◆特にその“本気さ”を感じた瞬間は?
板垣:奈緒ちゃんと黒瀬がけんかをするシーンがあって。その撮影をしたのがインしてすぐぐらいだったんですけど。“こんなに気持ちよく怒る人いるんだ!”というくらい、山本さんがぼんぼんっ! と僕に向かって真っすぐにせりふを投げてくれて(笑)。
山本:あくまでお芝居だからね(笑)。
板垣:でも、それが僕には気持ちよくて。けんかのシーンって、ちょっとでもテンポが落ちたり、どちらかの熱量が落ちたりしてしまうとうまくいかないこともあるんです。でも、山本さんは150キロの豪速球をぶん投げてくれて(笑)。相手が山本さんでよかったなと心から思いました。
山本:確かに、劇中では奈緒としての感情をものすごい勢いで投げつけさせてもらいました(笑)。
◆ “きゅん”が詰まった作品ですが、お2人自身がきゅんとしたシーンはどこですか?
山本:やっぱり、黒瀬とのキスシーンですね。
板垣:そこは僕もきゅんとしました。
山本:私、キスシーンに慣れていないからどうすればいいのか全然分からなくて。本番で目を開けたままキスしてしまったんです。そしたら監督に「目を閉じてもらっていい?」と言われて(笑)。そこで初めて“あっ、キスシーンって目を閉じるんだ!?”って。
板垣:みんな閉じます(笑)。
山本:助監督にも「僕は目を開けてキスしたことはありません」って言われて(笑)。なので、それからは“今かな? 今かな?”って自分なりにタイミングを考えながら目を閉じて、“さぁ、来い!”と思っていました(笑)。
板垣:僕は山本さんがキスをする時にいつ目を閉じるかで悩んでいたということに今きゅんとしています(笑)。山本さんは現場に入ってくるとき、いつもにこやかで、「はい、お芝居しよ!」みたいな感じでスッと役に入るんです。でも、キスシーンのときだけは険しい顔をしていたので、てっきり怒っていたのかと(笑)。
山本:いや、緊張していたんだよ。
板垣:役者さんによっては、キスシーンも「撮影だから」という感じでサラッとできちゃう人もいると思うんです。でも、ちゃんと恥ずかしがってくれるという、山本さんのそのピュアさに今またきゅんとしています(笑)。
山本:やめてよー! そういうこと言うと、絶対に(記事に)書かれるんだから(笑)。
板垣:でも、山本さんがそういう感じでいてくれたら、こっちもおのずと誠心誠意お芝居を返さないと! という気持ちになりますよね。