現在放送中のTVアニメ『アオアシ』(NHK Eテレ 毎週土曜 午後6時25分〜)に橘総一朗役で出演する山下誠一郎さん。作品を通じて感じたサッカーの魅力、作品の見どころについて語っていただきました。
◆『アオアシ』は子どもから大人までとても多くのファンに愛されているサッカーコミックですが、山下さんは原作を読まれたことはありますか?
オーディションを受ける段階で原作を読みました。シンプルに“面白い”と思いましたね。僕自身、サッカーの経験は、子供のころに友達と公園で遊んだり、学校の授業で触れる程度だったのですが、サッカーに疎くてもこんなに熱くなれるんだと思わせてくれるすてきな作品です。
◆印象に残っているシーンはありますか?
序盤で、主人公のアシトがユースのセレクションを受ける場面があるのですが、先輩の阿久津が放ったせりふが特に印象に残っています。サッカーを続けるためにいくらお金が必要かとか、シビアだけど現実の問題として正しいことを言ってくる。楽しさや熱さだけではない、環境やお金といった現実的な部分まで描いていることが、とても心に刺さりました。
◆そういった問題は、避けては通れないですからね。
芸事に携わると、そういったことは遠からず付きまとってきますし、自分に置き換えた時、他人事には思えなくて。自分のしたいことをするために、どのくらいの犠牲や負担があるのかなど、現実的な問題を踏まえて読むと、とてもリアリティを感じます。アシトは夢のために愛媛から東京へ向かうのですが、役者の仕事を目指して上京した時の自分の心境とシンクロする部分がありましたね。
◆山下さんが演じる橘総一朗について、性格面でご自身と共通点を感じる部分があれば教えてください。
僕が演じさせていただいている橘は、とても真面目なキャラクターで、共通点を多く感じていて、生真面目さというか、自分自身も橘に似た迷い方をしてきたという部分で、すんなりと自分の中に入ってきました。僕自身、昔からよく「真面目だね」と言われることが多いんですよ。自分としては、その言葉の中に“そんなに無理しなくてもいいのに…”という哀れみのようなものを感じてしまうこともあって。そうしたニュアンスを深読みしてしまって、“真面目でどうしていけないんだ”とか、“本気でやっているんだから当たり前じゃないか”といった気持ちが出てきて、視野が狭くなってしまう経験もありました。
◆橘も真面目さ故に悩む場面が多いと思います。そんな橘に、山下さんがアドバイスするとしたら?
高校生1年生の彼と比べて年齢的に今の僕は少しだけ大人で、同じように悩む経験を積んだ今、もし彼に会えたら、チームメイトの大友のように、明るく「お前は真面目過ぎるんだよ」と言ってしまうかもしれませんね(笑)。
◆そんな橘の、プレー面での演技でこだわった部分はありますか?
プレー中の息遣いにはこだわりました。実際の競技中には出ないであろう呼吸を、アニメではエンターテイメントとして誇張した芝居をするわけですが、橘を演じるにあたって、その表現は強く意識しています。彼の場合はその真面目さゆえに、心がプレーの幅を狭めたりすることもあって。本来100%の力を出せるところが、心ひとつでプレーに大きな差が出る。心技体、フィジカルとメンタルの関係性というか、サッカーだけではなくさまざまな芸事において、心が占める割合がすごく大きいんだなと感じて。その表現が伝わればうれしいですね。
◆ご自身が演じられる役以外で共感できるキャラクターや印象に残ったキャラクターはいますか?
アシトや冨樫は、見習いたいと思う部分が多いです。アシトがチームメイトと「点を取ることにこだわる」ことについて話す場面があるんですが、最低限のテクニックを説かれても、その理論や理屈に囚われず「点を取りたい」と強く訴える彼の言葉は、すごく自分に刺さりました。冨樫も同じように、チームメイトとぶつかるのですが、彼も自分を主体として筋を通してサッカーが好き、楽しいと感じる熱量や思いを体現している。こうした気持ちは僕も忘れてはいけないなと。だからアシトに対して、その背中や想いを追いかけて憧れる気持ちは、橘と同じですね。だからこそ、アシトが主人公なんだと思います。
◆アフレコ時など、他のキャストの方々とのエピソードがあれば、教えてください。
名前が似ているので「橘誠一朗さん」と呼ばれてイジられました(笑)。絶対わざと間違えてるでしょ! みたいな。アフレコ現場は、同世代の人が多いので、とても仲良くさせてもらっています。収録の早い段階からすでに一体感があり、それを音響監督さんはじめ、スタッフの皆さんと共有できているなって。お芝居を通して結束力のあるアオアシ愛に溢れたチームが作れていると思います。
◆本作品を通して、サッカーという競技へのイメージが変わった点などありますか?
ボールを蹴って点を取るという、サッカーを知らない人でも漠然と持っているイメージの中にとても多くの技術があることを、この作品から学ばせていただいています。『アオアシ』の出演をきっかけに、ユースのサッカーについて調べたり、動画を見たりしたのですが、この作品に触れたおかげで実際のプレーが立体的に見えるようになって、サッカーがより面白いと感じるようになりましたね。
◆山下さんから見ての本作の見どころやお気に入りのシーンがあれば、教えてください。
作中で、上京するアシトが電車の中でお母さんからの手紙を読むシーンがあるのですが、原作を読んだ時には涙腺が爆発してしまいました(笑)。原作のコミックでもすごいのに、アニメになったらどうなってしまうんだろうって。この場面を見たらみんなきっと泣いてしまうんじゃないかなと思います。それから試合のシーンも、激しいアクションが描かれていますので、そこも見どころです!
◆最後に、メッセージをお願いします。
素晴らしい作品に関われたことを、役者としてとてもうれしく思います。原作コミックとアニメ、それぞれの良さが出ていますので、その違いも楽しみにしていただきつつ、サッカーに詳しくなくても、青春物語や人間ドラマとしても楽しんでもらえるかなと。サッカーを実際にプレーしている方やサッカーを愛するアシトたちと同世代の方が、この作品を見てどのように感じるのか、すごく楽しみです。多くの人に元気を与える素晴らしい作品ですので、ぜひご覧ください!
番組情報
『アオアシ』
NHK Eテレ
毎週土曜 午後6時25分〜
※再放送:毎週木曜 午後7時20分〜
原作:小林有吾「アオアシ」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:さとう陽
シリーズ構成:横谷昌宏
副監督:曽我準
サッカー監修:竹下健一、曽我準、飯塚健司
キャラクターデザイン:中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
サブキャラクターデザイン:清池奈保、渡部由紀子、大導寺美穂、白井英介、本田真之
総作画監督:中武学、山口飛鳥
アクション作画監督:興村忠美、窪敏
プロップデザイン:伊東ありさ、津坂美織
色彩設計:上野詠美子
美術監督:垣堺司、竹田悠介
美術設定:金平和茂、伊井蔵
2Dワークス:濱中亜希子
プリビジュアライゼーション:前島昌格
3D:森本シグマ
撮影監督:今関舞子
編集:村上義典
音響監督:はたしょう二
音楽:横山克
アニメーション制作:Production I.G
声の出演:
青井葦人役:大鈴功起
大友栄作役:橘龍丸
橘総一朗役:山下誠一郎
冨樫慶司役:八代拓
黒田勘平役:堀江瞬
朝利マーチス淳役:加藤渉
本木遊馬役:榎木淳弥
竹島龍一役:熊谷健太郎
阿久津渚役:武内駿輔
栗林晴久役:梅原裕一郎
中村平役:小野賢章
桐木曜一役:内山昂輝
高杉榮太役:古川慎
義経健太役:興津和幸
一条花役:河瀬茉希
海堂杏里役:上田麗奈
金子葵役:小松未可子
福田達也役:小林親弘
伊達望役:安元洋貴
青井紀子役:園崎未恵
青井瞬役:中島ヨシキ
TVアニメ公式サイト:https://aoashi-pr.com/
TVアニメ公式Twitter:@aoashi_pr
©小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会
text/佐藤徹平(Laugh&Peace,LLC)
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2022年5月27日(金)午後11時59分
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