2021年もドラマに映画にと大活躍だった広瀬アリスさん。その広瀬さんが主演を務める『失恋めし』が新年早々、Amazon Prime Videoで配信される。木丸みさき原作コミックエッセイのドラマ化となる本作、「おいしいものを食べるのは、私にとってご褒美!」と語る広瀬さんに、現場での思い出や共演者とのエピソードなどをお聞きしました。
◆まず、2021年の活動を振り返っていただきたいのですが、昨年はドラマ、映画と大活躍の一年でした。中でも、映画「地獄の花園」はヤンキー役で。
最近、明るい女性を演じる機会が多かった中でのヤンキー役でしたからね(笑)。でもすごく楽しかったです。
◆監督の関さんは、ミュージックビデオをよく撮っていらっしゃる方ということもあり、場面の切り取り方や構図が面白かったです。
関さんは、自分で演出をつけて自分でゲラゲラ笑っているような、すごく明るい方なんですが(笑)、画がとにかくキレイなんです! 喧嘩のシーンでは背景に音楽が流れていますが、それがまさにMVを見ているかのような感じで。そういった意味でも、思い出深い作品になりました。
◆そしてドラマでは、昨年12月に放送が終了した『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』もありました。
やっぱり『ラジエーションハウスⅡ』は印象深いです。撮影期間が半年ほどあったので、ずーっと現場にいたような感じでした。共演者の皆さんと毎日のようにふざけあっていて、隣のスタジオで別の作品の撮影もしていたんですが、私たちの現場がうるさくて、「あそこは動物園だ!」ってよく言われていました(笑)。それぐらい共演者と仲が良かったです。
◆その『ラジエーションハウス』は、今年4月に劇場版も決定しましたね。
今年は、『ラジエーションハウス』はもちろん、それ以外にも決まっているお仕事があるので、2022年もいろんな広瀬アリスをお届けできると思います! 楽しみにしていてください!
◆ちなみに、毎年一年の目標などは立てるほうですか?
いえ、あまり考えないです。いつも思うのは、「楽しい一年になればいいな」「いっぱい笑っていられたらいいな」「おいしいものを食べたいな」という3つだけです(笑)。自分が楽しいと思えることをずっとやっていたい。それが常に一番にあるんです。もちろん、その中にはお仕事もあります。
◆その3つの中に「おいしいものを食べたい」が入っていますが、食事は広瀬さんにとっておいしいものはご褒美のような感じですか?
まさしくその通りです。撮影期間に入ると食事管理しなきゃと思って、グッと制限するんです。それで、撮影が全部終わったら本能の赴くままに2〜3日食べ続けて、後悔する…その繰り返しです(笑)。
◆そうした時に必ず食べるものはあるんですか?
麺類が大好きです。実はこの間も気づいたら2日で炭水化物を7食も食べてました(笑)。
◆2日で7食は多いですね(笑)。
いっぱい食べちゃいました(笑)。自分でも食べ過ぎだと分かっていたんですけど、“今日まで頑張ってきたから、いいかな…” “明日からジムに通うぞ!”って思いながら、結局7食、食べてしまいました…。
◆そんな、おいしいものがご褒美の広瀬さんが主演を務める『失恋めし』が、新年早々、Amazon Prime Videoで配信されます。この作品は、見ていると物語に引き込まれるだけでなく、すごくお腹が空くドラマですね(笑)。
良かった!(笑) その感想、すごくうれしいです。ぜひドラマに登場するお店のロケ地巡りもしてほしいです。
◆どの料理もおいしそうに食べている広瀬さんの姿が印象的でした。
どれも本当においしかったです! 本番中も、たまに撮影ということを忘れそうになるくらい“おいしい〜!”と思いながら食べていて。監督からカットがかかったあと、スタッフさんに、「これ、全部食べていいですか?」って、全部いただいていました(笑)。
◆今回演じたミキは、街で失恋した人を探し求めては、そこで出会った人たちのエピソードを「失恋めし」というコミックエッセイにしているイラストレーターの女性です。最初にこの設定を聞いた時はいかがでしたか?
食事と失恋の組み合わせに面白さを感じました。私の持論ですが、人はおいしいものを口にしている時、不幸とか哀しさから一瞬だけ遠くにいけると思うんです。“おいしい!”と思った瞬間だけは、嫌なことや落ち込んでいたことを忘れさせてくれるような。
◆確かにそうかもしれませんね。
しかもその喜びって、気持ちを前向きにさせてくれる力でもあると思うんです。“おいしいと思える感情があるのなら、自分はまだ大丈夫なのかな”って。このドラマは、決してものすごくポジティブなことを描いているわけではないですし、哀しさを完全に打ち消してくれるものでもないのですが、落ち込んでいる人の背中を軽くポンと押してくれる、そんな優しさに溢れた作品だなって思います。
◆タイトルだけを見ると、少し切ないドラマのような印象がありますが、決してそうではないですよね。
そうなんです。失恋って聞くと、どうしてもネガティブなイメージが思い浮かびますよね。なので私も、“どんなお話になるのかな?”と思っていたら、“こんなにも心がほっこりする作品なんだ!?”って驚きました。それに、失恋した相手になんの感情移入もせず、淡々と取材をしているミキの姿もおかしくて(笑)。たいていの女性は、失恋話を聞かされると自然と気持ちが入っちゃうと思うんです。「それは許せないね!」って同情したり、慰めたり。もちろん、そうした言葉もかけるんですが、ミキは完全に一線を引いた状態で会話をしていて、「それ本当ですか?」とか「えっ、それで?」ってドライにインタビュアーに徹しているところがある。完全に仕事モード(笑)。そこも面白いです。
◆過剰に寄り添わないからこそ、相手も喋りやすいのかもしれないですね。
そうですね。ミキの聞き方にはあまり嫌味がないですし。というのも、場合によっては、初対面の相手にいきなり失恋話を聞いて、「それ、エッセイで書いてもいいですか?」とお願いするのは、すごく嫌な女性に見えてしまうこともあると思うんです。ですから、そこは監督とよく話し合って、聞き役のミキをどんなスタンスにしていくか考えていきました。
◆今作を撮られた大九明子監督とは初めてになりますが、一緒にお仕事をされてみていかがでしたか?
大九さんの映画は何本も拝見していたので、撮影前からすごく楽しみでした。撮影で印象的だったのは、女性の細かい心情を繊細に撮ってくださること。例えば、日常でうれしいことがあっても、ふと嫌な記憶を思い出させるものを目にして、一瞬で気持ちが沈んでいくことってあると思うんですが、そうした感情の流れを長回しで撮ってくださるんです。喜ぶシーンでも、まずは役者がやりたいように演じさせてくれて、長回しで撮ることで、なぜその人物が喜んでいるのかを私たちに考えさせてくれる。だから、どんどん役が染み付いてくるんです。
◆物語はテンポよく進んでいくのに時間の流れはとても穏やかで、見ていて心地良かったです。
そうなんです。それに、アップと引きの画を効果的に差し込んでいるので、飽きることがないんですよね。
◆大九作品に出演された役者さんが「もう一度出たい」とよく言っている理由が分かった気がします。
私も分かります! 役はもちろん、役者もすごく立たせてくださる監督なので、機会があればまたお仕事したいです。
◆ドラマでは毎回いろんな失恋話が描かれていますが、共感したエピソードはありますか?
どの失恋話も、結構特殊なんです(笑)。でも、カニクリームコロッケのお話(第5話)は大好きです。失恋した娘(大友花恋)を元気づけるお父さん(佐藤貢三)という親子の物語なので、ほかとは少し違った描かれ方をしているんですが、“父親って、娘に対してこんな気持ちなんだ”というのが伝わってきました。私自身、大人になるにつれて、全く仲が悪くなったわけでもないのに、父親と会話をする時間が少しずつ減っていき、だんだん見えない壁を感じるようになったことがあって。世のお父さんと娘さんも歳を重ねると、こうやって言いづらいこと、聞きにくいことが増えていくのかなって思ったりもしました。
◆ミキは第5話で、親子の会話に聞き耳を立てながらいろんな妄想をしますが、広瀬さんも思わず周りの人が話している内容が聞いてしまうことって、ありますか?
あります!(笑) そのつもりがなくても聞こえてくることもありますし、そうなるとどんどん気になっちゃって(笑)。勝手にその人たちの関係性を想像したり、ちょっとクセのある方だと、つい見てしまったり。そうした人間観察をするのも大好きなんです。
◆それがお芝居に反映されることもある?
具体的に何かを真似たりということはないんですが、お芝居の引き出しにはなっていますね。雰囲気で覚えているので、元気な女性役が続いた時などに、演じ分けとして頭の中の記憶から引き出すことはあります。
◆このドラマではお話に出た第5話同様、毎回多彩なゲストが登場します。特に印象的だった共演者はいらっしゃいますか?
皆さん素敵な方ばかりで、どの回も楽しい時間を過ごさせてもらったのですが、思い出深いという意味では、第1話の門脇麦ちゃんです。撮影初日がいきなり失恋のインタビューをするシーンで。ファーストカットから失恋話をする2人だけのガッツリとした撮影だったので、“これは、なかなか濃いなあ…”と思っていたのですが(笑)、あとから思えば、あれが初日で良かったと。この『失恋めし』の核となるシーンですし、私の中でもミキという女性がどんな役なのかが明確になっていきました。
◆その第1話は、別れた恋人が大好きだったサバの味噌煮を食べながら失恋話が展開されるエピソードでした。
サバ子ちゃん(門脇)もだいぶ変わった子でしたよね(笑)。恋人が「おいしい!」と言ってくれたから、頑張ってさらにおいしいサバの味噌煮を研究して作ってあげていたというお話で。本当ならそんな料理、しばらくはお店でも食べられなくなると思うんです。でも、きっといつかは「あの時は本当に落ち込んでいたなぁ」と苦笑いしながら、哀しい思い出の料理を食べることができる。そうした前向きさを描いているのが、このドラマなので、ぜひ失恋して落ち込んでいる方にも見ていただきたいです。
◆ちなみに、普段料理はされるんですか?
時々ですけど、作ります。忙しい時ほど、なるべく作り置きをして、現場にお弁当として持っていったりしています。
◆得意料理は?
それが、ないんです。料理はあまり好きではないので(笑)。もし、作ってくれる人がいたら、全部お願いしたいです(笑)。
PROFILE
広瀬アリス
●ひろせ・ありす…1994年12月11日生まれ。静岡県出身。AB型。代表出演作に、連続テレビ小説『わろてんか』、『探偵が早すぎる』、『知ってるワイフ』、映画「地獄の花園」など。2022年4月29日公開予定の映画『劇場版ラジエーションハウス』に出演する。
番組情報
『失恋めし』
2022年1月14日(金)よりAmazon Prime Videoにて一挙独占配信(全10話)
※読売テレビにて、7月放送予定
(STAFF&CAST)
原作:木丸みさき『失恋めし』(KADOKAWA刊)
監督:大九明子
脚本:今井雅子
音楽:髙野正樹
主題歌:Homecomings「アルペジオ」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
出演:広瀬アリス 井之脇海 杉村蝉之介 臼田あさ美 安藤ニコ 若林拓也
(STORY)
イラストレーターのキミマルミキ(広瀬アリス)は、地元のフリーペーパーで「失恋めし」というエッセイ漫画を連載していた。失恋の思い出と、それにまつわる“めし”の話を描いているのだが、最近はネタ切れ気味で困っていた。そんなある日、縁結びの御利益がある神社で「いい失恋に巡り合えますように」と手を合わせていると、思い詰めた表情の女性を見かける。その女性の後をつけて、女性から定食屋で失恋エピソードを聞くミキ。これを機に、ミキは街中で失恋した人々と彼らの思い出の味に巡り合うことになる。
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/shitsurenmeshi/
公式Twitter:@shitsurenmeshi
公式Instagram:@shitsuren_meshi
©木丸みさき・KADOKAWA/ytv
photo/TOMO (tweety) text/倉田モトキ hair&make/面下伸一(FACCIA) styling/朝倉豊 衣装協力/ETRÉ TOKYO、ダイアナ、CHARLOTTE LEBECK、SOPHIE BUHAI、DO-LA
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2022年1月21日(金)23:59