テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優&女優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第36回は『機界戦隊ゼンカイジャー』などに出演し、注目度が急上昇している世古口凌さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」世古口凌
◆『機界戦隊ゼンカイジャー ファイナルライブツアー2022』や1st写真集「戀紫」のイベントで、ファンの方々と実際にお会いしてみていかがでしたか?
『ゼンカイジャー』のツアーでは、作品を通して僕のことを好きになってくれた方が多く、ステイシーという役を引っ提げて皆さんとお会いしたんです。一方、写真集は僕一人のイベントなので素のままでいられる感じといいますか。昔から応援してくれている方もいて、アットホームな雰囲気でしたね。自分のテンション感もそうですが、それぞれ違った形でコミュニケーションがとれて楽しかったです。
◆印象的な方はいらっしゃいましたか?
皆さん印象的でした。何回も来てくださる方はもちろん、僕からしたら1回来てくれるだけでもありがたくて。小さなお子さんや男性の方も多くてうれしかったですね。一人ひとりの顔を覚えたいという気持ちでお話させてもらいました。
◆男性ファンが多いというのはどんな気持ちですか?
自分の理想が“男に認められた男”で。例えば、木村拓哉さんは同性から見てもカッコいいじゃないですか。そういう意味でも男性のファンの方がいてくださることはすごくうれしいですね。
◆本誌のインタビューで、“もう一人の自分が写真集の自分を客観的に見ていた”とおっしゃっていました。そのときに新たに見えたものや思いなどはありましたか?
俳優業もそうですが、それだけに縛られずにいろんなことにチャレンジしていきたいと思いましたし、海外などいろんな場所に行ってもっともっと自分の目でいろんなものを見たいなと思いました。今の時代って、携帯やネットで何でもすぐに調べられるじゃないですか? それはそれですごく便利だと思うんです。でも、自分の目や体でちゃんと実感したいなと最近すごく感じていますね。
◆実際に何かに触れたり体感したりすることが難しい世の中になってしまっただけに、よりその大切さに気づきますよね。
はい。チャンスはあるのにできないのはもったいないなって。
◆ちなみに行きたい国はありますか?
ヨーロッパです。あと、ルート60を自分で運転してアメリカを横断してみたいですね。思い立ったときに自由に行動できるから、行くなら一人がいいです。
◆バックパッカー的な感じで?
はい。どこでもすぐに寝られますし、そこまで潔癖ではないのでそれもいいですね。
◆こちらのイメージですが、アーティスティックな雰囲気をまとっているのでインドなども合いそうです。
本当ですか? アーティスト、目指そうかな(笑)。
◆音楽は好きですか?
聴くのは好きですし趣味はカラオケと言うぐらい歌うのも好きですが、自分で音を奏でることはしないですね。
◆カラオケでよく歌う曲やアーティストは?
SMAPさんや昔のジャニーズさんの曲をよく歌います。最近はやりの音楽というよりは、平成初期の音楽が好きで。聴いた瞬間にイメージが広がってガッとテンションが上がったり、歌詞がしみるような曲が好みです。
◆休みの日はどのように過ごされていますか?
映画を見に行ったり、服を買いに行ったり、旅行に行ったりします。ふらっと箱根や軽井沢に出掛けてみたり、近場の温泉に行ったり…。この間はちょっと遠出して和歌山県まで行ってきました。
◆リフレッシュされたと。
はい。昔から自然が好きで、あんまり人がいないところのほうがリフレッシュできますね。緑の中で飛んでいる鳥とかを見るとすごく癒やされるんですよ。あと、動物とか虫も好きで。彼らってメリットデメリットで付き合ってないじゃないですか? けんかもするけど、無償の愛があるのがすてきだな、愛らしいなと思って見ちゃいますね。
◆ご自身でも何か飼っていたりするんですか?
人間の管理下に置くというのが僕の中では考えられなくて。このままだと処分されちゃうような動物がいたら引き取りたいとは思いますけど、自らお金を払って飼うことはできないです。「かわいい」「癒やされる」といった感情はありますが、彼らの一生を背負うまでの責任は持てないので。
◆世古口さんは自由奔放でフワフワしているように見えて、実はいろんな物事を俯瞰から捉えることができる上に、しっかりと地に足の着いたとても責任感の強い方なんですね。
いやいや…。でも僕は基本的には子供でいたいと思っていて。子供って自由だし、あまり人の目を気にしないし、怒られても何されても忘れちゃうし、お金のことも気にしないし…。そういう意味でも、人間の究極状態は幼子なんじゃないかなって。だから、僕は幼子になるために、自由を得るために、大人を一生懸命頑張っています(笑)。
◆“大人を頑張る”とは?
例えば、目上の人に対して敬語を使うことですね。そもそも僕はみんなに平等でありたいと思っているので自分より年下の子にタメ口をきかれても全く気にしないのですが、日本で仕事をやっていく上で敬語は必須じゃないですか? 下手でも敬語を使わないと仕事ができなくなってしまうので一生懸命頑張っているんです。
◆最初は敬語から始まっても、お互いの関係性が出来上がったら同じ目線で語り合える仲になりたいと。
そうですね。敬語だと萎縮しちゃうので、早く取っ払いたいです。人間関係は大事にしているんですけど、上下関係が嫌で。どんなに偉い人だとしても、僕は人によって態度を変えるのは好きじゃないし、敬語は使うけれど人を持ち上げるのは得意じゃないんです。
◆媚びを売りたくないと。
本当はしたくないけど、そこは計算してやっていかなきゃなって。自由を手にするために必要なことだなって、最近切り替えられるようになりましたね。もし僕がどこかで媚びを売っていたら「あっ、世古口計算してるな」って思ってください(笑)。
◆それが子供と大人の違いですよね。
この仕事をする前は、あいさつもろくにできなかったですからね。
◆俳優を目指してさまざまなオーディションを受けたそうですが、オーディションのときも媚びを売らなかった?
露骨にというよりは、変にいい子ぶっているのがバレていたと思いますね。心から楽しめていなかったからか、あるプロデューサーさんには目が笑っていないと言われたこともありました。だから98社のオーディションに落ち続けていたんだと思います。でも、落ちたことで自分自身これじゃダメだと気づけたというか。きれいごとは好きじゃないし神様を信じたりもしないけど、続けること、諦めないことは大事だなって。そこから神頼みを辞めました。
◆神頼みはしていたんですね。
今もですけど、当時はかなりひねくれていたので。本当はしたくなかったけど、そこしかないなと思って、賽銭箱に100円を投げ入れてました(笑)。今思うと、そんな態度でお願いをしても全く効果がないのも納得なんですけどね(笑)。
◆でも、こんな自分ではダメだと気づけたことで99社目でついに合格して今に至ると。
初めてのお仕事でプロデューサーさんに「何回か同じオーディションを受ける姿を見て来たけど、今回は目が違ってた。覚悟の顔をしてた」と言われてハッとしたんです。結局、何かあったときに助けてくれるのは神様じゃなく、自分自身や自分の周りにいる人なんだって。それから自分や友達、家族を大切にするようになって。この間、久々に友達と会ったら「昔と空気感が変わったね」と言われて。ひねくれものの僕にもかかわらず、ずっと友達でいてくれてありがたいなと思いましたし、だからこそ大事にしたいなという気持ちでいっぱいです。
◆ご自身でもデビュー前との変化を感じますか?
かなり…(笑)。あいさつすらしなかった僕が、今は礼儀を重んじるようになりましたから。礼さえしっかりしていれば、ありのままの自分で大丈夫というか。正直、万人に好かれるのって無理だと思うんです。好かれようと思って自分を取り繕ったら、逆に本当の自分を見失ってしまう。たとえ嫌われようが誤解されようが、僕は自分に素直に生きていきたいなって思います。
PROFILE
●せこぐち・りょう…1996年11月5日生まれ。神奈川県出身。B型。主な出演作は『機界戦隊ゼンカイジャー』など。1st写真集「戀紫」が現在発売中。
●photo/干川 修 text/星野彩乃 hair&make/柿本穂乃香