12月28日(火)放送の『コロナに負けないで 笑う洋楽展 年末SP 〜第4回紅白ビデオ合戦〜』(BSプレミアム)に出演する、みうらじゅんさんと安齋肇さんにインタビュー。
2人が洋楽ビデオを見ながらひたすら“駄弁る”『笑う洋楽展』。12月28日(火)放送の年末特番では5年ぶりの開催となる「紅白ビデオ合戦」を。ビッグアーティストが紅組と白組に分かれて出場し、自信作のミュージックビデオで優劣を競う、という設定で“勝手に合戦”を繰り広げていく。
今回は出場資格を「65歳を超えた今も現役で活躍を続けるアーティスト」に限定。ビリー・ジョエル、ABBA、ライオネル・リッチー、シェールなど、番組常連ともいえるお馴染みのスーパースターのビデオが続々と登場する。しかし、2人は勝敗の行方にはまったく興味を示さないまま進行するという、異色の対戦番組だ。
収録を終えたばかりのみうらじゅんさんと安齋肇さんに、洋楽ビデオや番組の魅力、そして収録を振り返って感じたことをお話しいただきました。
みうらじゅん×安齋肇 インタビュー
◆前回から5年ぶりの「ビデオ合戦」でしたが、変化を感じたところはありますか。
みうら:やっぱりコロナですよね。人がいない、ということぐらいしか変わっていないので。そもそも、もともと違う目的で作られたビデオを集めているだけのことなので、合戦をさせるということ自体に無理があるんですよね。
安齋:(ビデオに登場するアーティストには)その気がないですからね。
みうら:でも、そもそも無理がある企画だったから、5年経った今もあまり変わらずにできたんだと思います。
◆みうらさんと安齋さんがクリアケースの中に収められ、展示されているようなセットですが、どんな感覚なのでしょうか。
みうら:蝋人形になったような気分ですね。生前から蝋人形になることってなかなかないですから、それは特別な気持ちですよね。今日は焼肉弁当を食べたのでニンニク臭いですけど。
安齋:いいですよ、すごく。気持ちが良いです。遮断されている感じによって、怖くない感じがします。
◆2人は洋楽のどんなところに魅力を感じますか。
みうら:生まれた時からあるものですし、その変遷も長いこと見たもんね。昔は洋楽を買うほうが得した感じがあったね。海外のミュージシャンのレコードを買うほうが良いと思い込んでいたし、洋楽のほうが音楽の最先端だったもんね。
安齋:常にね。どうしてもそういうふうに聞こえちゃったんですよ。だから、英語がわかんなくても音楽という括りの中ですごく感動したり。それってすごく不思議ですよね。
みうら:邦楽と違って歌詞もあまり分かっていないのに、好きと分かることがすごいですよね。
安齋:そのアーティストのキャラクターも分かっていないのにね。
みうら:そう。全然分からないし、顔も知らない。ただ曲だけを聴いて、好きになったりするのはすごいですよね。今は情報が多すぎるからイメージを膨らましにくいけれど、昔はイメージだけで好き嫌いを決めていたということですもんね。
安齋:今日の収録はすごくにぎやかなお祭り感のあるビデオばかりだったのですが、昔は自分たちで音楽に対してイメージを膨らましていかないといけなかったんですよね。今日の収録では膨らましすぎて、全然関係ない話をしていましたけどね。
みうら:…まぁ、見てもしょうがないなと。
安齋:やめなさい(笑)。でも、特別に好きでないものも“見れる”というのが洋楽のすごいところですよね。邦楽だったら絶対そんなことありえないですもん。
みうら:見ないよね。
安齋:洋楽は「ひょっとしたら良いのかも」と思うから最後まで見ちゃったりして。
みうら:やっぱり歌詞がダイレクトに伝わらないからだろうね。英語圏の人はダイレクトに伝わっているわけだし、伝わっていないのにファンになっているって変わった国ですよね。
安齋:でも中学、高校とかになると歌詞の大事さに気が付いてきて、日本の音楽も聞くようになって…屁理屈をこくようになるんですよね。
みうら:そこまでのコメントいらなかったと思うよ。
◆今後番組でやってみたいことはありますか。
みうら:僕らは従っているだけなので、企画は1つも出していないんです。身を委ねているだけなんですよ。
安齋:委ねることもだんだん快感になってきました。最初は「何とかしよう」と思っていましたけど。
みうら:反逆する気持ちもあったんですけど、従うほうが楽だと分かったんです。
◆台本がないこの番組はお2人がひたすら“駄弁る”というスタイルですが、だからこそやりやすかったり、楽しかったりするのでしょうか。
みうら:この番組をやるために安齋さんと30年以上前から友達になったようなものなので。
安齋:本当にそうですよね。そして何が来ようと好きに話をしていていいというスタンスは、他のどこにもないですからね。
みうら:でも、一つだけ悔しいのは(トークを)切られていることですよね。切らないでください。これがこちらからのお願いです。
安齋:でも、今回は長いので結構入っていると思いますよ。
みうら:ビデオに被るようにしゃべりましたからね、わざと。もちろんこっちはプロなので、切れないようにしてやりますので。
安齋:ただ、向こうもプロなのでそこを切っていくんですよね。
みうら:そのせめぎ合いの中、合戦しているんです。
◆番組の魅力はどんなところにあると思いますか。
みうら:僕たちのルックスだと思います。ペアのほうがおかしいということには気が付いたんです。でも、この番組のためにこの状態を続けているので、終わるなら終わるって言って欲しいんですよね。その時はもうヒゲとか剃りますから。
安齋:最大の魅力はそこですよね。あとは、自分たちがしゃべっているのを見ていてもつっこんだりできるので、参加できるという楽しさがあるかもしれないですね。昔、友達の家でビデオを見せてもらっていたときの感覚がちょっとよみがえってくるというか。タイムスリップをするような感じもあります。
みうら:その頃はビデオを見ながらビデオとは全然関係ない話をしていたじゃないですか。だから音楽ビデオを見て音楽ビデオの話をしなければならないことが逆に不思議で。昔、友達と見ていた時のようなことをしたいんですよね。安齋さんと2人で見ている感じが良いんです。
番組情報
『コロナに負けないで 笑う洋楽展 年末SP ~第4回紅白ビデオ合戦~』
BSプレミアム
2021年12月28日(火)後11・15~深0・29