◆さて、この4月からさまざまなTVアニメの放送がスタートしましたが、その中で富田さんは『デート・ア・ライブIV』のOP主題歌「OveR」を歌われています。決まった時はいかがでしたか?
やはりうれしさが一番にありました。『デート・ア・ライブ』シリーズは、私が声優になる前から大好きな作品ですし、それだけに「えっ、私でいいんですか?」と驚いて(笑)。ただ、これほど歴史のあるアニメのオープニングを富田美憂が歌うということに、作品のファンがびっくりしないかという不安や、私なんかで務まるのかというプレッシャーもありましたね。
◆そうした思いはすぐに払拭できたんですか?
そうですね。楽曲を頂いた時、純粋に「かっこいい!」と思えて。それに完成した曲を聴いた時も「この曲なら“富田美憂で良かった”と思ってもらえる!」と感じたので、自信を持って皆さんに届けたいと思うようになりました。
◆富田さんはこれまでのシングルやタイアップでもハードな楽曲を歌ってこられているのでロックのイメージが強いのですが、今回の「OveR」はその中もダントツのアグレッシブさがあり、新たな面を感じました。
それは、昨年の6月に1stアルバム「Prologue」を作ったことがすごく影響しているのかなと思います。「Prologue」では作詞をさせてもらったり、これまで歌ったことのないような大人っぽい曲にもトライして。さらにセルフ・プロデュースのようなこともさせてもらったので、アーティストとしての幅を広げられただけでなく、私自身がどれだけのスキルを持っているかということを客観的に知る機会にもなって。今回の「OveR」はそのアルバムリリース後、最初のシングルになるので、そこからさらに一皮むけた富田美憂をお届けできる気がしています。
◆レコーディングはいかがでしたか?
実はアルバムとほぼ同時進行だったんです。確か、アルバムの曲を全部録り終わった翌週にレコーディングしたんじゃなかったかな…。だから、コンディション的には最高潮でした(笑)。それに、今まではコンペで楽曲を選ぶことが多かったのですが、「OveR」に関しては「富田美憂が『デート・ア・ライブIV』の世界観を表現するなら」というコンセプトのもと、作家の皆さんが、私とアニメ作品に合わせて曲を書き下ろしてくださって。ですから、レコーディング前に私が歌いやすいキーにアレンジしてくださったりと、いろんな調整をしてもらったんです。
◆となると、すごく歌いやすかった?
いえ、それがそうもいかなくて…。ものすごく難しい曲で、何度も“…私、試されてる?”と思うことがありました(笑)。とはいえ、アルバム制作直後ということもあってアドレナリンが出まくっていましたし(笑)、アルバム自体に大きな手応えを感じていたので、自分に自信を持って臨みましたね。そして何より、人気アニメの主題歌ですし、これを機に富田美憂のことを知ってくださる方もたくさんいらっしゃると思い、頑張って乗り切りました!