。しかも、東京の大学に通っていた同級生が、地元のいわきの会社で就職することにしたという話を聞いて、あらためて戻りたくなる魅力がいわきにはあるんだなって、それもまたうれしかったです。
◆ちなみに蘭子は食べることが大好きな女性ですが、富田さんが思わず食べると笑顔になってしまう食べ物とは?
桃です。毎年桃の時期になると、いわきに在住している母の妹が大量に送ってくれるんですが、その桃をガーっと洗って、周りの毛をガーっと落として、皮ごと丸かじりする瞬間は本っっ当に幸せを感じます(笑)。
◆満面の笑顔いただきました!
スーパーで買うときは、必ず福島産かどうか調べて、ちょっと小ぶりでも絶対に福島産を買います(笑)。そのくらい福島の桃はおいしいです♡
◆物語の中で蘭子を含め、新人ダンサーのみんなにとって憧れの先輩がいましたが、富田がこの業界で憧れている先輩の女優さんはいらっしゃいますか?
今までは一人ひとり、その人のすてきなところを探すのが好きで「この人です」っていう存在をあえて作らなかったんですけど、この夏舞台「ウェンディ&ピーターパン」で黒木華さんとご一緒させていただいて、あらためて役者さんとしても女性としてもすてきな方だなと思いました。黒木さんは、私のデビュー作で担任の先生役をしてくださっていて、その後も黒木さんが出演されている作品は全て見させていただいています。稽古中などにお話をさせていただいて、素顔もすごくすてきで魅力的で本当に憧れの存在です!
◆では最後に読者の方にメッセージをお願いします。
私自身、全て見終わったあとに「いい映画だな」とグッとくる部分がたくさんありました。純粋にすてきな物語ですし、震災のことが背景にありますが、フラガールたちが夢に向かって苦悩しながら輝いていく姿を見ていただくことで、たくさんの人たちの希望、前向きに生きる力になったらうれしいなと思います。
PROFILE
●とみた・みう…2000年2月25日生まれ。福島県出身。O型。最近の主な出演作はドラマ『ネメシス』『おしゃ家ソムリエおしゃ子!2』、映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」など。
作品情報
「フラ・フラダンス」
現在公開中
<STAFF&CAST>
総監督:水島精二 監督:綿田慎也 脚本:吉田玲子
声:福原遥、美山加恋、富田望生、前田佳織里、陶山恵実里、山田裕貴、ディーン・フジオカほか
<STORY>
福島県いわき市に暮らす高校生の日羽(福原)は、かつて姉・真理が勤めていた「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て、フラガールの採用試験に応募する。未経験ながらも採用された日羽は、環奈(美山)、蘭子(富田)、オハナ(前田)、しおん(陶山)たち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージである大失敗をしてしまう。
配給:アニプレックス
©BNP, FUJITV/おしゃれサロンなつなぎ
●photo/小澤正朗 text/星野彩乃