◆では、改めて第4話までを振り返り、この作品の魅力を教えてください。
ミステリーとしての素晴らしさはもちろんですが、登場人物たちの心情がリアルに表現されているなと感じます。生きていれば、誰にだっていろんな感情が芽生え、それを隠したり、時には嘘をついてごまかしてしまうことが1つや2つはあると思うんです。場合によっては、誰かのためを思って振る舞っていたことが、知らず知らずのうちにその人や、別の誰かを傷つけてしまっていたり。望緒や奈々江(新川優愛)の関係性や2人の感情だって、デフォルメされて描かれてはいますが、誰も悪くないのにぶつかりあって、不幸なことが生まれてしまった。そうしたリアルさが詰まったドラマでもあるなと思います。
◆林さん自身は、他人の嘘には気づくほうですか?
気づいたり、見抜いたりすることはできませんが、普段からお芝居をしているからか、常に他人を観察しちゃうところはあります。話し相手の表情を見てしまったり、心の奥にあるものを探ろうとしてしまったり。…ほんと、イヤなくせですよね(笑)。
◆無意識のうちにしてしまうんですね。
そうなんです。そんなことをしても疲れてしまうだけですし、仮に何か隠しごとがあるのかなと感じても、自分からは触れられないので、こんなくせは早くなくしたいです。
◆ちなみに本作は14年ぶりに同級生たちと再会したところから物語が始まっていますが、林さんは14年前の自分と今を比べて変わったなと感じるところ、変わらないなと思う部分はありますか?
昔から小さなことを気にしがちなのは、今も同じですね。あと、こうしたインタビューを受けている時にパッと答えが出ず、考えすぎてしまうところも変わらないかもしれません。逆に変わった部分と言いますか、最近すごく大切にしているのは、共演者の方やスタッフさんに自分からコミュニケーションを取るようにすること。つい相手がどう思っているんだろうと考えすぎて踏み込めないことが多かったんですが、そうならないように心がけています。
◆それは何かきっかけがあったんでしょうか?
いろんな先輩方の姿を見て、ですね。僕自身、共演者の方やスタッフさんから話しかけてもらえるとすごくうれしいですし、だったら自分も同じことをしようと思って。それに周囲への気配りができる方って、一緒にいるだけで楽しいですし、素敵だなと思います。なので、人見知りだという自分の性格を言い訳にせず、なるべく積極的にコミュニケーションをとっていこうと思うようになりました。