元宝塚・音月桂×真彩希帆インタビュー「現役時代だったらかなわなかった共演」『山里亮太の宝塚男子になってもいいですか?』

特集・インタビュー
2022年06月24日

◆宝塚を離れてから、宝塚にいてよかったなと思ったエピソードはありますか?

音月:培われたなと思うのは、舞台に対する姿勢、マナー。音楽学校の時に、上級生の方から教えてもらったことが舞台に対する思い、姿勢につながっていて、実際に宝塚の舞台を見ていると心地がいいんです。推しの方を見るのはもちろんなんですけど、全体で見た時にすごく気持ちのいい舞台だなと思うんです。この間雪組を観に行ってきたんですけど、卒業してから10年もたつと、一ファンとして「あ、すごい!宝塚の華やかなこの世界好き!」みたいになるんですよね。きっとファンの方もそうだと思いますし、劇場にいるスタッフの方にいたるまで、すごく温かい方ばかりなので、どっぷりつかって観てもらえたらいいですね。

真彩:宝塚でしか勉強できないことって、いろいろあると思うのですが、一番に思うのは同じメンバーで舞台に立った時に、そこで生まれる信頼関係や、自分という人がどういたらいいのか、周りを見る力を勉強できたことかなと。私は退団してから1年ちょっとしかたっていないのですが、どのカンパニーとご一緒しても、「気遣いと周りを見る力がすごいですね!」と言っていただくことがありがたいことに多いので、これは絶対的に宝塚で勉強させて頂いたことだなと。そして、今日あらためてこうして音月さんとお話させていただく機会を頂いて、宝塚に合格しジェンヌさんになったとことで宝塚にいた人同士でつながれるってすごいことだなと感じました。私は音月さんと舞台をご一緒したことはないけれども、思いなどをたくさん伝えることができて、それを受け止めてくださるその温かさは、タカラジェンヌのOGさんあるあるというか…ならではのことなんじゃないのかなって思います。

◆そんな魅力たっぷりの宝塚ですが、ファンの方が布教したくなる理由は何だと思いますか?

音月:私、実はファン歴が浅くて…。初めて宝塚の舞台を観たのは中学生の時だったんですが、その時ちょうど授業で落ち込むことがあったんです。でも、宝塚の舞台を観て帰る時にはすごく元気が出て、笑顔になって、「なんじゃ、この世界は」と驚いていました。その衝撃に、私は観るよりも舞台に立っていろんな人に元気になってもらったり、笑顔になってもらいたいと思ったんですよね。下級生から上級生にいたるまで、愛を持って命を削りつつ作品に取り組んでいて、特に宝塚はそういったエネルギーを受け取って帰ってもらえるような場所な気がします。それは私の原点でもありますし、これからの舞台でもずっと心掛けていきたいことで、観てくれる人が少しでも「来てよかった」「明日も頑張ろう!」と、そういうエールを送れるような環境っていうのが魅力なのかなと思います。

真彩:私も周りに宝塚が好きな子がいたかと言われると、全然いなかったですね。初めて宝塚の舞台を見に行ったのは、体調を崩されたお知り合いの方の代わりだったので…。

音月:何がきっかけになるか分からないね!

真彩:家族誰も宝塚を見たことがない状況での観劇で、私が宝塚を好きになったということで、両親がCDを買って何回も聞く機会を与えてくれたんです。今もし自分がファンだったら、「見に行こうよ!」って言って誘っていたかもしれないですけど、その当時の自分は、誰かと見に行くというよりは自分自身の中で「すてきだったな」と思い返すタイプでした。なので、山里さんみたいに発信するエネルギーがある方って本当にすごい!そこから見に行ってみようかなっていう方もいっぱいいるだろうし、実際に見てみたら紹介してくださった方よりもさらにファンになった!という方も多いと思うんです。それだけハマるエネルギーを宝塚は持っているので、「誰々さんすてきだったよね」とか「この作品見に行ってよかったよ」と、そのすごく大きくて、深いエネルギーがどんどん広がっていってほしいです。

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