◆今回、実際にKENZOさんからダンスを教わっていかがでしたか?
石田:曲をただ聴いていた時以上に、こんなことを表現しているんだと、「怪物」という曲の世界がすごく広がりました。この1曲の中で、鏡を使ったり、目元にフォーカスを当てたり、全体を引いたりと、いろいろな表現が組み込まれているんですが、こういったことはモーニング娘。を10年やっていても、今まで経験したことがなかったです。なので、すごく新鮮でどのシーンも見せ場みたいな、そういう見応えのあるものが出来て本当にうれしく思います。
加賀:これまではそれぞれが思う表現で目線を外したい人は外してという感じだったので、振り付けとして固定で目線を外すというのは、今までやってこなくて、今回顔にも振り付けされていること驚きました。あと、全員で壁に背中を預けながらズルズルっと下がる振り付けも、やってみたいと思う気持ちはあったんですが機会がなく、こういう機会を頂けてすごくうれしかったです。
◆石田さんと加賀さんの言葉を聞いて、KENZOさんはいかがですか?
KENZO:こんなふうに言っていただけることがうれしいですね。ダンサー冥利につきます。感無量ですね。振付師として、DA PUMPや他のアーティストさんに振り付けを提供する時と同じぐらい、他にはない作品を作り出すということを意識しました。今回共演させていただいたことが自分にとって財産になりますし、皆さんにとっても財産になるようなものが作れたということが、僕の中ではお仕事なんですけど、自分の歴史の1ページに刻まれました。
◆では、石田さんと加賀さんのダンスはKENZOさんにはどう映りましたか?
KENZO:加賀さんは…。
加賀:はい(KENZOのほうを向き、姿勢を正す)。
KENZO:こう見られながら、ダンスについて話すのも恥ずかしいんですね(笑)。僕の中でどこかダンスって性格が現れたりするものだと思っているんですよ。言葉がしゃべれない時代からダンスというボディーランゲージで何かを伝えようというところがダンスの始まりなので、それを考えると、加賀さんのダンスをひと言で表すと、内に秘めた青い炎のようだなと思いました。もちろんダンスが好きっていうのが伝わってくるんですけど、周りにどういうふうに思われているかではなく、確固たるこれだというものを自分の中で確実に持っていて、それを自分のダンスで表現できているような方だなって思いました。
加賀:「私ってそうだ、バレてる!」みたいな占いを聞いているような感覚になりますね(笑)。モーニング娘。で活動している時に、「この曲はこうだよね」と話をしても、私には別のこれっていう明白なものがあるんだよなって思っちゃうと、そこから離れられないんですよ。バレてますね(笑)。表現したいものや、これを伝えたいんだみたいなことを顔や手先を使って表現するのは結構苦手なので、今回は自分の中でそれが課題というか、そこに思いっきり挑戦できるタイミングだったなと思います。なので、今までで一番目や口をどう動かそうかなと考えられるいい機会でした。
◆石田さんはいかがでしょうか?
KENZO:石田さんは本当に気を遣う人。いろんな方を指導してきていて思うんですけど、それが顕著に表れた方だなって思いました。ダンスの振りの覚え方自体もあるんですよ。きっと何回も何回も練習して、ベースを作ってやっと自分に自信が持てるタイプの方なんだなって。だから、グループの時も周りの様子をうかがいながら、みんなの中立した場所を考えてらっしゃるのかなって、一緒に仕事をする中で思いましたね。
加賀:占いだ~! 前世はきっと占い師ですよ(笑)。
石田:ダンスを一緒にやっただけで、ここまで見えるってすごいですね。
KENZO:アーティストさんなので、見えやすいんですよ。自分の魅力というものを分かっていますし、何年もその活動をしてきているので、自分が好きなもの、自分って何なんだろうって自問自答して、はっきりと分かっている。ポケットに入れた宝石じゃないですけど、キラキラしたものが本当に見えるというか。それは普通のダンスをやっている人よりも分かりやすいです。
加賀:これ全員分聞きたいですね。